50 / 58
4章 のんびり探索
7話 続 王都
しおりを挟む
一心不乱に食べているスノウを見て引く私達。
「おい、お前が急いで食べてるからリリが食べてないじゃろ」
マオがスノウに注意をする。
「むむ…、これはすまない。あまりにも美味しくてだな」
すこし反省しているようでシュンとしている。
食い意地が張っているがいいヤツそうではある。
「まぁまぁ…まだあるし、リリの分は残してあるから食べていいよ」
私は2人に向かって言った。
「うん、ありがと」
リリはパーと笑った。
「ありがとう」
スノウは無表情で答えた。
しかし、食べかすが口元についている。
ちょっと可愛い。座っていてもでかいけど。
バクバク食べていたみんなも落ち着いたところでデザートを出す。
とっておきのデザートである。
「じゃあ、私の大好物のエクレア出しまーす」
ウチの街のシェフと合同で作った自信のエクレアである。
なんだかんだおしゃれなお菓子やデザートやらがあるがなんだかんだエクレアが私は一番好きだ。
「なんだ、その棒は」
ずいっと寄ってくるスノウ。
目がエクレアから離れない。
「おい、シュークリームじゃないのか。でもシュークリームと似ておる」
マオもずいっと寄ってくる
「あれ?マオにあげなかったっけ?」
「食べたことないぞ」
「じゃあ、忘れてたかも。ジルは食べたよ」
「なに!儂を差し置いてじゃと!?あやつめ帰ったら殴る」
プリプリ起こりながら理不尽な暴力を下そうとするマオ。
やめとけよ?
「じゃあ、みんなで食べよう」
一人ひとりの前にエクレアを置く。
リリは一口食べてモグモグしたあと目をキラキラさせて口を開けたまま、は~と声を上げた後あと固まった。
そんなに美味しそうに食べてくれるなら嬉しいなと思っていると
マオも同じ顔をして固まっていた。
姉妹かお前らは。
スノウは一口で全部食べた後、おかわりはないのかと無言で見つめて来た。
「ないよ」
「……」
「…じゃあ、私のあげるよ」
「いいのか!」
そう聞いたときには私からエクレアを奪い去って食べていた。
いいのか!じゃねーよ。いいけどよくねーよ。
無表情ながらモグモグ食べてる姿は可愛いし今度街にでも招待してたらふく食べてもらおう。
スノウを見た私は前の世界で飼っていたハムスターを思い出しながらそう思った。
「じゃあ、これが飯の礼だ」
そういったスノウは顔よりも大きい袋を私に渡した。
「え?なにこれ」
戸惑う私。
「中身は金貨だ。額は知らんが多分足りるだろう」
お腹を一度ポンと叩いたスノウは答える。
「こんなに要らないよ」
「いや、そんなことはない。これほど美味しい飯はエル・ユーにもなかった。」
「なにその店」
「王都で一番美味しいお店と言われている店だ。最近できたのだがとても評判なんだ。高級店だがな」
うんうんと頷きながら答えるスノウ。
へー、今度行ってみようかな。料理の参考になりそうだ。
「じゃあ、今度いってみるとするよ」
「まぁ、行ってみたら別の用事になりそうだからな」
ふと背後から声が聞こえた。
振り返るとサーシャがいる。
「あれ?サーシャじゃん」
「市場に買い物に出たと思ったらなぜ暴食とランチをしているんだ…」
「まぁそれはいいか。エル・ユーはユーフィリア商会が出しているレストランだ。エル、お前の商会だろうに…」
サーシャがはーとため息をついた。
しょうがないだろ。運営にはノータッチだぞ私は。
「ほう、お前商会を持っていたのか。どおりで強者の匂いがしたのだ。決して飯の匂いにつられてここに来たわけではない決してな」
スノウが食べかすを顔につけながら言い訳をする。
言い訳する必要ないだろ。どうした急に。
「まぁ、この話はいいか。この国の王に会う気はあるか?」
サーシャが私に話を振る。
「えー?あんまり乗る気にならないなー」
王様と会うなんて嫌だし。
「その王がエルに興味を持っていてな。会わせてくれるなら孤児院のことはエルに任せるし、王都で孤児を見かけたら保護をしたりなど便宜を図るとのことだ」
えーなんか人質みたいじゃん。
「悪くない話ではある。王も話のわかるやつだ」
「ふーん、サーシャがそこまで言うなら会ってもいいよ」
「では、明日にでも会うとしよう」
サーシャはそう答えたあとフクロウを呼んで王城と連絡を取る。
「あ、そういえば買い出しに来たんだった」
リリを見た後思いだす私。
「まだ飯があるのか?」
無表情答えるスノウ。
おめーはあほほどたべただろーが。
そう思いつつも口にある食べかすを掃除してあげた。
市場で大量の食料を買い出しし終わったあと気になることがあるので答える。
「いつまでいるの?」
「ん?私か?」
スノウがキョトンとした顔で答える。
そうだよおめーだよ。
「私は強者が好きだ。あと美味しい物もだ」
ついでみたいにいうんじゃねーよ。メインは後半だろう。
「黒騎士の強さは知っている。だが、お前とお前。いや、違うな。お前だけはちぐはぐな力を感じる」
私とマオを指さして悩んだあと私に指を指して答えた。
「私はエルでこっちがマオだよ」
お前と言われるのは別に嫌ではないが大変そうなので名前を教える。
「そうか、私はスノウ・アルガードだ」
ご丁寧にどうも…。
「飯の匂いに釣られたのは事実だが、それ以前にエルとマオに興味を持ったのは間違いない」
ほんとうかなぁ…
「特にエルに興味がある。強者のような強者ではないようなちぐはぐな力を感じるんだ」
ジーと私を見るスノウ。
「私と手合わせしないか?」
そう言ってニヤっと笑ったスノウは飢えた肉食獣のような目をしていた。
「おい、お前が急いで食べてるからリリが食べてないじゃろ」
マオがスノウに注意をする。
「むむ…、これはすまない。あまりにも美味しくてだな」
すこし反省しているようでシュンとしている。
食い意地が張っているがいいヤツそうではある。
「まぁまぁ…まだあるし、リリの分は残してあるから食べていいよ」
私は2人に向かって言った。
「うん、ありがと」
リリはパーと笑った。
「ありがとう」
スノウは無表情で答えた。
しかし、食べかすが口元についている。
ちょっと可愛い。座っていてもでかいけど。
バクバク食べていたみんなも落ち着いたところでデザートを出す。
とっておきのデザートである。
「じゃあ、私の大好物のエクレア出しまーす」
ウチの街のシェフと合同で作った自信のエクレアである。
なんだかんだおしゃれなお菓子やデザートやらがあるがなんだかんだエクレアが私は一番好きだ。
「なんだ、その棒は」
ずいっと寄ってくるスノウ。
目がエクレアから離れない。
「おい、シュークリームじゃないのか。でもシュークリームと似ておる」
マオもずいっと寄ってくる
「あれ?マオにあげなかったっけ?」
「食べたことないぞ」
「じゃあ、忘れてたかも。ジルは食べたよ」
「なに!儂を差し置いてじゃと!?あやつめ帰ったら殴る」
プリプリ起こりながら理不尽な暴力を下そうとするマオ。
やめとけよ?
「じゃあ、みんなで食べよう」
一人ひとりの前にエクレアを置く。
リリは一口食べてモグモグしたあと目をキラキラさせて口を開けたまま、は~と声を上げた後あと固まった。
そんなに美味しそうに食べてくれるなら嬉しいなと思っていると
マオも同じ顔をして固まっていた。
姉妹かお前らは。
スノウは一口で全部食べた後、おかわりはないのかと無言で見つめて来た。
「ないよ」
「……」
「…じゃあ、私のあげるよ」
「いいのか!」
そう聞いたときには私からエクレアを奪い去って食べていた。
いいのか!じゃねーよ。いいけどよくねーよ。
無表情ながらモグモグ食べてる姿は可愛いし今度街にでも招待してたらふく食べてもらおう。
スノウを見た私は前の世界で飼っていたハムスターを思い出しながらそう思った。
「じゃあ、これが飯の礼だ」
そういったスノウは顔よりも大きい袋を私に渡した。
「え?なにこれ」
戸惑う私。
「中身は金貨だ。額は知らんが多分足りるだろう」
お腹を一度ポンと叩いたスノウは答える。
「こんなに要らないよ」
「いや、そんなことはない。これほど美味しい飯はエル・ユーにもなかった。」
「なにその店」
「王都で一番美味しいお店と言われている店だ。最近できたのだがとても評判なんだ。高級店だがな」
うんうんと頷きながら答えるスノウ。
へー、今度行ってみようかな。料理の参考になりそうだ。
「じゃあ、今度いってみるとするよ」
「まぁ、行ってみたら別の用事になりそうだからな」
ふと背後から声が聞こえた。
振り返るとサーシャがいる。
「あれ?サーシャじゃん」
「市場に買い物に出たと思ったらなぜ暴食とランチをしているんだ…」
「まぁそれはいいか。エル・ユーはユーフィリア商会が出しているレストランだ。エル、お前の商会だろうに…」
サーシャがはーとため息をついた。
しょうがないだろ。運営にはノータッチだぞ私は。
「ほう、お前商会を持っていたのか。どおりで強者の匂いがしたのだ。決して飯の匂いにつられてここに来たわけではない決してな」
スノウが食べかすを顔につけながら言い訳をする。
言い訳する必要ないだろ。どうした急に。
「まぁ、この話はいいか。この国の王に会う気はあるか?」
サーシャが私に話を振る。
「えー?あんまり乗る気にならないなー」
王様と会うなんて嫌だし。
「その王がエルに興味を持っていてな。会わせてくれるなら孤児院のことはエルに任せるし、王都で孤児を見かけたら保護をしたりなど便宜を図るとのことだ」
えーなんか人質みたいじゃん。
「悪くない話ではある。王も話のわかるやつだ」
「ふーん、サーシャがそこまで言うなら会ってもいいよ」
「では、明日にでも会うとしよう」
サーシャはそう答えたあとフクロウを呼んで王城と連絡を取る。
「あ、そういえば買い出しに来たんだった」
リリを見た後思いだす私。
「まだ飯があるのか?」
無表情答えるスノウ。
おめーはあほほどたべただろーが。
そう思いつつも口にある食べかすを掃除してあげた。
市場で大量の食料を買い出しし終わったあと気になることがあるので答える。
「いつまでいるの?」
「ん?私か?」
スノウがキョトンとした顔で答える。
そうだよおめーだよ。
「私は強者が好きだ。あと美味しい物もだ」
ついでみたいにいうんじゃねーよ。メインは後半だろう。
「黒騎士の強さは知っている。だが、お前とお前。いや、違うな。お前だけはちぐはぐな力を感じる」
私とマオを指さして悩んだあと私に指を指して答えた。
「私はエルでこっちがマオだよ」
お前と言われるのは別に嫌ではないが大変そうなので名前を教える。
「そうか、私はスノウ・アルガードだ」
ご丁寧にどうも…。
「飯の匂いに釣られたのは事実だが、それ以前にエルとマオに興味を持ったのは間違いない」
ほんとうかなぁ…
「特にエルに興味がある。強者のような強者ではないようなちぐはぐな力を感じるんだ」
ジーと私を見るスノウ。
「私と手合わせしないか?」
そう言ってニヤっと笑ったスノウは飢えた肉食獣のような目をしていた。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界転生特典『絶対安全領域(マイホーム)』~家の中にいれば神すら無効化、一歩も出ずに世界最強になりました~
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が転生時に願ったのは、たった一つ。「誰にも邪魔されず、絶対に安全な家で引きこもりたい!」
その切実な願いを聞き入れた神は、ユニークスキル『絶対安全領域(マイホーム)』を授けてくれた。この家の中にいれば、神の干渉すら無効化する究極の無敵空間だ!
「これで理想の怠惰な生活が送れる!」と喜んだのも束の間、追われる王女様が俺の庭に逃げ込んできて……? 面倒だが仕方なく、庭いじりのついでに追手を撃退したら、なぜかここが「聖域」だと勘違いされ、獣人の娘やエルフの学者まで押しかけてきた!
俺は家から出ずに快適なスローライフを送りたいだけなのに! 知らぬ間に世界を救う、無自覚最強の引きこもりファンタジー、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる