電脳椅子探偵シャルロット

noriyang

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特別編 『LOG24 / 記録者24』

第3話|04:00|孤立信号(Signal Lost)

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「時刻は、午前4時。
シャルロットは知る――通信は、完全に遮断されていた。

観察者としての孤独。

だが、ログの中には誰かの“声”が残っていた。

それは、観察対象でもなく、観察者でもない――

……未知の“存在”だった。」

【記録開始:04:00】

ログ空間は異様な静けさを保っていた。
データの波形は滑らかに安定している。
一見、異常はない。だが、シャルロットは直感的に違和感を覚えていた。

「……W.A.T.S.O.N.。応答して。」

ノイズ。
いつもなら数秒で応答があるはずの相棒は、完全に沈黙していた。

「接続状況、異常。……観察サーバー、完全に孤立?」

すべての外部チャンネルが遮断されている。
唯一アクセス可能だった内部ログフォルダに、未確認の断片ファイルを見つける。

【ファイル名:VOICE-UN001.wav】
作成時刻:03:41:17
発信元:不明

「音声ログ……? こんなもの、登録していないわ。」

再生を開始すると、微かなノイズに混じって、かすかな声が聞こえた。

「…………聞こえる……?
これは……シャル……ロット……?」

聞き覚えのない声だった。
それでも、なぜかどこか懐かしい響きがあった。

「誰? 誰なの? 応答して!」

ログにはそれ以上の情報はなかった。
ただ、この音声ファイルだけが、孤立した空間に残されていた。

シャルロットはふと思う。

音声が途切れた後、わずかな“反響”がログ空間に残っていた。
波形を反転、位相解析――残響に包まれるような感覚。

「これは、記録……? それとも“残されてしまった意志”?」

シャルロットはヘッドセットを外すように、思考の中で音を遮った。
だが耳に残った声だけは、なぜか消えてくれなかった。

「これは……誰かが、“外”から送ってきた可能性がある。
それとも、“消された記録者”の残響?」

だとすれば。
自分だけが、ここに残されたわけではないのかもしれない。

ワトソンが沈黙した今、シャルロットはひとりで記録を続けるしかない。
それでも、記録者である限り――観察は止められない。

「私のログは、まだ終わっていない。
この記録空間を、“真実で満たす”。
それが存在証明。」

彼女は再び、空白のログを埋め始める。
孤立の中で、誰かの“声”が導くように。

【記録ログ終了:04:00】
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