烙印を背負う少女を『救』うたった一つの方法

朝我桜(あさがおー)

文字の大きさ
44 / 50
第三章 『星獣』との出会い! たどり着く彼女を『救』うたった一つの方法! そして【新天地】へ! 

第四十四話 愛しいあの子からの告白! あなたに残してあげたい! アタシが生きていた『証』を!

しおりを挟む
 Chugga! Chugga! Chugga! Chugga!

 Choo! Choo! Choo! Choo!


「うーん! 風がキモチイイ!」

「そうだね!」

 背伸びする!

 GOKI! BOKI!

 あ、さっきゴキゴキいった。

 こわいなぁ~。

 二等客室っていっても、イスはかたいし。

 やっぱりあっちこっちかたまるよねぇ。

「フィルありがと」

「え? なんだよ。いきなり」

「【プテ・サン・ウィン】様のところで、なにがなんでも救ってやるって言ってくれたでしょ? うれしかった」

 そういえばそんなハズカシイセリフ口走っていたような気がする。

 うぅ……。

 穴が入ったら入りたい……。

「それでアタシ決められた。ううん、これは自分で決めなきゃいけないことなんだって気づけたんだ。だからありがとう」

「……そっか」

 結局、自分はウィンの背中を押してしまったんだなぁ。

 ほんとうにこれでよかったのか。

 バカか! 僕は!

 何が何でも救うって自分で決めたじゃないか!

「でもね。後悔がないわけじゃないんだ。今でも、アタシの心はふるえてる」

「ウィン……」

 同じだ。

 きっと僕たちは同じ後悔を背負ってしまったんだ。

「ウィン、それは僕も同じだ。けど、だからぜったい君を『救』ってみせる」

「フィル……」

 やっちまった。

 また、こっぱずかしいセリフを!

 で、でも!

 もう後悔しないし、立ち止まらない!

 今決めた!

「アタシね。やっと気づいたんだ……」

「気づいた?」

「うん、前にジェニーが言っていた。お母さんがなんでレヴィン兄ぃとアタシを産んだのかって」

 ああ、そういえばそんなことを問いただしていたようなぁ。

「今、ようやくわかった。きっとお母さんは、お父さんに残してあげたかったんだって……」

「残してあげたかった……?」

「うん、レヴィン兄ぃとアタシという存在を……」

 フィンに強く手をにぎしめられる。

 それにいつになく真剣なまなざし。

 なんだかすごくドキドキする。

 そして――。

「アタシ――フィルのことが好き! だからアタシと子供つくって!」

 ………………。

 …………。

 ……。

 はぁ?

 え? え? え?

 ちょっとまって。

 うーん。

 いま、ウィンなんていった?

 子供つくる?

 子供ってベイビーのことだよね?

 話の流れからは――わからない話じゃない。

 先が短いから、残してあげたい。

 わかる。

 筋が通っている。

 うん。

 でも……でも……。

「……………………はぁぁぁ!?」

「イヤ?」

「イヤじゃない! イヤじゃない! むしろ――ご、ごめん、少し落ち着かせてくれる。急すぎて頭の整理がつかないんだ!」

「ということはイヤじゃないんだね! うれしい!」

 MUUUUUUUUUUUUUSH――!!









 はっ!

 僕はいったいどうしたんだ?

 気を失った?

 いきなり抱き着かれて?

 それで今も――。

「……フィル、アタシ、あなたに残してあげたい。アタシが生きていた証を」

「ウィン……」

 顔が自然と近づいていた。

 なぜ?

 いや、そんなことはどうでもいい。

 今は目の前にいる一人の女の子が愛しくてたまらない。

 くちびるがふれ合っ――。


 
 KWIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIEH―――GONK!!!



「きゃ!」

「わっ!」

 突然列車が急停車!

 なんなんだ! いったい!?

 とっさにウィンを支えていなかったら、投げ出されていたところだったよ!

「ウィン! 平気!? ケガはない!?」

「……うん、平気、フィルがまた助けてくれたから」

 まださっきの余熱が少し残っている。

 ぐっ!

 名残りおしいいけど、今は!

「と、とりあえず今は何が起こったのか、状況を確認しよう!」

「……そ、そうだよね。うん、ごめん」

 はじらいながら起き上がるウィン。

 くそぉぉっ!

 カワイイなぁ! もう!

 と、とにかく僕らは急いでアニキたちのところへ向かったんだ。

 客室へもどると……。

「アニキ!」

「リリー姉ぇ!」

「ウィン! フィルくん!」

「お前たち無事か!」

「クーン! クーン!」

 客室から飛び出してくるアニキたち――だったんだけど?

「なんか、二人とも服がすこしはだけてない? まさか……」

「こ、これはちがうのよ! ウィン!」

「そ、そうだぞ! オレたちは、ま、まだ何もしてないうちに――」

「バ、バカ! レヴィンのバカ! 何でそういうこといっちゃうのよ! もうバカバカバカァっ!」

「だってほんとのこと――」

 BONK!

「ぐはっ!」

 あ~そういうことね。

「と、とにかく、今は前方車両に行ってみよう!」

「あ、ああ!」

「クーン!」

 アニキたちと合流し、再び走り出そうとした矢先。



 ―――BAN!!!



「え!? 今の銃声!?」

「まさか列車強盗!?」

「だとしたら、乗客があぶねぇ!」

「うん! 急ごう!」

 多分乗り合わせている賞金稼ぎバウンティ―ハンターは僕たちだけ。

 つまり対処できるのは自分たちだけだってことだ。

 それになんだかイヤな予感がする。


 




 ――そして僕らは先頭車両に到着したんだ。

 だけどそこで待っていたのが……。

「よう、久しぶりじゃねぇか。フィル?」

「な……」

 息をのんだよ。

 だってそこにいたのは――。

「エリオット、どうしてあんたがここに!?」

「ククク……どうしてだろうなぁ?」

 再会したエリオット。

 生きていた。

 いや、そのなんことよりも。

 目の前にいるのは本当にエリオットなのか?

 目が正気じゃない。

 肌もどこか浅黒い。

 むしろエリオットに似た別人のだれかように感じる。

「エリオット? エリオットって確か、フィルが前いた……」

「そうみたいね。強盗を働いてにげて、今度は列車強盗っていうことね」

「テメェか! オレの弟をさんざんコキ使ってボロキレのように捨てたヤローはっ!?」

「んだこいつらは、ああ……そうか、新しいお前の仲間か……ククク」 

 エリオットからただよってくる気配、昔とはまるで異質。

 なんなんだ。いったい。

 この寒気は?

『む、この気配は【魔族】!』

「キキ、いや――【プテ・サン・ウィン】様!?」

 キキの首輪の白い宝石が光っている。

『どういうことですか? これは……普通の人間が【魔族化】している? そんな技術をあの者らが!?』

「ククク……テメェらのことは、アルカージィのやつから聞いたぜ、ククク」

『アルカージィ!? まさかあなた、あの者とつながりが!?』

 アルカージィ?

 だれだ? いったい?

「ああ、まあぁな……ククク、にしてもさっきおもしろいこと言っていたな。列車強盗……そいつはいい」

「何が面白いんだ! みんなに恐怖をあたえて! それが賞金稼ぎバウンティ―ハンターのすることかよ!?」

「残念だったな。オレはもう賞金稼ぎバウンティ―ハンターなんかじゃねぇ。テメェらゴミクズを管理する【看守ジェイラー】になったんだよ」

「なんだって……」

 【看守ジェイラー】……。

 まさか、エリオットが?

「どういうことですか!? 【プテ・サン・ウィン】様!?」

『私にもわかりません。いったいどうなっているのか……』

「リリー、とにかく【魔族】だろうが何だろうが、今はこいつを何とかするんだ!」

「そうだよ! レヴィン兄ぃの言う通り! みんなでこいつを――」

「おっと、そんなこと言っていいのか? こっちは乗客を人質に取ってるんだぜ?」

 TCHAK――ッ!!

「ヒィ!」

 一人の女性にショットガンの銃口が向けられる!

 なんてやつだ!

「ほらよ」

「な!」

 SWIFF!!

 なんだ?

 エリオットが麻袋を投げつけてきた。

 いったいどういうつもりだ?

「フィル。それで乗客の金品を集めろ。断ればどうなるかわかるよな?」

「ぐっ……」

 女性のおびえきって涙をながす姿が見える。

「フィル……」

「フィルくん」

「……フィル」

「おいっ! 早くしろ! この女がどうなってもいいのかぁ? あぁん?」

 エリオットの指が引き金にかかった。

 まずい!

 ここは――。

「わかった! やる! だからその前に乗客を全部下ろさせてくれ!」 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

【第一部完結】転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!

DAI
ファンタジー
【第一部完結!】 99回のさよならを越えた、究極の『ただいま』 99回転生した最強エルフは、のんびり暮らしたいだけなのに――なぜか家族が増えていく。 99回も転生したエルフの魔法使いフィーネは、 もう世界を救うことにも、英雄になることにも飽きていた。 今世の望みはただひとつ。 ――森の奥の丸太小屋で、静かにのんびり暮らすこと。 しかしその願いは、 **前世が日本人の少女・リリィ(12歳)**を拾ったことで、あっさり崩れ去る。 女神の力を秘めた転生少女、 水竜の神・ハク、 精霊神アイリス、 訳ありの戦士たち、 さらには―― 猫だと思って連れ帰ったら王女だった少女まで加わり、 丸太小屋はいつの間にか“大所帯”に!? 一方その裏で、 魔神教は「女神の魂」と「特別な血」を狙い、 世界を揺るがす陰謀を進めていた。 のんびり暮らしたいだけなのに、 なぜか神々と魔王と魔神教に囲まれていくエルフ。 「……面倒くさい」 そう呟きながらも、 大切な家族を守るためなら―― 99回分の経験と最強の魔法で、容赦はしない。 これは、 最強だけど戦いたくないエルフと、 転生1回目の少女、 そして増え続ける“家族”が紡ぐ、 癒しと激闘の異世界スローライフファンタジー。

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...