烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

文字の大きさ
29 / 50
第二章 思わぬ『ライバル』登場で、いよいよ二人の間は急接近!? 浮かび上がる彼女のホントのキモチ!!

第二十九話 比べてみてください。『お嬢様』の器の大きさと『悪党』の本性!?

しおりを挟む
 それから僕はリュシアンくんと話を進めることにしたんだ。

 彼はすごいんだ。

 自分より年下なのに、すごくしっかりしていてさ。

 多分、あの姉にふりまわされた結果なんだろうってことは想像はついたけど。

「聞くところによると、〈グラトニー・プリン〉は軟体のモンスターで、銃はほとんど効きません」

「そうらしいね」

「なのでぼくらとしては、精霊術の使えるリリーさんがいるあなた方と手を組みたいと考えているんですが……」

「僕らとしても、ぜひかの有名なあなた方と組めれば、なんとありがた――」

「イヤ!」

「イヤですわ!」

 これだもんなぁ……。

 なんか知らないけど、この二人はいがみ合ってる。

「ウィン? とはいってもね。私たちだけじゃムリよ」

「そうだぞ。ウィン、姉ちゃんのいうことは聞くもんだ。うんうん」

「うぅ~わかったよぉ~……だけど、レヴィン兄ぃはそのゆるみきった顔なんとかしてくれる? すごくキモチワルイ」

「お嬢様、ここはおぼっちゃまの言う通り、手を組むのが得策かと」

「アリサ! あなたいっつもリュシアンにあまいのですわ! いっつもいっつも目の前でイチャイチャと!」

「お、お嬢様! そ、そんな、みなさんの前でハズカシイですぅ……」

 もだえている目の前のメイドのアリサさん。

 ほほのウロコといい、しっぽといい、竜人ナダーツァなんだね。

 初めて見たよ。

 でも、なんだろう。

 ほんとはウィンとジェニファーさん、結構気が合うんじゃないのかな?

 そんな気がする。

「ハァ……仕方がありませんわね。新米のために、ベテランのわたくしたちが特別に組んで差し上げますわ」

「何いってんの!? リリー姉ぇがいなきゃ何もできないのはアンタたたちでしょ! 組んであげるのはむしろアタシらのほう!」

「まぁまぁ、お二人とも、おたがいメリットがあることなんだし、交流をかねて食事にしようよ」

「……フィルがそういうのなら」

「フッ……恋人の賢明さに感謝するのですわ」

「恋人!? フィ、フィルとはそんなんじゃ!?」

「あら? そうですの? なら、わたくしが頂いてしまおうかしら? 見ればなかなかカワイイではありませんこと? わたくし好みですわ……」

「ちょ、ちょっと、ジェ、ジェニファーさん!?」

「どうかジェーンとお呼びくださいまし、ミスターフィル」

 ゆ、指先ですっとほほをなでてきて!

 うっとりとした目が、や、やばい、めちゃくちゃドキドキする!

 でも、なんでジェーンなんだろう……?

「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 ウィンが割って入ってきた!

「……フィルは、フィルは、アタシの、その……/////////////」

「ウィン?」

「~~~~~~~~………………っ!!」

 顔を真っ赤にしてどうしたんだ?

「プっ……あはは! ジョークですわよ。ジョーク。なに本気になさってるの?」

「ふぇ?」

「にしても意外とカワイイところがあるんですのね? 少し素直になった方がミスターフィルも喜ぶと思いますわよ? ねぇ?」

「……ははは」

 ハァ~……笑ってごまかすことにした。

「なんにせよ、共同戦線を張る以上、おたがいのこともっと知る必要はありますわね」

 パンッとジェニファーさんが手を合わせる。

「さぁ! 食事にいたしましょう? ここは先パイであるわたくしたちがおごらせていただきますわ」

「うぅ……」

 なんというか。

 最後に器の大きさを見せたジェニファーさんが勝ったっていうことでいいのかな。

 ジェニファー?

 あ、そうだ。

 さっきちょっと気になったことがあったんだ。

「ジェニファーさん? ちょっとお聞きしたいことがあるんですが……」

「なんですの? 先ほどジェーンとお呼びくださいと言ったではありませんか?」

「それはまた追々、でもなんでジェニファーで〈ジェーン〉なんです? フツー、愛称ニックネームって、ジェニファーなら〈ジェン〉か〈ジェニー〉じゃないですか?」

「ぁ…………」

 ジェニファーさんが目を丸くしている。

 あれ? 自分、おかしなこと言っちゃったかな?

「~~~~~……………っ!」

 うっ……。

 顔真っ赤にして涙目でにらまれてるんですけど、どうして!?





――ユークレースタウン 路地裏 ウォラック興産一行――

「クソジジイ! どういうつもりだっ!」

「なんのことですかな」

 こ、こいつ!

 すっとぼけやがって!

「オレらに盗みの片棒をかつがせやがったな!」

「はて? 私は盗まれたものを取り返していただきたいとお願いしたまでですが?」

「なにをっ!」

「それをあたかも自分のもののように言っているのは、あやつの方でしょう?」

「よくもぬけぬけと……」

「そんなことよりも例のものは?」

「チッ……あるぜ」

 オレは盗んだ黒い宝石をジジイに見せる。

「おぉ……これです。我が【トラペソヘドロン】……!!」

「おっと! まずは金が先だ!」

「フッ……用心深いですね。まぁいいでしょう」

 よし――あるな。

 しっかり確認しねぇとな。

 くく……5万ノル大金がオレの手元に――これで。

「ところで二人のお仲間はどうしました?」

「やつらは別のところにかくれている」

「そうですか。ここから北北東に坑道があります」

「なんだと?」

「そこは警戒がうすい。そこからならうまくにげられるでしょう」

「あんた……」

「……アフターサービスですよ」

「はっ! そうかよ。感謝するぜ!」

 とにかくこれで追手が届かないところまでにげれば――。



 オレは二人が待つボロ小屋へ。

「……おう、もどった……ぜ……?」

 だれもいねぇ……どういうことだ?

 カベになんか刻んである。

 何だ?

『リーダーへ――もう、付き合ってらんねぇ! あとはアンタ一人でやれ! オレらはオレらで勝手にやらせてもらう! じゃあな! ――エディより』

「あ、あいつらぁぁぁっ!」

 くそっ! 

「エリオット=ウォラック! 出てこい! いるのはわかっている! キサマは完全に包囲されている!」

 あぁっ!? なんだっ!?

 窓の向こうから無数の光!?

 まさかっ!!

「あいつらぁ! オレを売りやがったなっ!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!

DAI
ファンタジー
【第一部完結!】 99回のさよならを越えた、究極の『ただいま』 99回転生した最強エルフは、のんびり暮らしたいだけなのに――なぜか家族が増えていく。 99回も転生したエルフの魔法使いフィーネは、 もう世界を救うことにも、英雄になることにも飽きていた。 今世の望みはただひとつ。 ――森の奥の丸太小屋で、静かにのんびり暮らすこと。 しかしその願いは、 **前世が日本人の少女・リリィ(12歳)**を拾ったことで、あっさり崩れ去る。 女神の力を秘めた転生少女、 水竜の神・ハク、 精霊神アイリス、 訳ありの戦士たち、 さらには―― 猫だと思って連れ帰ったら王女だった少女まで加わり、 丸太小屋はいつの間にか“大所帯”に!? 一方その裏で、 魔神教は「女神の魂」と「特別な血」を狙い、 世界を揺るがす陰謀を進めていた。 のんびり暮らしたいだけなのに、 なぜか神々と魔王と魔神教に囲まれていくエルフ。 「……面倒くさい」 そう呟きながらも、 大切な家族を守るためなら―― 99回分の経験と最強の魔法で、容赦はしない。 これは、 最強だけど戦いたくないエルフと、 転生1回目の少女、 そして増え続ける“家族”が紡ぐ、 癒しと激闘の異世界スローライフファンタジー。

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

処理中です...