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第三章 『星獣』との出会い! たどり着く彼女を『救』うたった一つの方法! そして【新天地】へ! 

第四十七話 絶体絶命! 『覚悟』を決め銃爪(ひきがね)を引く! 強烈! 必殺の弾丸!

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――サードニクスヘヴン行き ソリッド・ソリューション・ライナー 一両目屋上――

「ゾンビはいないな! このまま一気に!」

 そして先頭車両へと着いた。

 連結部の上から車内をのぞきこむ。

「いない……」

 エリオットの姿がない。

「ということは機関室か!」

 気配を殺し、ゆっくりと近づいていく。

 石炭車が見え――いた!

「動くな!」

「!」

 エリオットの背後から銃をつきつける!

「フィル! テメェ! なんで生きてやがる!」

「大切な家族に助けられたからね!」

「はっ! ちょうどいい! 少しものたりねぇとおもっていたところだったんだ!」

 こっちは銃をつきつけているっていのに!

 エリオットのやつ、まったく動じてない!

「殺されたくなきゃ! 今すぐ列車を止めるんだ!」

「殺す? オレを? できるのか? お前に? 人を殺したことないお前に!」

 ぐっ!

 クソ……。

 そうだ。

 自分は人を撃ったことがない!

 HYUU――!!

「しまっ――」

 スコップが飛んできて――。

「オラっ!」

「ぐふっ!」

 よけて、ひるんだスキをつかれ、無防備な腹にケリが!

「アマちゃんだなぁ! テメェは!」

 なんとかこらえる!

 でも距離をとられてしまった!

 地の利はもうない!

 覚悟を決めた!

 大勢の人を助けるにはエリオットを殺すしかない!

 僕は万能じゃない。

 もともと人を救う方法なんて限られているんだから!

「エリオットぉぉぉ! 殺す!」

「は! 上等だ! クソヤロー! 今度こそぶっころしてやるよ!」

 拍車をかちあわせ!

 エリオットにつっこみ、一瞬でふところへもぐりこむ!

「なっ! てめ――」

 これが僕の【超加速アクセラレーター】!!

 そして!

 ジェニファーさんが教えてくれた。



 ――宝の持ちぐされですわね。

 ――そのスピードがあれば銃が向けられないゼロ距離に入ってしまえばいいんですわ!



 そう、カルサイトリコを出る前にいろいろ教わったアレだ!

 けど!

 ジェニファーさんに教わったのはこれだけじゃない!

 自分の手にはこの世で最もカタイ銃がある!



 ――そう! それで急所という急所をなぐり続けてやればいいんですわ!



 急所の位置。

 ジェニファーさんとの特訓でそれをつかんだ!

「ゼロ・ブロー・アウェイ――」

 DAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAM!!

「ぶっ飛べっ!!」

 BOOM!!!!

「ぐほぁ――っ!!!」

 エリオットをぶっ飛ばし!

 石炭の上にたたきつけてやった!

 フツーの人間ならぜったい立って入れれない!

「これで――」

「これでやられたかと思ったか……ククク」

「なっ!」

 全部急所にピンポイントでぶちこんでやったんだぞ!

 なんで起き上がれる!

 全くダメージを受けていないみたいにピンピンしている!

「それでおしまいか! ならこっちから行くぜ!」

 なっ!

 エリオットの体が二倍以上にふくれあがって!

 MEKI! BAKI! KURRRRRRRRRRR!

「つ、つばさが生えて!」

 エリオットの姿ははるか上空に!

「カカッ! くらいやがれ!」

 まずい!

 エリオットがショットガン・アックス、【シルヴァラート】の銃口を!

「ぐっ! 【超加速アクセラレーター】――!!」

 BAMM! BAMM! BAMM! BAMM! BAMM!

「オラオラ! どうした! にげまどうだけか! 昔とかわらねぇな!」

 自分の後をおって屋根が次々とはぜる!

 どうする! 

 このままだと!

 【ゼロ・ブロー・アウェイ】がきかないとなるとアレと使うしかない!

「おせぇ!」

 なっ! 速い!

 回りこまれて!

「オラ!」

 BOOM!

「ぐっ!」

 重い!


 なんて飛びげりだ!
 昔とは比べ物にならない強さ!

「そんな程度か! さっきの勢いはどうした! 口だけか! オラオラ!」

 DONDONNDONDONDONDONDONDONDONDONDONDON――!!!

「ぐふっ!」

 なんて強烈な連続スタンプ!

 だけどアレを使ったら確実にエリオットを殺してしまう!

「オラオラ! どうした! どうした!」

 迷っている余裕はない!

 もう決めたことじゃないか!

「カカカ! 【魔族】の力を手に入れたオレの前ではどんな力も無力なんだよ!」

 BOOM!!

「ぐっ――はっ!」

 あぶな!

 屋根にかろうじてつかまる!

 危うく落ちることろだった。

「そうだ! あの白い女が【烙印】にあらがうぐらいにムダなんだよ!」

 は?

「聞いたぜ? あの女、【烙印スティグマ】を消そうとしてるんだって――なぁっ!」

「ぐっ! あぁぁ!」

 ヤ、ヤロー……手をふみつけてきやがった!

 GNNEEGNNEEGNNEE~~~!!!

「痛っ!」

「【烙印スティグマ】からはだれものがれられねぇ! この世の絶対的ルール! オレは【看守ジェイラー】だっ!!! そんなことはこのオレがゆるさねぇ!!!」

 ふざけんなよ!

 ウィンの苦しみも知らないで好き放題言いやがって!

「ククク……テメェを殺した後、あの女も殺してやる。ありがたいと思え。墓には――そうだな、『ムダな14年をすごしたクズども』って書くのはどうだ? カカッカカカッ!」

 クソヤロー!!

 もうゆるさない!

 自分は星霊銃ピースメーカーの解放された力を使――。




 KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!!




「なんだっ!? 後ろの車両がふっとびやがった!?」

 
 今だ!


「くらえっ!」

 ――――【電磁加速弾レールガン】っ!!!!


「しま――」


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