もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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まさかまさかの新生活

俺のやるべきこと

ゲイルにぎゅうぎゅうスンスン吸われていたら、あっちゅーまに公爵がライリオを連れて戻った。

ゲイルがドアを開けておいたから、タカタカタカッ「サフィー!!」て感じで。

でもって、さすが親子!
かちこーん、とライリオも固まった。

「…ゲ、ゲイル…何をしているのだ?」
「見てわかんねーのか?」

わかんないから聞いてるんだと思う。

「充電だよ。これから大変なことになるのが分かりきってんだ。その前に少しくらい充電させろ」

スー、ハー。

「あ、あの…その犬…ルー君に似てるんだけど…」

若いから?公爵より立ち直りがはやいね、ライ。

「ルーだよー」

うんしょ、とゲイルの腕から顔を出してルー君がご挨拶。

「「しゃ、喋った⁈」」

ライリオが漫画みたいにピョンっと飛び上がり、ヒシッと抱き合った。

「あのねー。ぼく、うそついた。猫じゃないの。犬でもないの。フェンリルなの」

「「フェンリル⁈」」

お口ぱっかーんなライリオ。
公爵は困ったように眉を下げ、ひとこと。

「……あー…というわけなのだ」

公爵!先に説明しておいてあげてー⁈

「ポンコツかよ!!」
「…すまない…。私も動揺していたようだ」

あ。口に出てた。

「ポンコツだなあ、おい!」

ゲイルは容赦なかった。すき!



そのあとティガーがマリーを連れて戻ったが、マリーはマリーだった。

「いやあああん!かわゆいっ♡」
「ぼく、ルー。フェンリルなの。よろしくね」
「え?フェンリル?ふっさふさあ♡モフモフしていい?」
「いいよー」
「きゃー♡サフィさまっ、仔フェンリルって、かわゆいですねえっ!」


ゲイル以下「あわわ」した面々は光の消えた眼で呟いていた。

「神経鋼かよ…」
「いや、ミスリル…」
「そもそも、彼女に神経ってあるのですかね?」
「でも優しいよ、マリー。かわいいし」

リオ、何が賄賂でも貰った?


とにかく、俺の部屋に「全員集合!」して、もっかいルー君に同じ説明をしてもらった。

巣立ちのこと。
匂いを追って、ここにたどり着いたこと。
使命のこと。

みんな真剣な顔で聞いていたが、
使命のあたりで眉間に皺が。
聖女なあたりで、顔を掌で覆い。

「それでね、しめいは、まおー」

でゲイルのように床ドンしてしまった。

あ、みんなこれやるんだ。
とりあえず、頭なでとこ。
俺はゲイルから抜け出し、トコトコ。

「ライリオ。おちつこう」

よしよし。

「いや、無理ーーーっ!!」

わかるわかる、とゲイルが頷いている。




「まあ、こういう事情でな。集まって貰った訳だ。
サフィの魔力だとか、貴重な属性だとか…もう事態はそんなもんじゃねえ。
フェンリルに聖女に魔王だぞ?伝説の世界じゃねえかよ!!」

話してるうちに思い出し激昂したゲイルが、またしても床ドーン!
俺の部屋の床、大丈夫だろうか。
抜けたらどうしよう。

不安になって目を彷徨わせてたら、目があったティガーが大丈夫ですよ、と微笑んでくれた。
安定のティガーの安心感よ!!すき!!

俺はまだライリオをよしよししていたので、代わりにルー君がゲイルをよしよししてくれた。

「ゲイル、落ちつけ」

かわいい魅惑の肉球で優しくポンポン。

「……すまん。我を忘れた。大丈夫だ」

ルー君は「きにしないで」と首をふるふる。

「ゲイルもせいじょだし。せいじょふたりもいるから、まおーは大丈夫だよー」
「「「「「ゲイルもせいじょ⁈」」」」

またしてもなルー君砲にみんな一瞬で「無」に。

「大丈夫じゃねえええー!!!」

ゲイル最大の床ドッガーン!

俺の部屋の床には穴が空いた。ちょっと泣いた。




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