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4章 のんびり探索
14話 ドラちゃん輸送
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隙間風が多くなった孤児院で夜を明かした後、孤児達を輸送することになった。
「これでよし」
私は早速ドラゴンになったヨルにカゴをつけた。
「ほ…本当に大丈夫か?…」
不安そうなサーシャ
「いざとなったら私がなんとかするよ」
ぽんと胸を叩く。
「うーん…うーん」
煮え切らないサーシャ。
私を信じろ。
煮え切らないサーシャを放っておいて孤児達をどんどんカゴに乗せていく。
孤児達はこれから遠足に行くような小学生のように喜んでいる。
最初はドラゴンにビビっていたが私が撫でたりして害がないことがわかるとすぐ1番の人気者になった。
「よーしみんな乗ったかなー?」
子供達の元気な返事が聞こえる。
しかし、元気のないサーシャの姿が見える。
「なにしてんの?早く乗ってよ」
「わ、私は大丈夫だ。走って行く」
サッと視線をそらすサーシャ。
「ビビってんの?」
視線をそらしたサーシャを見て私は少し楽しくなって煽ってみる。
「ビビってなんかない」
強い語気を感じる。
「じゃあ、乗ろうよ」
追撃をかける。
「いや、私はいい」
頑ななサーシャ。
「早く行くよー」
痺れを切らしたヨルがサーシャの首元をカプッと噛み掴んだあと空へと駆け上った。
「ひいいいいいい、バカ!下せ!」
サーシャが叫ぶ
「落とさないから大丈夫だよー」
のんびりした声のヨル。
「そういうことではない!高い高い!」
叫び続けるサーシャがあまりにも可哀想だったので魔法でカゴに入れてあげた。
「死ぬかと思った。まぁ今もだが…」
そう呟くサーシャはぺたんと腰を下ろしたまま私の腰にしがみついている。
「サーシャは高いところが苦手なんだねー」
私はサーシャを撫でつつ答えた。
「当たり前だろ!空は鳥やりゅうの場所だ!人がいるところではない!」
プンスカ騒いでいるがビビっているので何も怖くない。
まぁ、のんびり空とビビリをを楽しもうと心の中で思った。
ぼちぼち空の旅を堪能しているとマオが声を上げた。
「あれ、襲われとるぞ」
指を刺した先には何の集団がウルフの集団に襲われていた。
やばいと思った私はカゴから飛び降りた。
「わしも行くぞい」
「エル!私をおいて行くな!」
後ろからそんな声が聞こえた。
魔法で着地した私とマオは襲われている集団に目を向ける。
そこには、可愛らしい二足歩行の猫ちゃん達が怯えて固まっていた。
「ねねね!ねこちゃん!!」
興奮した私は猫ちゃんの塊へとダイブする。
「にゃにゃにゃ!新しい化け物にゃあ!!」
「化け物じゃないよぉ!はーかわいい猫ちゃん達!!」
化け物と言われてもこの衝動は止められない。
はーもふもふ…かわいい…
「なにやっておるんじゃ…」
私が猫ちゃんを堪能している間にマオがウルフを掃討したようだ。
「ふぅ…満足…」
終わった。今日死んでもいい。
「そのやりきった顔やめい」
ジト目のマオがこちらを見ている。
そんな目をされても私にはきかぬ。
猫ちゃんを堪能した私は無敵なのだ。
「と…とりあえず…ありがとうございますにゃん…」
怯えた表情の猫ちゃん達がこちらを見ている。
「猫ちゃんがお辞儀をしている!?」
はーなんて可愛いのかしら!!!
はー抱きしめたい!
「話が進まなくなるからやめい」
マオから後頭部にチョップをもらう。
「はい」
大人しく従うことにした。
「お名前を知りたいですにゃん」
前にでていた猫ちゃんの一人が喋る。
「私はエルだよ!」
食い気味に自己紹介をした。
「いえ…貴女は大丈夫ですにゃん…」
え…なんで…?
「絶望的な顔してるけどお主なにもしておらんからな?」
マオがツッこむ。
そうだった。猫ちゃんダイブしただけだった。
「ワシはマオじゃ」
どや顔のマオ
ムカつく…。
「マオ様!一生ついていきますにゃん!」
パーと笑顔になった猫ちゃん達はマオに尊敬の眼差しを向ける。
ずりい…私が猫ちゃん達の魅惑に溺れなかったら…私がそこのポジションだったのに…
グギギ…
「お主…その顔やめたほうがよいぞ…」
ドン引きするマオ。
「ついてきても良いがわしの居場所はそこのやばい顔している奴の街じゃぞ」
私を指さしているマオ。
「ひぇっ…」
後ずさりする猫ちゃん達。
そこまで引かなくてもいいだろがい。
「で…でも、マオ様に助けられた恩があるにゃん!ついていくにゃーん!」
なにかを覚悟した目をしている猫達。
そんな覚悟せんでも…私なにもしないよ?(嘘)
私はどす黒い欲望を隠しつつ猫ちゃん達を街へ連れて行くことが決まった。
はーなんて素敵な仲間達なんだろう。
薔薇色の人生だ。
「言っておくがよだれ出てるからなお主…」
ジト目のマオの声は聞こえなかった。
「これでよし」
私は早速ドラゴンになったヨルにカゴをつけた。
「ほ…本当に大丈夫か?…」
不安そうなサーシャ
「いざとなったら私がなんとかするよ」
ぽんと胸を叩く。
「うーん…うーん」
煮え切らないサーシャ。
私を信じろ。
煮え切らないサーシャを放っておいて孤児達をどんどんカゴに乗せていく。
孤児達はこれから遠足に行くような小学生のように喜んでいる。
最初はドラゴンにビビっていたが私が撫でたりして害がないことがわかるとすぐ1番の人気者になった。
「よーしみんな乗ったかなー?」
子供達の元気な返事が聞こえる。
しかし、元気のないサーシャの姿が見える。
「なにしてんの?早く乗ってよ」
「わ、私は大丈夫だ。走って行く」
サッと視線をそらすサーシャ。
「ビビってんの?」
視線をそらしたサーシャを見て私は少し楽しくなって煽ってみる。
「ビビってなんかない」
強い語気を感じる。
「じゃあ、乗ろうよ」
追撃をかける。
「いや、私はいい」
頑ななサーシャ。
「早く行くよー」
痺れを切らしたヨルがサーシャの首元をカプッと噛み掴んだあと空へと駆け上った。
「ひいいいいいい、バカ!下せ!」
サーシャが叫ぶ
「落とさないから大丈夫だよー」
のんびりした声のヨル。
「そういうことではない!高い高い!」
叫び続けるサーシャがあまりにも可哀想だったので魔法でカゴに入れてあげた。
「死ぬかと思った。まぁ今もだが…」
そう呟くサーシャはぺたんと腰を下ろしたまま私の腰にしがみついている。
「サーシャは高いところが苦手なんだねー」
私はサーシャを撫でつつ答えた。
「当たり前だろ!空は鳥やりゅうの場所だ!人がいるところではない!」
プンスカ騒いでいるがビビっているので何も怖くない。
まぁ、のんびり空とビビリをを楽しもうと心の中で思った。
ぼちぼち空の旅を堪能しているとマオが声を上げた。
「あれ、襲われとるぞ」
指を刺した先には何の集団がウルフの集団に襲われていた。
やばいと思った私はカゴから飛び降りた。
「わしも行くぞい」
「エル!私をおいて行くな!」
後ろからそんな声が聞こえた。
魔法で着地した私とマオは襲われている集団に目を向ける。
そこには、可愛らしい二足歩行の猫ちゃん達が怯えて固まっていた。
「ねねね!ねこちゃん!!」
興奮した私は猫ちゃんの塊へとダイブする。
「にゃにゃにゃ!新しい化け物にゃあ!!」
「化け物じゃないよぉ!はーかわいい猫ちゃん達!!」
化け物と言われてもこの衝動は止められない。
はーもふもふ…かわいい…
「なにやっておるんじゃ…」
私が猫ちゃんを堪能している間にマオがウルフを掃討したようだ。
「ふぅ…満足…」
終わった。今日死んでもいい。
「そのやりきった顔やめい」
ジト目のマオがこちらを見ている。
そんな目をされても私にはきかぬ。
猫ちゃんを堪能した私は無敵なのだ。
「と…とりあえず…ありがとうございますにゃん…」
怯えた表情の猫ちゃん達がこちらを見ている。
「猫ちゃんがお辞儀をしている!?」
はーなんて可愛いのかしら!!!
はー抱きしめたい!
「話が進まなくなるからやめい」
マオから後頭部にチョップをもらう。
「はい」
大人しく従うことにした。
「お名前を知りたいですにゃん」
前にでていた猫ちゃんの一人が喋る。
「私はエルだよ!」
食い気味に自己紹介をした。
「いえ…貴女は大丈夫ですにゃん…」
え…なんで…?
「絶望的な顔してるけどお主なにもしておらんからな?」
マオがツッこむ。
そうだった。猫ちゃんダイブしただけだった。
「ワシはマオじゃ」
どや顔のマオ
ムカつく…。
「マオ様!一生ついていきますにゃん!」
パーと笑顔になった猫ちゃん達はマオに尊敬の眼差しを向ける。
ずりい…私が猫ちゃん達の魅惑に溺れなかったら…私がそこのポジションだったのに…
グギギ…
「お主…その顔やめたほうがよいぞ…」
ドン引きするマオ。
「ついてきても良いがわしの居場所はそこのやばい顔している奴の街じゃぞ」
私を指さしているマオ。
「ひぇっ…」
後ずさりする猫ちゃん達。
そこまで引かなくてもいいだろがい。
「で…でも、マオ様に助けられた恩があるにゃん!ついていくにゃーん!」
なにかを覚悟した目をしている猫達。
そんな覚悟せんでも…私なにもしないよ?(嘘)
私はどす黒い欲望を隠しつつ猫ちゃん達を街へ連れて行くことが決まった。
はーなんて素敵な仲間達なんだろう。
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