もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺、またしてもお披露目会?!

俺を待っていたのは鬼でした

しゅん、と公爵家に戻り「ただいまー!」と俺の部屋に飛び込むと、あるはずのない返事が。

「おかえりーい、サフィちゃん」

エ、エ、エリアス!!エリアス!!
腕を組んで仁王立ち待機!
こ、こ、こ、怖!!!
そういえばエリアスって老害たちを力づくで黙らせちゃったって言ってたじゃん!
普段の姿からは想像できないけど、有能な侯爵家当主じゃん!
ここにいるエリアスは、いつものえりりんではない。鬼!鬼になっていらっしゃる!!


「待ってたんだよおお?
朝サフィちゃんに会おうとやってきたら、だあれもいなかった時の僕の気持ち、分かる?!
僕だって、サフィちゃんの叔父様なんだよ⁈しかも先生でもあるんですけど⁈
どうして1人だけ置いてくの⁈」

ガシっと肩をつかまれ、ガクンガクン!
そういえば、エリアスに何の連絡もぜずいっちゃったんだった。
気付いたけど「ま、いっか」って…。

俺はガクンガクンされながら、なんとか説明を試みた。

「だ、だっ、て、エ、リアス、うるさ…(ゲフンゲフン)…さわ、がし…(エホン)おしゃ、べり、だし!」
「はあ?!そんなことないでしょお?!」

ガクガク揺らすのやめてよおお!うまく話せないからっ!ちゃんと言い訳…いや、説明させて!
腕をペシペシして訴えたら、ようやく揺らすのをやめてくれた。

ふう。クビ大丈夫かなあ?
みぎー、ひだりー、うえー、したー。
うん、大丈夫そう。
俺は頭をぷるぷるして、リセット。

エリアスはオコだけどさ。すぐに連絡しなかったのもごめんだけど。
だってしょうがないじゃん。
こっちだって聖女だのママだの、男のプライド存亡の危機だったんだからね⁈
エリアスだって、そんな俺たちの気持ち分かる⁈
いいよね、エリアスは。おんなじサフィール家なのに聖女じゃなくって。
ママになれない普通の人なんだもん、いいよねえええ!!
きっと意外と腹黒いから聖女になれなかったんだ、そうに違いない!

謝ろうと思ってたのに逆にむかむかってしてきちゃって、俺はつい

「いそいでるのにエリアスいると、はなし ながくなる。
こうしゃくけにいなかったし。
いそいでたんだもん
それに、エリアスはかんけーないはなしだったの!おれとゲイルだけかんけーあったの!」

言ってしまったら怒涛の反撃をくらった。

「あ”あ”ん⁈うちにもゲートあるでしょおが!何のためのゲート⁈
それに僕に関係ないってなに⁈どういう意味なの?説明してくれなきゃわかんないし!
ゲイルはずるいよ!ゲイルばっかりサフィちゃんといっしょでさ!
サフィちゃんが倒れたって知らずに、しかも聞いてもなにもできない僕の気持ち、分かる?」
「わか…」
「分かるわけないよねー⁈ゲイルはサフィちゃんと一緒だったんだもんねえ!」

今度はゲイルにプンスコしてたとおもったら、急に悲しそうな顔に。

「……僕だって、サフィちゃんの叔父なんだよ?
ゲイルに先を越されちゃったけど、僕だってお父様になりたかったんだよ。僕の方が血筋で言えば権利あるのに…」
「うーんと…。エリアスにおとうさま、むりだとおもうよ?ゲイルはおとうさまになるうんめいだし」
「運命ってなに?……僕だって……僕だって、サフィちゃんの家族なんだよ………」

肩を落とし力なく項垂れるエリアスの姿に、俺の罪悪感がぎゅんぎゅん音を立てて大きくなる。
耐え切れなくなった俺は、がばりんちょとエリアスに飛びつく。

「ごめんなさい!!!ごめん、エリアス!エリアス!
ちゃんとかぞく!エリアスもかぞくだっておもってる!」

俺、そんなつもりなくエリアスはぶけしちゃったんじゃん!マジでごめんよお!
はぶけって辛いもんね。ひとりで置いて行ってごめんね!
次は一緒につれてくから!

でも、今回は事情だってあったんだよ。
ゲイルと俺、大事件だったんだもん。

そう思ったらまたムカムカってした。
エリアスだけ…聖女じゃない。
俺はビシっとエリアスに指を突きつける。

「ぼくとゲイルだけママでせいじょだったんだもん!
エリアスはちがうんじゃん!
エリアスもママになりたいの?ちがうよね⁈
ママになれるっていわれたきもち、わかる⁈わからないでしょお!
エリアスだってずるい!」

エリアスの口がパカンと空いた。

「え?……え?
今、なんて?僕の耳、おかしくなっちゃったのかな?
ゲイルとサフィちゃんがママだとか聖女だとか、ママになれるとかって聞こえたんだけど…。
え?どうして?なに?
ゲイルとサフィ、女の子だったの?
え?僕、ゲイルにゲイルがついてるの見たことあるよ。
あれ、取れちゃったの⁈
え?どーゆーこと⁈なにがあったのおおおお⁈」

エリアス大パニック。

「ゲイルのゲイル、みたことあるの?
どうだった?おっきかった?
ぼくのぼくもゲイルみたいにおっきくなる?」

「こら!いいかげんにしろ!」

ゴツン!
ゴツン!

いったああああい!!
目から星がでたよ!

ゲイルのムスコさんについて思わず言及してしまった俺はとエリアスは、2人そろって仲良くゲイルから拳骨を頂戴したのでした。

で、どうなの?ちょっとでいいから教えてー!!


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