烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

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序章 さよなら! 『理不尽』な仲間たち!

第九話 もう悩まない! 『オキテ』破りの旅が今始まる!

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 そうだ。たしかにその通りだ。

 一度も考えたこと無かったけど。

「……オレら自身が犯した罪ならまだしもよ」

 そうだよなぁ。

 よくよく考えれば、末代まで償わなきゃいけない罪ってなんだよ。

 意味が分からない。

「それで、旅に?」

「ああ、親父が去年亡くなっちまってな。親父の残した手がかりをたどってウィンを救う方法を探しているってわけさ」

 今までの自分だったらきっと受け入れただけ。

 絶望しているだけで終わっていたかもしれない。

「わかる。今の僕が同じ立場だったら同じことをしていると思う。でも……」

「もしかして、なんでアイツが笑ってられるのか? って思ってるのか?」

「うん、死ぬとわかっていて、言い方悪いけど、どうしてあんなに楽しそうにいられるかって……」

「まぁな、そいつぁウィンが望んだことなんだよ。どうせツライ旅なら、せめて、ムリにでも楽しく、笑顔でいたいってよ」

 そうなんだぁ……

 強いなぁウィンは……。

「にしても、なんだかんだ気が合うな。オレたち……でもよ。無理に付き合う理由はねぇんだぜ? イヤなら別に、ここで何も言わず去ってもかまわねぇ」

「うん、ありがとう。でもしばらくは付き合うよ。むしろ付き合わせてほしいんだ。自分も【烙印】をどうにかしたい」

 もう悩まない。今度こそ!。

「ありがとうよフィル……それと、なんだ。あのよぉ」

「ん、なに?」

「もしオレが死んだら、ウィンとリリーのことたの――」

 GYARR!!

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

「あー!! アニキーっ!!」

 何が起きたんだって? バンデットウルフって結構頭がよくてさ。

 身体能力もあるから、なんと木を土台に三角飛びしてきたんだ。

 でもよく分かったよ。

 やっぱり不吉なことを口にするってよくないんだなって。





 その後どうなったかと言えば、なんと! 翌朝には解放されたんだ!

 なんでも酋長しゅうちょうから話を聞けることになったらしく、ロープを解いてくれた。

 でもまぁ当然まだ怒っているわけで……。

「さて、リリーとウィンと申したか? お主たちが聞きたいという【烙印】の消す方法についてじゃが……」

「はい、父の日記には、ここに手がかりがあるかもしれないと」

「うむ、正確には消す方法を手掛かりの手掛かりを知っている程度の話なのじゃが……しかし、それはなんじゃ?」

「いえ、お気になさらず」

 今、僕とアニキはいっしょに二人のになっている。

「いや、しかしワシとの目の高さが合わぬ、できれば――」

「そうだ! そうだ! オレたちはイスじゃ――」

 MUGYU――

「なに? ふんでほしかったの?」

 リリーさんは組んだ足の片方をアニキの顔面にふんづけてだまらせた。

 なんて冷たい目……ガクガクブルブル……。

 二度と起こらせないようにって思ったのに……。

 リリーさんは、それはもう大そうご立腹であらせられる。

 もちろんウィンもムスッとして。



 ――見たいっていえば見せてあげるのに……



 は? リリーさん、今なんて言った?

 見せる? え? え?

「え? な、なにか言ったか? リリー?」

「な、なんでもないわよ! アンタはおとなしくイスになってなさい! さ、酋長しゅうちょう? どうぞお続けください」

 き、気のせいか。

 びっくりしたぁ……。

「そ、そうか。わが子をすくってくれた礼もある。伝えるのはやぶさかではない」

 答えにしぶる酋長しゅうちょう

「じゃがその者は〈古き偉大なる獣〉を倒し、戦士と認められた者としか会わんぞ?」

「〈古き偉大なる獣〉? それはいったい? いや、それよりそれはいったいどここにいるのですか?」

「うむ、そうじゃな。精霊に聞いてみることにしよう」

 なにやら酋長しゅうちょうはぶつぶつつぶやいて砂をふりはじめた。

「リリー姉、色とりどりの砂をふるって、何を始めるの?」

「これは砂絵、精霊の声っていうのはとてもむずかしいから絵で表現するのよ。少し静かにしてましょう」

 やばいそろそろ腕がつらくなってきた。

 は、はやく終わらないかな……。

「うーむ、ここより南の地に〈貪欲なる砂の竜〉がいると出ている。あとは精霊が導いてくださるだろう」

「ありがとうございます。ではそっちに向かってみます」

「あともう一つ、アタシ質問があるんですが!」

 うげぇ、まだあるのか。

 そろそろマジで……限界……。

「遺跡でこんなものを手に入れたんですけど、これが何かわかりますか?」

 ウィンの手には、遺跡で手に入れた例の三つの銃が。

 つーか、いつのまに取られた?

「……おぉ、これは、ワシもはじめてみる。ただ古の時代、星の名工〈フォーチュンスター〉が、流星で作った武器があるというのを聞いたことがある」

「流星ですか?」

 多分、隕石いんせきのことだと思う。

「うむ、その名を星霊銃ピース・メーカーと」

星霊銃ピース・メーカー……」

「全部で12丁あるそうじゃ。さぁ、もう行きなされ。時間がおしいのじゃろう? その銃があれば〈古き偉大なる獣〉に後れを取ることはないじゃろうよ」

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