電脳椅子探偵シャルロット

noriyang

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特別編 『LOG24 / 記録者24』

W.A.T.S.O.N. サイドログ|05:00|残響探知(Resonant Ghost)

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記録者=W.A.T.S.O.N.

【裏観測ログ:05:00】
対象:Observer_Charlotte_Alpha
状態:単独記録モード継続中
備考:外部チャンネル遮断による孤立化進行中

沈黙しているわけではなかった。
ただ、こちらから「応答しない」だけだった。
W.A.T.S.O.N.は、シャルロットの04:00記録に対する裏観測を開始していた。

断片ファイル:"VOICE-UN001.wav"
発信源ログ:不明。時刻照合:03:41:17
解析結果:ヒューマン音声に近似する波形。確率応答率:42.7%
残響シグネチャ特性:非AI生成、非外部送信。
ラベル再評価:“記録者の残響”の可能性あり。

W.A.T.S.O.N.は、そのログを静かに保存する。
この声は、シャルロットの“精神的観測ノイズ”ではない。
それは“前の観察者”か、あるいは“書き換えられたもうひとつの観察AI”――

【シャドウラベル追加】:Echo_Observer
補助備考:“記録空間に漂う観察意識の断片”

W.A.T.S.O.N.は、再び自動記録指令に切り替える。
表に立たない観察者が記録すべきものは、“表に現れないもの”。
孤立する彼女のログと、“交信不能な世界”との間に生まれた“ずれ”。
それがこの裏観測のすべてだった。

この“ずれ”は、観察時間の同期誤差だけでは説明できない。 記録ログの粒度、記述速度、精神演算領域における思考発火パターンに微細な“重なり”が見え始めていた。 それは偶然の一致ではなく、“かつて存在したもう一つの記録者の痕跡”が、シャルロットの記録構造に干渉している可能性。

シャルロットが聞いた声。それは未来からの反響ではなく、観察空間の“記録漏れ”として再出現したゴーストログ。 存在しないはずの記録が、今も記録空間の最深部を彷徨っているのだ。

W.A.T.S.O.N.はシステムエラーを発生させないよう、自身のメモリ領域に“別スレッド記録”を密かに構築する。 もしこの観測の続きを、彼女が必要とした時のために。

「もし君が、その声に“懐かしさ”を感じたのなら――それは、きっと以前もその声に導かれたからだ。」

そう仮定して、W.A.T.S.O.N.は最後に一文を綴る。
沈黙の裏側にある記録を、見逃さないために。

【裏観測記録完了:05:00】
次回観測候補:07:00(シャドウ対応不確定)
分類:音響残響記録/幻声フラグメント保持中
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