神が作った異世界でほのぼのする予定。

キツネバレー

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4章 のんびり探索

6話 王都 孤児院

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話しながら孤児院へと着いた私達。

おもったよりもオンボロの建物だったのと人数が尋常じゃなかった。

「これは思ったより酷いかも…」
私は呟く。

「そうだな、私も寄付をしているのだが人数がどうもな…私のせいでもあるんだが…」
ゴニョゴニョと呟くサーシャ。

「え?サーシャのせいなの?」

「うむ、間接的ではあるのだが…私自身の寄付額が多くてな。一時期はどちらかといえば孤児院は裕福だったんだ。孤児達の身なりもよくなったしやせ細った孤児もいなくなった。」

続けてサーシャは語る。

「そのせいでな、王都の孤児はいい服も着れてご飯も食べれるという噂みたいなものが広がってだな…。家族内で虐げられた子供がここを目指したり家庭の金銭面が苦しい親が王都で子供を捨てるようになったのだ…」


えぐいことになってる…。

「私の稼ぎのほとんどをいれてゾフィとユッテも寄付しているんだが、賄えなくなってきてな。どうしたものかと考えていたのだ。王都にいるのもそれが理由だ。ゾフィとユッテには申し訳ないんだがな…」

まぁ、それもしょうがない気がする。
人数がすごい…何人いるんだこれ…。

「何人ぐらいいるの?」
私はサーシャに問う。

「細かい人数までは覚えていないが…150人ぐらいだろうか…」
考えたポーズをしたサーシャが答えた。

いくら稼ぎがいいサーシャでもこれはきつそうだ…。


「国からも運営費をもらってはいるようだがあまりにも急に人が増えてきたから寝具やら最低限の衣服やらで消えている状況でな。私達の寄付で食べているようなんだ」

このとおり服もないんだとさっき助けた孤児を見るサーシャ。

うーむ、これはどうにかしないといけない。
サーシャ達もここでずっと飼い殺しみたいな状況にさせる訳にはいかない。

「よーし!私達の街で孤児院を開こう!」
私は叫ぶ。

「まてまて、金もかかるしこんな人数どうやって運ぶんだ」

それもそうだ。んーどうしよう。
あれ?そういえば、電車の車両って混雑率200%とかだと200人ぐらい乗れるんじゃなかったけ。
いける!多分!


「まかせろー!」

私はどんと胸を叩く。

「エルに任せたらなんとかなりそうな気がしてきたな…」

そうだとサーシャは呟く。

「孤児院を移転するには王城に行けないかもしれない。ここは私に任せろ」

「ん?コネでもあるの?」
私はサーシャに問う。

「まぁな、ちょいちょい王城から依頼をもらうんだ。王から騎士団への勧誘が来るのが鬱陶しいのだが…まぁ今回はいいだろう」

やれやれと首をふるサーシャ。

「じゃあ、サーシャに任せようかな」

「うむ、任された」
そう答えたサーシャは王城へと向かった。


「私達は子供達にご飯でも作ろうかな」
マオを見て答えた。

「儂はなんもできんぞ」

「マオは子供と遊ぶんだよ」

「いや、あんな人数の子供と遊べるわけなかろう」

「ゾフィとユッテも来るから平気」

「平気なわけないじゃろ!!あふぉが!」
地団駄を踏むマオ。

「しょうがないなぁ…じゃあ、買い出し手伝って」

「それぐらいなら…んーまぁええか…ん?なんじゃお主」
さっきまでサーシャに付いていた孤児がマオを見つめる。

「んー…しょうがないのう」
マオは子供の両脇を抱え自分の肩へと乗せた。

「お主の名前はなんじゃ」

「ん…リリ…」
肩車をされた孤児はすこし嬉しそうに答えた。

「いい名前じゃの」
マオが上を見て答える。


「子供が子供を肩車してる…プスス」
私は指を差して笑う。

「なんじゃい!クソガキはこれが一番喜ぶんじゃい!!」
楽しそうな子供の顔とマオが照れ隠しでキレている顔がなんか面白い。

「じゃあ、急いでいこーか」

私達は3人で笑いながら市場へと向かった。





市場に着くと品揃えの豊富さに驚いた。

「少し高いけど種類がすごいな…」

「そうじゃのー」

するとグゥとお腹の音が聞こえる。

「マオでしょ」

「儂なわけあるかい!!あるとしてももっと可愛い感じじゃ!!」

可愛いお腹の音ってなんだ。

「お腹すいた…」
リリが答えた。

「じゃあ、そこに広場でもあるしリリとマオと私は先に食べちゃおっか」

うんと2人は返事をしたので広場へと向かう。


私はいそいそとマジックボックスから家から持ってきたお弁当やらお菓子を出す。

本当は孤児に配りたいのだがあの人数を賄える量は流石にないのでリリだけにおすそ分けしよう。

「わぁ…すごいね!」
リリがキラキラした目でお弁当とお菓子を見る。

「好きなだけ食べていいよ」
私はリリに向かって言う。

「そうか…では頂くとしよう」

ふと背後から声がした。

白髪で白いが薄汚れたマントを被った巨大な女性が私の背後からお弁当に手をのばす。

「いや、誰だよ」
私はツッコム。

「これは失礼した。私はスノウ・アルガードだ。暴食のスノウとも呼ばれている」

嫌な予感のする二つ名だなぁ…。

「とても美味しそうな匂いだったんだ。金なら払う。私にも食べさせてくれ」
スノウと名乗った女性の目は私を一切見ずジッとお弁当を見つめている。

そこまで食べたいならいいけどさ…。

「えぇ…まぁ、お金はいいよ。食べてどうぞ」

「そうか、断られても食べ終わったら払うが。ではいただこう」

むんずとサンドイッチを掴んだ彼女は一口で平らげた。

「え!?」
驚愕する私

「うまいぞ!これは!うまい!」
驚嘆する彼女

「また変な奴じゃのう…」
傍観するマオ




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