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第10章 シルとの未来
乱入者
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いよいよ、というところで居間に通じるドアからおかしな音が聞こえだした。
カリカリカリ。カシッカシッ。
最初遠慮がちだったそれが徐々に激しいものとなっていく。
「…………シル……」
「…………ああ」
にぃ、にぃ、にゃおーん……にゃおーーん……
ブランだ。
どうやらゆっくりしすぎたらしい。
目を覚ましてしまったようだ。
「………」
「………」
今まさに、というときだっただけに目と目を見合わせて苦笑するしかない。
シルが「ああ、くそっ!」と崩れ落ち、バリバリと頭を掻いた。
「……行くか」
「……だな」
子猫に勝てるわけがないのだ。
それまでの甘い空気は一気に吹き飛んでしまった。
「シルは部屋で着替えてからこい。俺が行くから」
チュ、と頬にキスを落としシルが立ち上がる。
バサリとシャツをひっかけ、居間に通じるドアを開けたとたん、転げるようにして小さな白い塊が飛び込んできた。
「んにゃあ!」
「あ、こらっ!ブラン!!」
あっという間にシルの足の間を駆け抜け、俺の足元へ。
「んにゃう、にゃうん!なうーん!」
なにやら猛抗議しながらベッドによじ登ろうと必死だ。
とりあえずシーツを身体に巻き付けひょいっと抱き上げてやれば、安心したように俺の腕の中でまるまり、ゴロゴロとご機嫌で喉を鳴らしだした。
どうやら目覚めたときに一人だったのがご不満だったらしい。
「……寂しかったのか?来たばかりなのに一人にしてすまなかったな、ブラン」
「……こいつ、俺よりミルがいいんだとよ。贅沢な奴め」
言いながらも優しくブランをつつくシル。
つつかれたブランはといえば、そのまま気持ちよさそうに俺の腕の中ですやすやとまた眠ってしまった。
「おい、寝たぞ?」
「ふふ。もしかして、俺のことを親だと思っているのかな?」
「ふは!ミルとブランは似てるからか?
しかし……あーあ、こんなの起こせねえよなあ。続きは夜に持ち越しだな!……残念だ」
言いながら色っぽい流し目でウインク。
全く!まだ少し身体に熱が残っているのにそんな顔をされたら、すぐに続きをしたくなるだろう?
でも、まずはブランだ。
なにしろ、俺たちのところに来たばかりなのだからな?
慣れるまで沢山甘やかしてやらないと。
「……とにかく俺たちは親なんだから。ブランが優先だな。しばらく抱いていてやった方がよさそうだ」
「はいはい。親だもんな。…………ブランは俺とミルの子か。うん。良い響きだな」
俺とシルでは子供はできないが、子供の様に愛することはできる。
こんな家族の形があってもいいだろう?
着替えたシルにブラン抱っこを交代してもらい、俺も素早く服を羽織った。
そのまま居間に戻り、食事にすることに。
「持ち帰ったパーティーの残りでいいだろ?
俺が用意するからシルはブランとソファにでも転がっててくれ」
「色々準備してくれて疲れているだろう?それくらい俺がやるぞ?」
きっとシルはかなり前から奔走していたはずだ。
俺はただ甘やかされていただけ。
だから、それくらいは俺にさせて欲しい。
するとシルはぷうっと頬を膨らませた。
なんだその顔、可愛いな?
「今日はミルの誕生日なんだ。夫である俺にはミルを甘やかす権利がある!」
「甘やかす権利?」
「あのな……俺、好きな相手にはなんでもしてやりたいタイプなんだ]
「知ってる。十分甘やかされてきたからな」
「引くなよ?……実はあれでも相当我慢していた。」
「……あれでか?!」
「ああ。本当は朝起きてから寝る間でがっつり世話をしまくりたい!」
「侍従のときみたいにか?」
「……あの頃は良かった。ミルの服を用意して着せるのまで全て俺の仕事だったもんなあ……」
遠い目をして懐かしむしる。そうか。アレは趣味と実益だったのだな。
「ん?ということは、もしかして朝起きた時に温めたタオルで顔を拭いたり手を拭いたりしてたのは……」
「してやりたいからやってただけだな。普通の侍従はそこまでしねえよ」
全くシルめ!あれが普通だと思っていたじゃないか!
でも、一概にはシルを責められない理由が俺にもあった。
「……実は俺もシルに甘やかされるのが好きだった」
「ふは!知ってた!」
「じゃあ、シルには俺を甘やかす権利をやろう。存分に甘やかしてくれ」
「ははは!謹んでお受けいたします」
気取った様子で胸に手を当て一礼すると、さっそく料理のパックをもってキッチンに消えた。
「……甘やかしたいシルと、甘えたい俺。相性ピッタリだな?なあ、ブラン?」
カリカリカリ。カシッカシッ。
最初遠慮がちだったそれが徐々に激しいものとなっていく。
「…………シル……」
「…………ああ」
にぃ、にぃ、にゃおーん……にゃおーーん……
ブランだ。
どうやらゆっくりしすぎたらしい。
目を覚ましてしまったようだ。
「………」
「………」
今まさに、というときだっただけに目と目を見合わせて苦笑するしかない。
シルが「ああ、くそっ!」と崩れ落ち、バリバリと頭を掻いた。
「……行くか」
「……だな」
子猫に勝てるわけがないのだ。
それまでの甘い空気は一気に吹き飛んでしまった。
「シルは部屋で着替えてからこい。俺が行くから」
チュ、と頬にキスを落としシルが立ち上がる。
バサリとシャツをひっかけ、居間に通じるドアを開けたとたん、転げるようにして小さな白い塊が飛び込んできた。
「んにゃあ!」
「あ、こらっ!ブラン!!」
あっという間にシルの足の間を駆け抜け、俺の足元へ。
「んにゃう、にゃうん!なうーん!」
なにやら猛抗議しながらベッドによじ登ろうと必死だ。
とりあえずシーツを身体に巻き付けひょいっと抱き上げてやれば、安心したように俺の腕の中でまるまり、ゴロゴロとご機嫌で喉を鳴らしだした。
どうやら目覚めたときに一人だったのがご不満だったらしい。
「……寂しかったのか?来たばかりなのに一人にしてすまなかったな、ブラン」
「……こいつ、俺よりミルがいいんだとよ。贅沢な奴め」
言いながらも優しくブランをつつくシル。
つつかれたブランはといえば、そのまま気持ちよさそうに俺の腕の中ですやすやとまた眠ってしまった。
「おい、寝たぞ?」
「ふふ。もしかして、俺のことを親だと思っているのかな?」
「ふは!ミルとブランは似てるからか?
しかし……あーあ、こんなの起こせねえよなあ。続きは夜に持ち越しだな!……残念だ」
言いながら色っぽい流し目でウインク。
全く!まだ少し身体に熱が残っているのにそんな顔をされたら、すぐに続きをしたくなるだろう?
でも、まずはブランだ。
なにしろ、俺たちのところに来たばかりなのだからな?
慣れるまで沢山甘やかしてやらないと。
「……とにかく俺たちは親なんだから。ブランが優先だな。しばらく抱いていてやった方がよさそうだ」
「はいはい。親だもんな。…………ブランは俺とミルの子か。うん。良い響きだな」
俺とシルでは子供はできないが、子供の様に愛することはできる。
こんな家族の形があってもいいだろう?
着替えたシルにブラン抱っこを交代してもらい、俺も素早く服を羽織った。
そのまま居間に戻り、食事にすることに。
「持ち帰ったパーティーの残りでいいだろ?
俺が用意するからシルはブランとソファにでも転がっててくれ」
「色々準備してくれて疲れているだろう?それくらい俺がやるぞ?」
きっとシルはかなり前から奔走していたはずだ。
俺はただ甘やかされていただけ。
だから、それくらいは俺にさせて欲しい。
するとシルはぷうっと頬を膨らませた。
なんだその顔、可愛いな?
「今日はミルの誕生日なんだ。夫である俺にはミルを甘やかす権利がある!」
「甘やかす権利?」
「あのな……俺、好きな相手にはなんでもしてやりたいタイプなんだ]
「知ってる。十分甘やかされてきたからな」
「引くなよ?……実はあれでも相当我慢していた。」
「……あれでか?!」
「ああ。本当は朝起きてから寝る間でがっつり世話をしまくりたい!」
「侍従のときみたいにか?」
「……あの頃は良かった。ミルの服を用意して着せるのまで全て俺の仕事だったもんなあ……」
遠い目をして懐かしむしる。そうか。アレは趣味と実益だったのだな。
「ん?ということは、もしかして朝起きた時に温めたタオルで顔を拭いたり手を拭いたりしてたのは……」
「してやりたいからやってただけだな。普通の侍従はそこまでしねえよ」
全くシルめ!あれが普通だと思っていたじゃないか!
でも、一概にはシルを責められない理由が俺にもあった。
「……実は俺もシルに甘やかされるのが好きだった」
「ふは!知ってた!」
「じゃあ、シルには俺を甘やかす権利をやろう。存分に甘やかしてくれ」
「ははは!謹んでお受けいたします」
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