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沈黙の聖女
一分の悪巧み
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マリアにどこまで秘密を打ち明けるべきか悩んでいた僕は、ようやく考えをまとめて一枚の手紙を書いた。
面と向かって話せば暴走するかもしれないので、それを扉と床の隙間から入れて読んでもらおうという計画だ。
いや、本当にそういう計画だったのだ――。
部屋の中からガシャンという音が聞こえてくるまでは。
「マリアっ!」
扉を勢いよく開け、床に飛散したフラスコの破片が視界に入る。
解放した魔力の濃さを軽視したのだろう。
指先からだけという先入観が、自分の魔力切れの感覚を鈍らせたのだ。
だが、そんな状況分析よりも、今は破片へと向かって倒れようとしているマリアを助けることが最優先だ。
僕は無我夢中で走った。
彼女を抱きかかえながら空中で身をよじると、衝撃を引き受ける緩衝材となる。
「ぃててて……」
ここが貴族の屋敷でよかった。
狭い部屋だったら大怪我になっていたかもしれない。
彼女の質素な生活にも感謝しなければならないな。
しかし抱き心地の良い柔らかい身体だ。
んっ、……柔らかい?
安堵した僕は、ようやく、自分が何に触れているのか理解した。
「こ……これって!?」
白々しく呟いたが、そんなものは誰かに尋ねなくたって分かる。
メイド服に詰め込まれた、はち切れんばかりのそれは、僕の腕を受け入れるように押し潰れていたのだから。
「いやいや、これはクッションだ……」
無心を装って身体をどかそうとするが、押し当てられている別の連なる山が僕の下腹部を刺激する。
「くそっ、このままじゃ……」
どんなに女嫌いだと嘯いても、身体まではごまかせない。
男の本能が子孫を残せと囁いてしまう。
はやく離れないと――。
しかし、俺は考えを改めた。
離れる?
どうしてだ?
俺の買った奴隷に遠慮なんていらないだろう?
これは俺の所有物で、この――男を誘惑する為にあるような乳袋だって俺のもんだろう?
けっ、魔力を燃焼させなけりゃ、そんな決断もできない自分が嫌になるね。
愛想が尽きるとは言わないが、女が怖くてビクビクすんのだけは止めてほしいもんだ。
要は、ねじ伏せちまえばいいんだよ。
マリアをかかえながら起き上がり、ベッドまで丁寧に運ぶ。
奴隷であろうと所有物は大事に扱わないとな。
しっかし、このでけぇ乳袋は何が詰まってるんですかねぇ?
「やっぱ、牛乳が詰まってるんですかねぇ?」
上体を起こしてエプロンを外し、背中で閉じたワンピースを脱がしていく。
ブルンと飛び出した乳袋は、純白レースのブラジャーに包み込まれていた。
「へっ、上品振りやがって!」
下品な乳袋をごまかしてるつもりなら――。
タプン……。
勢いに任せていた手が滑り、嘲笑っていた俺の心が絶句する。
ブラジャーがズレただけで、まさか俺が尻込みするなんてな。
「ははっ!」
――凄ぇ!
――凄ぇぜ、こいつはよぉ!
重力に打ち勝った芸術作品って例えたらいいのか?
無駄に大きいくせに、形は最上級を保っていやがる。
俺はあらわになった生の乳袋を欲望のままにこねくり回した。
形を潰してみたり、揺らしてみたり、先端をつまんだり。
夏の汗ばんだ――べたつくそれを不快に感じることもなく弄んだ。
――ああ、最高だぜ。
俺が一分以上いられるなら、是非とも好みに調教してやりたいところだ。
色に狂う様は、さぞ美しいことだろう。
だが、俺には一分しかない。
情熱的に襲ったところで中途半端になるくらいなら、情熱的に次回の準備を整える方を選ぶのさ。
「俺は一日中、お前を快楽の海で溺れさせてやりたいんだからな」
俺はポケットから手紙を取り出し、マリアの手元に置いた。
「期待してるぜ……」
そして――。
乳袋を枕代わりに、俺は心地よい眠りへと誘われるのだった。
面と向かって話せば暴走するかもしれないので、それを扉と床の隙間から入れて読んでもらおうという計画だ。
いや、本当にそういう計画だったのだ――。
部屋の中からガシャンという音が聞こえてくるまでは。
「マリアっ!」
扉を勢いよく開け、床に飛散したフラスコの破片が視界に入る。
解放した魔力の濃さを軽視したのだろう。
指先からだけという先入観が、自分の魔力切れの感覚を鈍らせたのだ。
だが、そんな状況分析よりも、今は破片へと向かって倒れようとしているマリアを助けることが最優先だ。
僕は無我夢中で走った。
彼女を抱きかかえながら空中で身をよじると、衝撃を引き受ける緩衝材となる。
「ぃててて……」
ここが貴族の屋敷でよかった。
狭い部屋だったら大怪我になっていたかもしれない。
彼女の質素な生活にも感謝しなければならないな。
しかし抱き心地の良い柔らかい身体だ。
んっ、……柔らかい?
安堵した僕は、ようやく、自分が何に触れているのか理解した。
「こ……これって!?」
白々しく呟いたが、そんなものは誰かに尋ねなくたって分かる。
メイド服に詰め込まれた、はち切れんばかりのそれは、僕の腕を受け入れるように押し潰れていたのだから。
「いやいや、これはクッションだ……」
無心を装って身体をどかそうとするが、押し当てられている別の連なる山が僕の下腹部を刺激する。
「くそっ、このままじゃ……」
どんなに女嫌いだと嘯いても、身体まではごまかせない。
男の本能が子孫を残せと囁いてしまう。
はやく離れないと――。
しかし、俺は考えを改めた。
離れる?
どうしてだ?
俺の買った奴隷に遠慮なんていらないだろう?
これは俺の所有物で、この――男を誘惑する為にあるような乳袋だって俺のもんだろう?
けっ、魔力を燃焼させなけりゃ、そんな決断もできない自分が嫌になるね。
愛想が尽きるとは言わないが、女が怖くてビクビクすんのだけは止めてほしいもんだ。
要は、ねじ伏せちまえばいいんだよ。
マリアをかかえながら起き上がり、ベッドまで丁寧に運ぶ。
奴隷であろうと所有物は大事に扱わないとな。
しっかし、このでけぇ乳袋は何が詰まってるんですかねぇ?
「やっぱ、牛乳が詰まってるんですかねぇ?」
上体を起こしてエプロンを外し、背中で閉じたワンピースを脱がしていく。
ブルンと飛び出した乳袋は、純白レースのブラジャーに包み込まれていた。
「へっ、上品振りやがって!」
下品な乳袋をごまかしてるつもりなら――。
タプン……。
勢いに任せていた手が滑り、嘲笑っていた俺の心が絶句する。
ブラジャーがズレただけで、まさか俺が尻込みするなんてな。
「ははっ!」
――凄ぇ!
――凄ぇぜ、こいつはよぉ!
重力に打ち勝った芸術作品って例えたらいいのか?
無駄に大きいくせに、形は最上級を保っていやがる。
俺はあらわになった生の乳袋を欲望のままにこねくり回した。
形を潰してみたり、揺らしてみたり、先端をつまんだり。
夏の汗ばんだ――べたつくそれを不快に感じることもなく弄んだ。
――ああ、最高だぜ。
俺が一分以上いられるなら、是非とも好みに調教してやりたいところだ。
色に狂う様は、さぞ美しいことだろう。
だが、俺には一分しかない。
情熱的に襲ったところで中途半端になるくらいなら、情熱的に次回の準備を整える方を選ぶのさ。
「俺は一日中、お前を快楽の海で溺れさせてやりたいんだからな」
俺はポケットから手紙を取り出し、マリアの手元に置いた。
「期待してるぜ……」
そして――。
乳袋を枕代わりに、俺は心地よい眠りへと誘われるのだった。
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