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東の国
ハーメルン
ダッシュで走っていると、行きに会った子供たちが俺を待ち構えていた。
「あー!さっきのおねえ……お兄ちゃん!」
「戻ってきたーっ!!あのね、パンありがとう!」
「なんで走ってるの?」
「ボクたちもやるーっ」
「よーっし!じゃあ、お手伝いしてくれる?
門の前の広場で色々配ろうと思うから、お手伝いできそうな人連れて来てーっ!
そんで、みんなに集合ーって声かけてくれる?」
「はーい!!」
一部の子供たちがあちこちに散らばっていき、残りの一部の子は俺の後ろについて走り出した。
するとすれ違った人たちも「なんだなんだ」と後に続く。
まるでハーメルンの笛吹きだ。
俺の後ろに大行列ができてしまった。
じゃあ、せっかくですし?
もうバレちゃってもいいや!ゲイルも元気になったし!
無理させすぎない程度に、ちょびっと動く元気がでるように。
「ちょびっとエリアヒール!」
俺の走った後に残るキラキラの軌跡。
ハイヒールほどピカピカじゃないそれは、ちょびっとみんなに元気を与えてくれるはず。
今はこの程度で。
とにかくみんなに集まって貰って、取捨選択。
緊急対応が必要な人と、そうでない人を分けてからね。
全部は無理だから、できることをできるだけ。
後ろの方で「ゲイル様!元気になられたのですね!」だの「あー!ゲイルだゲイル!」だのと聞こえてくる。
お父様、順調に東国でも人たらししておりました。
「ゲイルは俺のお父様なのでーっ!!俺のだからねーっ!!」
大人げないって言わないで。
だってゲイル、俺のだもん!
こうして一気にお城の中を駆け抜け、最初に入ってきた入口付近へ。
到着したころには騒動を聞いた人たちが大勢集結しておりました。
俺の後ろではキースと公爵、ゲイル以外の大人たちが膝に手をつきふうふうと息を切らせている。
全くもう!あんまり動かないだろう王様はともかく、身体が資本の護衛の衆!これくらいで息を切らしてなんとする!情けないですぞ!
って、栄養足りてないからか。すまぬ。もう少しの辛抱だから!
では。
「ゲイル、王様をこっちに引っ張ってきてくれる?」
「おう!」
攻略済みの王様の手を引き、反対の手に公爵をぶら下げたゲイルが俺の方にやってきた。
……なんか回復したとたん大変そうでごめん、ゲイル。
でも俺がやるよりゲイルがやるほうが角がたたないでしょ。適材適所!
「はい、みなさんちゅーもーく!
俺は冒険者のドラゴンライダーサフィです!こっちはS級冒険者でドラゴンバスターのキース!
俺とキースはゲイルの息子なので、ゲイルを迎えに来ました。
ゲイルが腕にくっつけてるのは、ゲイルの自称婚約者の公……コウ!」
ゲイルがブッと吹きだし、公爵とキースが死んだ目になった。しょうがないでしょうが。公爵って言いそうになっちゃったんだもん。
「迎えに来る途中のバース連合で『東国の人が困ってる』っていう噂を聞いたので、周辺の国から救援物資を持ってきましたっ!
食料、物資、色々持ってきたので、ここにじゃんじゃん出していきます!
それを種類ごとに並べてもらいたいのでご協力お願いします!
終わったらごはんにするから!みんな力を貸してください!」
俺の言葉に集まった東国の人たちがキョトン。
「……は?え?ゲイルの息子?」
「そう!ゲイルの最愛の息子!」
ゲイルを取られないようにドヤ顔で胸を張って言い放つ。
「物資ってどういうことだ?」
「俺たちは王国の冒険者なので。魔法が使えるの!
でもって、マジックバッグ特大を沢山持ってきたから、それにぎゅうぎゅう詰めこんできました!
こんな大変な災害の中、皆さんが協力して生き延びてきたのってすごいことだと思います。
東国のみなさんが、これまで努力してきたもの、築いてきた絆があったからこそ、そんな奇跡が起こせたんだろうと思う。
でもね、奇跡にも限界があるでしょ?
ゲイルが起こした奇跡だってそう。魔法は無限じゃありません。魔法使いすぎて、ゲイルってば死にかけてたんだからね。今回の災害はそれくらいのことなの。
なので、助けに来ました。自給自足はすごいことだし、自助の精神は素晴らしいと思います。
でもできることできないことがあるでしょ?今回は無理です。
お隣の国が大変なとき、東国の人は何もせず見捨てるの?きっと手を貸すでしょ?
それと同じ。頼ってください、もっと。だってお互い様だもん。
ってことで、助けに来ました!
あ。大丈夫。同情とかじゃないから!ちゃんと下心あるから!」
下心と聞いて、みんな「やっぱり」という諦め顔になった。
「あのね、ミソとショーユ!ミソとショーユをお願いします!
めちゃくちゃ気になっておるのです!
東国にしかない特別な調味料なので!貴重な文化遺産なの。無くなったら困るので!
職人さんって財産なの。天災で失われるなんてこの世界にとってすっごい損失なのですよ。
だから俺は俺の都合で助けるだけだから、皆さんは遠慮なく助けられてください。
それで、お土産にちょこっとミソとショーユをくれたら嬉しいなと思っております!」
ハイ、と手を挙げて宣言すると、恐る恐ると言う感じで東国のちょっと頑固おやじっぽいおやじさんが言った。
「……下心ってのは、ミソとショーユなのか?そんだけか?」
信じられないと言わんばかりである。
「はあ?!そんだけって言った?!
そんだけなわけないでしょ!凄いものでしょうが!俺がどれだけ夢見て来たと思ってんの?
どれだけ凄いものを作り出してるのか、ちょっと自覚して!
言っておくけど、東国にしかないんだよ?貴重なものなんだからね?!」
フンスフンスと拳振り上げ主張する俺に、ようやく俺が心から言っていると理解したようだ。
「す、すまん。……そうか。俺たちに助けるだけの価値があるから助ける。そういうことなんだな?」
おやじさんの目が輝き出した。
おお、いい顔になった!
「そういうこと!あんだーすたん?
ってことで食べ物とかを持ってきたので!じゃんじゃん出すからね!
見ての通り俺たちの手は物理的に少ないからみなさんの手を貸してください。
必要なものが必要な人の手に渡るように。誰が何を必要なのか、一番分かってるのはみなさんでしょう?
俺たちはどんどんここに出していくから、種別に分けて纏めてくれますか?
王様たちと相談して、どう分配するのか考えてください。
それが終わったらお食事にしましょう。すぐに食べられるものを持ってきましたのでね!
それを励みに、ごめんだけど、最後にちょっとだけ無理して頑張って!
そうしたら、もう大丈夫だから!
あ、すぐに食べれるものもあるから、弱った人と子供たちに先にあげて!
子供がお腹空かせたらダメ!成長期だもん!
さあ、いくよーーー!!」
キース、ゲイル、公爵、俺と4手に別れ、マジックバッグの中身をどんどこどんどこ出していく。
お芋、パン、ミルク、お肉、人参えとせとらえとせとら。食料は俺の前に。
包帯、軟膏、治療薬とかはゲイルの前に。
キースの前にはテントや衣類。お布団などを。
公爵の前には炭や燃料を。
バッグから次々と出されたものに、東国の人たちの目がキラキラと輝く。
「……な、なんと……!!」
王様の目にも力が戻った。
「みな!我らが率先して動かずしてなんとする!
手の空いたもの、動けるものはそれぞれ種類別に積み上げろ!
食料は日持ちがするものと、しないものとで分けるのだ!
すぐに食べられるものは老人、女子供から配布するように!」
「病人、けが人はゲイルの元へ!医術の心得のあるものはすぐに治療にかかれ!」
「大広間を解放する!衣類や毛布はそちらに運び込め!病人、老人と子供は身体を休め、英気を養うのだ。
サフィラス殿、感謝する。食料も我らで配布してしまってよいだろうか?」
おお!さっきまでどこかぼんやりしていた王様がめちゃくちゃ有能に仕切り出した!
さすが皆に慕われているだけのことはある。
やっぱりこれまでは心労と栄養不足で心も身体も相当弱ってたんだね。
根性だけで頑張っていたと見える。
今の姿が本来の陛下の姿なんだろう。
俺はマジックバッグをひとつ王様に渡した。
「中身出しちゃったやつだから。これに必要なものを入れて大広間に運んだらいいと思います。使ってください。
あとね、陛下、激やせしてるのをお化粧とかでごまかしてるでしょ?」
図星だったみたい。
陛下は何処か気まずそうな顔で「……子供が腹をすかしているというのに私が食べるわけにはいかぬ」と呟いた。
うん。そういうところ、嫌いじゃないよ。でもね。
「その気概は素晴らしいと思います。でもね、陛下が倒れたら国は終わり。でしょう?
だから陛下も先にごはん食べてください。もうみんなは大丈夫ですので!」
「……かたじけない」
「なんのなんの!」
止まった時が動き出す。
男たちが荷物を運び、積み上げる。
女たちは子供たちを集め、老人を支えながら大広間に向かう。
お腹が空いてるだろうに。文句ひとつ言わず。
弱者を優先して、支え合って助け合って動いている。
「王様、東国の人って、凄いですね。俺が見て来たどの国の人よりも人格者かも」
ふは!
王様が初めて笑った。
「そう言ってくれるか?……自慢の民なのだ」
うん。これはゲイルが必死になるはず。
救うべき人たちだ。
「あー!さっきのおねえ……お兄ちゃん!」
「戻ってきたーっ!!あのね、パンありがとう!」
「なんで走ってるの?」
「ボクたちもやるーっ」
「よーっし!じゃあ、お手伝いしてくれる?
門の前の広場で色々配ろうと思うから、お手伝いできそうな人連れて来てーっ!
そんで、みんなに集合ーって声かけてくれる?」
「はーい!!」
一部の子供たちがあちこちに散らばっていき、残りの一部の子は俺の後ろについて走り出した。
するとすれ違った人たちも「なんだなんだ」と後に続く。
まるでハーメルンの笛吹きだ。
俺の後ろに大行列ができてしまった。
じゃあ、せっかくですし?
もうバレちゃってもいいや!ゲイルも元気になったし!
無理させすぎない程度に、ちょびっと動く元気がでるように。
「ちょびっとエリアヒール!」
俺の走った後に残るキラキラの軌跡。
ハイヒールほどピカピカじゃないそれは、ちょびっとみんなに元気を与えてくれるはず。
今はこの程度で。
とにかくみんなに集まって貰って、取捨選択。
緊急対応が必要な人と、そうでない人を分けてからね。
全部は無理だから、できることをできるだけ。
後ろの方で「ゲイル様!元気になられたのですね!」だの「あー!ゲイルだゲイル!」だのと聞こえてくる。
お父様、順調に東国でも人たらししておりました。
「ゲイルは俺のお父様なのでーっ!!俺のだからねーっ!!」
大人げないって言わないで。
だってゲイル、俺のだもん!
こうして一気にお城の中を駆け抜け、最初に入ってきた入口付近へ。
到着したころには騒動を聞いた人たちが大勢集結しておりました。
俺の後ろではキースと公爵、ゲイル以外の大人たちが膝に手をつきふうふうと息を切らせている。
全くもう!あんまり動かないだろう王様はともかく、身体が資本の護衛の衆!これくらいで息を切らしてなんとする!情けないですぞ!
って、栄養足りてないからか。すまぬ。もう少しの辛抱だから!
では。
「ゲイル、王様をこっちに引っ張ってきてくれる?」
「おう!」
攻略済みの王様の手を引き、反対の手に公爵をぶら下げたゲイルが俺の方にやってきた。
……なんか回復したとたん大変そうでごめん、ゲイル。
でも俺がやるよりゲイルがやるほうが角がたたないでしょ。適材適所!
「はい、みなさんちゅーもーく!
俺は冒険者のドラゴンライダーサフィです!こっちはS級冒険者でドラゴンバスターのキース!
俺とキースはゲイルの息子なので、ゲイルを迎えに来ました。
ゲイルが腕にくっつけてるのは、ゲイルの自称婚約者の公……コウ!」
ゲイルがブッと吹きだし、公爵とキースが死んだ目になった。しょうがないでしょうが。公爵って言いそうになっちゃったんだもん。
「迎えに来る途中のバース連合で『東国の人が困ってる』っていう噂を聞いたので、周辺の国から救援物資を持ってきましたっ!
食料、物資、色々持ってきたので、ここにじゃんじゃん出していきます!
それを種類ごとに並べてもらいたいのでご協力お願いします!
終わったらごはんにするから!みんな力を貸してください!」
俺の言葉に集まった東国の人たちがキョトン。
「……は?え?ゲイルの息子?」
「そう!ゲイルの最愛の息子!」
ゲイルを取られないようにドヤ顔で胸を張って言い放つ。
「物資ってどういうことだ?」
「俺たちは王国の冒険者なので。魔法が使えるの!
でもって、マジックバッグ特大を沢山持ってきたから、それにぎゅうぎゅう詰めこんできました!
こんな大変な災害の中、皆さんが協力して生き延びてきたのってすごいことだと思います。
東国のみなさんが、これまで努力してきたもの、築いてきた絆があったからこそ、そんな奇跡が起こせたんだろうと思う。
でもね、奇跡にも限界があるでしょ?
ゲイルが起こした奇跡だってそう。魔法は無限じゃありません。魔法使いすぎて、ゲイルってば死にかけてたんだからね。今回の災害はそれくらいのことなの。
なので、助けに来ました。自給自足はすごいことだし、自助の精神は素晴らしいと思います。
でもできることできないことがあるでしょ?今回は無理です。
お隣の国が大変なとき、東国の人は何もせず見捨てるの?きっと手を貸すでしょ?
それと同じ。頼ってください、もっと。だってお互い様だもん。
ってことで、助けに来ました!
あ。大丈夫。同情とかじゃないから!ちゃんと下心あるから!」
下心と聞いて、みんな「やっぱり」という諦め顔になった。
「あのね、ミソとショーユ!ミソとショーユをお願いします!
めちゃくちゃ気になっておるのです!
東国にしかない特別な調味料なので!貴重な文化遺産なの。無くなったら困るので!
職人さんって財産なの。天災で失われるなんてこの世界にとってすっごい損失なのですよ。
だから俺は俺の都合で助けるだけだから、皆さんは遠慮なく助けられてください。
それで、お土産にちょこっとミソとショーユをくれたら嬉しいなと思っております!」
ハイ、と手を挙げて宣言すると、恐る恐ると言う感じで東国のちょっと頑固おやじっぽいおやじさんが言った。
「……下心ってのは、ミソとショーユなのか?そんだけか?」
信じられないと言わんばかりである。
「はあ?!そんだけって言った?!
そんだけなわけないでしょ!凄いものでしょうが!俺がどれだけ夢見て来たと思ってんの?
どれだけ凄いものを作り出してるのか、ちょっと自覚して!
言っておくけど、東国にしかないんだよ?貴重なものなんだからね?!」
フンスフンスと拳振り上げ主張する俺に、ようやく俺が心から言っていると理解したようだ。
「す、すまん。……そうか。俺たちに助けるだけの価値があるから助ける。そういうことなんだな?」
おやじさんの目が輝き出した。
おお、いい顔になった!
「そういうこと!あんだーすたん?
ってことで食べ物とかを持ってきたので!じゃんじゃん出すからね!
見ての通り俺たちの手は物理的に少ないからみなさんの手を貸してください。
必要なものが必要な人の手に渡るように。誰が何を必要なのか、一番分かってるのはみなさんでしょう?
俺たちはどんどんここに出していくから、種別に分けて纏めてくれますか?
王様たちと相談して、どう分配するのか考えてください。
それが終わったらお食事にしましょう。すぐに食べられるものを持ってきましたのでね!
それを励みに、ごめんだけど、最後にちょっとだけ無理して頑張って!
そうしたら、もう大丈夫だから!
あ、すぐに食べれるものもあるから、弱った人と子供たちに先にあげて!
子供がお腹空かせたらダメ!成長期だもん!
さあ、いくよーーー!!」
キース、ゲイル、公爵、俺と4手に別れ、マジックバッグの中身をどんどこどんどこ出していく。
お芋、パン、ミルク、お肉、人参えとせとらえとせとら。食料は俺の前に。
包帯、軟膏、治療薬とかはゲイルの前に。
キースの前にはテントや衣類。お布団などを。
公爵の前には炭や燃料を。
バッグから次々と出されたものに、東国の人たちの目がキラキラと輝く。
「……な、なんと……!!」
王様の目にも力が戻った。
「みな!我らが率先して動かずしてなんとする!
手の空いたもの、動けるものはそれぞれ種類別に積み上げろ!
食料は日持ちがするものと、しないものとで分けるのだ!
すぐに食べられるものは老人、女子供から配布するように!」
「病人、けが人はゲイルの元へ!医術の心得のあるものはすぐに治療にかかれ!」
「大広間を解放する!衣類や毛布はそちらに運び込め!病人、老人と子供は身体を休め、英気を養うのだ。
サフィラス殿、感謝する。食料も我らで配布してしまってよいだろうか?」
おお!さっきまでどこかぼんやりしていた王様がめちゃくちゃ有能に仕切り出した!
さすが皆に慕われているだけのことはある。
やっぱりこれまでは心労と栄養不足で心も身体も相当弱ってたんだね。
根性だけで頑張っていたと見える。
今の姿が本来の陛下の姿なんだろう。
俺はマジックバッグをひとつ王様に渡した。
「中身出しちゃったやつだから。これに必要なものを入れて大広間に運んだらいいと思います。使ってください。
あとね、陛下、激やせしてるのをお化粧とかでごまかしてるでしょ?」
図星だったみたい。
陛下は何処か気まずそうな顔で「……子供が腹をすかしているというのに私が食べるわけにはいかぬ」と呟いた。
うん。そういうところ、嫌いじゃないよ。でもね。
「その気概は素晴らしいと思います。でもね、陛下が倒れたら国は終わり。でしょう?
だから陛下も先にごはん食べてください。もうみんなは大丈夫ですので!」
「……かたじけない」
「なんのなんの!」
止まった時が動き出す。
男たちが荷物を運び、積み上げる。
女たちは子供たちを集め、老人を支えながら大広間に向かう。
お腹が空いてるだろうに。文句ひとつ言わず。
弱者を優先して、支え合って助け合って動いている。
「王様、東国の人って、凄いですね。俺が見て来たどの国の人よりも人格者かも」
ふは!
王様が初めて笑った。
「そう言ってくれるか?……自慢の民なのだ」
うん。これはゲイルが必死になるはず。
救うべき人たちだ。
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