神が作った異世界でほのぼのする予定。

キツネバレー

文字の大きさ
28 / 58
2章 拠点を作ろう

15話 騎士の帰還

しおりを挟む
女神の血の涙を見た数日後、ニーナと新しい奴隷達を発見した。

ニーナ
黒目黒髪で腰までの長さ。
いつもニコニコしているが目が笑ってない。怖い
頭ひとつぐらい私より高い身長でお胸は大きい。
私のこと(見た目)がしゅきらしい。

「あれ?他の人たちは?」

「あら、エル様おはようございます。こちらは私が選んだ子達です。」

へーそうなんだと顔を見るとみんな死にそうな顔をしているが私の顔をみた途端キラキラした目をし始めた。

「エル様…」「尊い…」

やばい雰囲気を感じる。

「えっと、これあげるから頑張って」
《持ち物》から《R たくさんのお菓子》を上げてさっさと逃げた。

後ろからなにか声が聞こえるが聞きたくない。


逃げきった私は工房へと足を向けた。

「どうー?」

工房に入るとドヴが作業をしており、それをナツメが真剣に見ている。

2人とも夢中で私に気づいてないようなのでこっそりと工房を後にした。

どうしようか考えているとウィルとゾフィとユッテ、ナキリと奴隷が訓練している。


「あれ?ナキリ達もやってるんだ」
そう声をかけるとゾフィが突っ込んでくる。

「どーん!」
ガシッとゾフィを受け止めなでなでする。
「ん!んん!」
頭を出してくるユッテ。
なでなで。
ユッテの後ろにいるナキリ。

ユッテがむふーといいながら訓練に戻るとナキリが前に出てしゃがんだ。

「なに?」

「えっ!?並べば撫でてくれるのでは!?」

そんなルールはない。
しかし、あまりにも悲しそうな顔をするので撫でてあげた。

ニコニコで訓練に戻るナキリ。

ウィルがこちらに来る。

「あいつら、全員お前が理由で頑張ってるぞ」
人気者だなと私の背中を叩くウィル。

「うん、私は幸せもんだ」
そう答えウィルを見るとナイフが首に当てられていた。


「す…すまない…ニーナ」

「謝るのは私にではありませんよ…ウィル…それに、お前…?」

「すまない、エル…」

「よろしい」

「それでは失礼します。エル様」
お辞儀をして去って行くニーナ。

「おま…エルも大変だな」

「いや、ウィル程じゃないよ…」

少し小さく見えるウィルの背中をぽんぽんと叩いた。



それからルージュ商会の教育生を受け入れたりナツメが初めてナイフを作ったり。
ニーナとナキリがタイマンしたり(ニーナの圧勝)スラちゃんがずっと人の姿をするようになったり(めっちゃかわいい)一年ほどたった頃。

サーシャが帰ってきた。


「これまた随分と変わったな…」
変わった町並みを見て感心するサーシャ。

「テンションで作ったんだ、いいでしょ」

「エルは相変わらずだな」
ふふっと笑うエルは大人びていた。

「だが、相変わらずのエルよ」
笑いながら圧をかけてくるサーシャ

「え?」
なんかしたっけ

「お前が作ったこの鎧なぜ魔法を使うと煙がでるんだ?」
アイアンクローをされた。ガントレットが刺さってます。許してください。

「イギぃ…かっこいいからですぅ…」
声を絞り出す。

「そのかっこいいお陰で私は大変肩身の狭い思いをしたぞー?」
ニコニコしながら力をくわえるサーシャ。

「町には入りにくいし、子供からは逃げられる。夜道で冒険者に合えば魔物と間違われ…」
フフフ…と笑いながらも力を緩めない。
そして、急に笑顔になるサーシャ。

「でも、幾度となく私を守ってくれた」

アイアンクローをやめ兜を取ったサーシャは、膝を付き視線を落とす。

「ただいま戻りました。我が主よ」

そう言い終えたサーシャは上を向き、真っ直ぐな瞳をこちらに向けた。


私は、私の好きな瞳を見つめおかえりと返した。

サーシャが帰ってきたことで町がお祭り騒ぎになった。
まぁ騒いでるのは主に私とマオとウィルと獣人の2人だけではあるが…。
ウィルには街に行ってもらって、獣人3人組も連れてきてもらった。

それから、レストランでどんちゃん騒ぎである。

「随分人も増えたんだな」

「そうだよ!料理もいっぱい種類があって美味しいでしょ!」

「そうだ!エルが美味しい料理をたくさん振る舞うからどの街に言っても不味い料理にしか感じなかったんだ!」

「ふふ、もうちょっと経ったらいろんな街で食べれるよ」
ふふんと自慢げに言う。

「そうなのか!それは楽しみだ!」
嬉しそうに笑うサーシャ。

「あ、そうだ。見てみて」
スラちゃんを召喚する。

ぼん。

「これはスライムか…?人の形をしているが…なぜ猫の耳が…獣人の真似をしてるのか?」
ふむむと悩むサーシャ。

「えるーえるー」
声を出すスラちゃん。

よしーよし。

グリグリと胸に顔を埋めるスラちゃん。

「どうだ?可愛いだろう!」
胸を張って自慢する。

「正直ちょっと怖いが……あぁわかったぞ!ゾフィのマネをしてるんだろう!」
私にもよくやっていたと喜ぶサーシャ。

「そう思うと可愛く思えてきたな…むしろ、ゾフィをハグしたくなってきた」
そう言って鎧を脱ぎゾフィへと走っていくサーシャ。


まだ子供っぽいなぁ…

なんだか嬉しくなって私はユッテに突撃した。

あまりにも急に突撃したため、私はビンタを食らったあと威嚇された。


うーん猫っぽい…でも、可愛いんだ。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

処理中です...