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高等部
153、学園復帰に向けて
あれから週末休みを含んで3日休み、ようやく本日高等部に復帰です。
なんと、入学早々1週間もお休みしてしまいました。
まだクラスメートと顔も会わせていないというのに。なんてこと!
お兄様の答辞を聞きそびれたことといい(これはボクだけの答辞をしていただきましたが)スタートから出遅れてしまった感が凄い!
ボクが意識を取り戻してから、お兄様だけでも、と学園に先に戻って頂きました。
誰もいない間ゆっくりと色々考えることができ、ようやくボクも落ち着いたところです。
リョウのことを怖がるのもやめます。
だってこちらには、どう考えても最強の人たちが揃っているのですから。
休んでいる間は、お兄様はもちろん、アイク様まで学園の帰りにうちに寄ってくださって、学校の状況とジェシーの今について教えてくれております。
まず高等部のクラスですが、ボクはお兄様とアイク様、イクシス様と同じクラスでした。
やったあ!
AクラスからFクラスまであって、ほぼ成績順。高位貴族ほど早くから家庭教師をつけていることが多いので、実質高位貴族準に近いのかもしれません。
成績トップクラスがAとB。次にC、Dと続きE、Fとなるのですが、このEとFについては成績が悪いというよりも、どちらかというと武術に優れた人を集めたクラス。
なので学力が低いもの、下位貴族などが集まっているのはC、Dクラスになります。
ちなみに、E、Fクラスは別棟。授業も体術などが多めの実質「騎士科」です。
ということで、ウエイン様だけはEクラス。
離れてしまってちょっと残念なのですが、ご本人はけろっとしているのだとか。なぜならいわゆる「ウエイン親派」の脳筋軍団がEクラスに集まっているから。
ウエイン様……軍隊でも作れそうですね。
でもって、ジェシーなのですが……Bクラスでした。リョウも運動もできたけれども頭も良かったから、覚悟はしておりました。
「同じクラスじゃなくて良かったです!
実はジェシーですけれど、夢の中ではお兄様やアイク様と同じクラスだったのです。どうしたのでしょうか?」
うーん、と首を傾げると、アイク様とお兄様が苦笑。
「夢とは違うことがあるでしょう?クリス」
「え?ボクですか?」
「夢のクリスは、私とは距離があったのだろう?ということは、飛び級などしていなかったのではないか?」
なるほど!
「確かに、ボクはお兄様とご一緒したくて頑張りましたが、夢の中のクリスはお兄様の周りにはおりませんでした。普通に進学していたのでしょうね」
「だろうな。つまり、クリスが入ったことでジェシーがBクラスに押し出された。そういうことなんだろうね」
「わあ!お兄様、ボクやりましたよ!まさかそんなラッキーがあるだなんて思いませんでした!
ただお兄様の近くでお兄様を見たかっただけでだったんです。
そりゃあ、もちろんお近くでお護りしたかったのが一番なのですけれど!
えへへ。頑張った甲斐がありました!」
こうやって目に見える形でボクの頑張りの成果がでていたとわかって、嬉しい。
希望が湧いてきました。
さて。ジェシーについてですが、アイク様が影を使って色々な情報を集めて来てくださいました。
ジェシーは「伯爵家の三男」ということになっておりますが、実は伯爵家の庶子なのだそう。平民である母親と街で暮らしていましたが、昨年病気で母親が他界。父親である伯爵家に引き取られたのだそう。
とにかく外見が良かったので、きっと利用するつもりもあったのでしょう。
籍を入れて貴族教育を施し、表向きには「身体が弱く、田舎で療養させていた」正妻の子として高等部から貴族学園に通うことになったのでした。
ここまではゲームのジェシーの設定と同じですね。
ゲームのジェシーは「元平民」ということで、「貴族なのに気取らない無邪気な人柄と、その貴族にあるまじき距離の近さと可愛らしい容貌で、次々と高位貴族の子弟を虜にしていきました。
でも、リョウのジェシーはどうなのでしょうか?
リョウも確かに無邪気と言えば無邪気でしたが、アレは独裁者の残酷な無邪気さです。無垢がゆえの無邪気さとは解釈違い。
ミノくんによれば、「一見すると夢の中のジェシーそのものだね。だが、俺からすると『らしく見せてる』だけだな。アレ、中身真っ黒だぞ?そうだなあ……『ジェシーを演じている』みたいな?」だそう。
でも巧妙に計算しているから、ボクとかミノくんみたいに「本当のジェシー」を知っていなければ無邪気そのものに見えるだろうとのこと。
じゃあ、本当のジェシーを知らないお兄様のご意見はというと。
「アレと視線が合うだけで気持ちが悪い」のだとか。
お兄様、蛇蝎のようにジェシーを嫌っております。
ボクが休んでいるからか、ことあるごとに二人との接触を謀ってくるのだそうで、あちこちで待ち伏せされたりわざとぶつかってきたり。
回避するにも限度があり、アイク様が王族の威光を放ちながら釘を刺したのですって。
いわく。
「君は少し周りを見て行動したほうがいい。
私の知る限り、いつも誰かにぶつかっているようだ。
学園内とはいえ、高位貴族の子弟に怪我をさせれば、君も君の家族もただではすむまい。
それと、確かに学園内で身分は関係ないとされる。しかし、それと無作法とは別物なのだ。
学園は社会の縮図。最低限の礼儀は必要だ。
私たちは貴族。それにふさわしい行動をとりたまえ」
わあ!アイク様、カッコいいです!
要するに「この礼儀知らずめ!無作法もたいがいにしろよ?」「身分など関係ないといっても、それは学園内だけの話。家にそれなりの報復はあるんだからな?」ですね。
その場にボクがいたら拍手してしまったかもしれません。
実際、ジェシーの行動に眉をしかめる人も多かったみたいで、小さな拍手が聞こえたのだとか。
一方、お兄様のほうはお兄様のほうで、リョウがぶつかる直前で華麗に避けた結果、リョウは壁に激突。
「私に向かって突進してきたが、私が避けなければぶつかっていたぞ?そのことを理解しているか?
私にも付き合う相手を選ぶ権利がある。今後、私やアイクの後を追いかけ回すのをやめて欲しい。不快だ。
せめて最低限の常識と礼儀を学び直してからにしてくれ」
わあ!にべもありません!
こんなことボクが言われたら、立ち直れる気がいたしません。
でも「自分には非が無いこと」「ジェシーに一方的に付け回され迷惑していること」「ジェシーには常識もなく礼儀もないと思っていること」をこの短いセリフに入れ込んであります。
最高です!100点満点です、お兄様!
この時にも周りで拍手が巻き起こったのだとか。
どちらのときも、ジェシー親派のような人間に囲まれて慰められながら退場していったそうなのですが……。
そのジェシー親派すら、お兄様やアイク様に頭を下げながら去っていったといいます。
明らかにゲームとは状況が変わっております。
ジェシーの周りはアウェイになりつつあるようです。
リョウはもともとプライドが高いのです。
ゲームとは違う状況と、皆の前で「礼儀知らず」だと言われたことできっとかなり悔しい想いをしたはずです。
しばらくは近寄ってこないのではないでしょうか?
なんと、入学早々1週間もお休みしてしまいました。
まだクラスメートと顔も会わせていないというのに。なんてこと!
お兄様の答辞を聞きそびれたことといい(これはボクだけの答辞をしていただきましたが)スタートから出遅れてしまった感が凄い!
ボクが意識を取り戻してから、お兄様だけでも、と学園に先に戻って頂きました。
誰もいない間ゆっくりと色々考えることができ、ようやくボクも落ち着いたところです。
リョウのことを怖がるのもやめます。
だってこちらには、どう考えても最強の人たちが揃っているのですから。
休んでいる間は、お兄様はもちろん、アイク様まで学園の帰りにうちに寄ってくださって、学校の状況とジェシーの今について教えてくれております。
まず高等部のクラスですが、ボクはお兄様とアイク様、イクシス様と同じクラスでした。
やったあ!
AクラスからFクラスまであって、ほぼ成績順。高位貴族ほど早くから家庭教師をつけていることが多いので、実質高位貴族準に近いのかもしれません。
成績トップクラスがAとB。次にC、Dと続きE、Fとなるのですが、このEとFについては成績が悪いというよりも、どちらかというと武術に優れた人を集めたクラス。
なので学力が低いもの、下位貴族などが集まっているのはC、Dクラスになります。
ちなみに、E、Fクラスは別棟。授業も体術などが多めの実質「騎士科」です。
ということで、ウエイン様だけはEクラス。
離れてしまってちょっと残念なのですが、ご本人はけろっとしているのだとか。なぜならいわゆる「ウエイン親派」の脳筋軍団がEクラスに集まっているから。
ウエイン様……軍隊でも作れそうですね。
でもって、ジェシーなのですが……Bクラスでした。リョウも運動もできたけれども頭も良かったから、覚悟はしておりました。
「同じクラスじゃなくて良かったです!
実はジェシーですけれど、夢の中ではお兄様やアイク様と同じクラスだったのです。どうしたのでしょうか?」
うーん、と首を傾げると、アイク様とお兄様が苦笑。
「夢とは違うことがあるでしょう?クリス」
「え?ボクですか?」
「夢のクリスは、私とは距離があったのだろう?ということは、飛び級などしていなかったのではないか?」
なるほど!
「確かに、ボクはお兄様とご一緒したくて頑張りましたが、夢の中のクリスはお兄様の周りにはおりませんでした。普通に進学していたのでしょうね」
「だろうな。つまり、クリスが入ったことでジェシーがBクラスに押し出された。そういうことなんだろうね」
「わあ!お兄様、ボクやりましたよ!まさかそんなラッキーがあるだなんて思いませんでした!
ただお兄様の近くでお兄様を見たかっただけでだったんです。
そりゃあ、もちろんお近くでお護りしたかったのが一番なのですけれど!
えへへ。頑張った甲斐がありました!」
こうやって目に見える形でボクの頑張りの成果がでていたとわかって、嬉しい。
希望が湧いてきました。
さて。ジェシーについてですが、アイク様が影を使って色々な情報を集めて来てくださいました。
ジェシーは「伯爵家の三男」ということになっておりますが、実は伯爵家の庶子なのだそう。平民である母親と街で暮らしていましたが、昨年病気で母親が他界。父親である伯爵家に引き取られたのだそう。
とにかく外見が良かったので、きっと利用するつもりもあったのでしょう。
籍を入れて貴族教育を施し、表向きには「身体が弱く、田舎で療養させていた」正妻の子として高等部から貴族学園に通うことになったのでした。
ここまではゲームのジェシーの設定と同じですね。
ゲームのジェシーは「元平民」ということで、「貴族なのに気取らない無邪気な人柄と、その貴族にあるまじき距離の近さと可愛らしい容貌で、次々と高位貴族の子弟を虜にしていきました。
でも、リョウのジェシーはどうなのでしょうか?
リョウも確かに無邪気と言えば無邪気でしたが、アレは独裁者の残酷な無邪気さです。無垢がゆえの無邪気さとは解釈違い。
ミノくんによれば、「一見すると夢の中のジェシーそのものだね。だが、俺からすると『らしく見せてる』だけだな。アレ、中身真っ黒だぞ?そうだなあ……『ジェシーを演じている』みたいな?」だそう。
でも巧妙に計算しているから、ボクとかミノくんみたいに「本当のジェシー」を知っていなければ無邪気そのものに見えるだろうとのこと。
じゃあ、本当のジェシーを知らないお兄様のご意見はというと。
「アレと視線が合うだけで気持ちが悪い」のだとか。
お兄様、蛇蝎のようにジェシーを嫌っております。
ボクが休んでいるからか、ことあるごとに二人との接触を謀ってくるのだそうで、あちこちで待ち伏せされたりわざとぶつかってきたり。
回避するにも限度があり、アイク様が王族の威光を放ちながら釘を刺したのですって。
いわく。
「君は少し周りを見て行動したほうがいい。
私の知る限り、いつも誰かにぶつかっているようだ。
学園内とはいえ、高位貴族の子弟に怪我をさせれば、君も君の家族もただではすむまい。
それと、確かに学園内で身分は関係ないとされる。しかし、それと無作法とは別物なのだ。
学園は社会の縮図。最低限の礼儀は必要だ。
私たちは貴族。それにふさわしい行動をとりたまえ」
わあ!アイク様、カッコいいです!
要するに「この礼儀知らずめ!無作法もたいがいにしろよ?」「身分など関係ないといっても、それは学園内だけの話。家にそれなりの報復はあるんだからな?」ですね。
その場にボクがいたら拍手してしまったかもしれません。
実際、ジェシーの行動に眉をしかめる人も多かったみたいで、小さな拍手が聞こえたのだとか。
一方、お兄様のほうはお兄様のほうで、リョウがぶつかる直前で華麗に避けた結果、リョウは壁に激突。
「私に向かって突進してきたが、私が避けなければぶつかっていたぞ?そのことを理解しているか?
私にも付き合う相手を選ぶ権利がある。今後、私やアイクの後を追いかけ回すのをやめて欲しい。不快だ。
せめて最低限の常識と礼儀を学び直してからにしてくれ」
わあ!にべもありません!
こんなことボクが言われたら、立ち直れる気がいたしません。
でも「自分には非が無いこと」「ジェシーに一方的に付け回され迷惑していること」「ジェシーには常識もなく礼儀もないと思っていること」をこの短いセリフに入れ込んであります。
最高です!100点満点です、お兄様!
この時にも周りで拍手が巻き起こったのだとか。
どちらのときも、ジェシー親派のような人間に囲まれて慰められながら退場していったそうなのですが……。
そのジェシー親派すら、お兄様やアイク様に頭を下げながら去っていったといいます。
明らかにゲームとは状況が変わっております。
ジェシーの周りはアウェイになりつつあるようです。
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