もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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いざ帝国!

船長と密談?

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楽しい船上パーティーでみなの心はひとつになった。

お互いに「帝国」「王国」の垣根を越えて和気藹々としている様子があちこちで見受けられる。
主にゲイルとかゲイルとかオルガ団長とかキースとかミカミカとか。ゲイルなんてすっかり馴染んで肩組んでわいわいやってる。さすがお父様。
オルガ団長とキースは船員に慕われ、普通に船上で訓練をつけている。大変な盛り上がりようだ。
なのに……元々訓練をお願いした俺は、なぜか仲間に入れて貰えない!納得いきませんぞ!
俺がひとりで「大イカ獲ったどー」したせいで、誰も俺と組みたがらないのです。

「ねえ!俺と訓練して!!」
「い、いや、サフィ、無理だし!まだ死にたくねえもん!」
「それ以上強くなってどうすんの⁈」
「この船最強、サフィじゃん」

俺を見るとスタコラさっさと逃げてしまうのです。

仕方なく船長さんにお願いしたらば、

「俺も船みてなきゃならんしなあ…」

と、操舵室で腹筋、背筋、スクワットさせられた。

「筋肉は一日にしてならず!トレーニングが一番だ!」

そういうことじゃないんだよ……!これはもうゲイルとやってるし!
仕方なく身体を鈍らせないように船上をぐるぐる走っている。

で、お兄様が何をしているかというと、そんな俺を横で応援してくれている。そう。一緒にぐるぐるしてるの。しかもものすごく嬉しそうに。
俺がヒーヒーいうのを見ながら、余裕のお兄様。リーチが違いすぎ!俺の三歩がお兄様の二歩とはこれいかに!

「ふふふ。執務がない自由な時間なんて久しぶりだ。サフィと身体を動かすのは楽しいね!」

ニコニコとそんなこと言われたら何も言えない。いつもお疲れさま、お兄様!

10周くらいでさすがに休憩。程よき汗をかいたならクリーンしとこ。

するとナイスタイミングでミカミカがオヤツを持ってきてくれた。
そう、ミカミカはあれ以来シェフと意気投合!厨房に入り浸って帝国の料理を習いつつ、ミカミカの料理を伝授しているのです。楽しそうで何より!

「これ、帝国の伝統的な菓子!俺が作ったんだぜ!サフィに合わせて少し甘くしてある。食ってみてくれ!」

出されたのはクッキーとパイのあいのこみたいな焼き菓子。少し固めで、サクッというよりザクッとした食感。上に散らしたザラメがガリガリとしたアクセントに。

「おお!これ、クセになるね!」

ガリガリザクザクが楽しい!

「だろ?これ保存がきくから、各家庭に缶に入れて常備してあるんだってさ!ほい!これ、お前らの分!」

うわあ!缶だ!
開けたら中に食べやすいサイズのが沢山入ってた。

「サフィ、ご飯前には食うなよ?飯が食えなくなるからな。ゲイルに渡してくれ」
「ええー!俺は?」
「ゲイルから貰えばいいだろ?サフィに渡したらすぐに全部食っちまいそうなんだもん」

それはそうだけどね。



運動してないときは、船員さんに遊んでもらったり。甲板にロープと板でブランコを作ってくれたんだけど、海の上にビューーーンとなるのが最高に気持ちいいの。
安全のためにと、ゲイルにシートベルトみたいな腰紐つけられてポールにそのはじを結ばれてるけど、気にしない!

ちなみにリオはこのブランコがお気に入り。ここに座って本を読むのにハマっている。

日中はこんなふうに思い思いに船旅を満喫しておるのです。




一方、当初の目的も忘れてはいない。ちゃんと夜、お兄様のお部屋に集合して作戦会議。

とりあえず、帝国についたらナージャが迎えに来てくれる。
王城にいる間は親交を深めるためにとナージャのいる棟でお泊まり予定。
王様に挨拶して、ゲイルはナージャのお母様の治療に。その時に「ナージャの母上にご挨拶を」という名目で俺たちも、という流れ。お母様に会ってしまえばこっちのものだ。サクッとピカーンをして、あとは普通に学校見学したりすればいい。
ざっくりしてるけど、これはスムーズにいけばの話。ピカーンで完治するかはわからない。とりあえず、臨機応変に!

ちなみに、聖女様の治療はゲイルがしたことにする。ゲイルの名はこの国の人も知ってるみたいだから(さすがゲイル!)問題ないと思う。
聖女を治して貰って文句いうような人は、やましいことがある側妃の派閥だけ。今回の一番のネックは側妃の派閥。相手がどう出るかまでは読めないもんね。

そのための布石が、S級のキース。戦場の英雄オルガ団長。そして俺だ。
その実力は船長さんたちが充分知ってくれたはず。
「敵に回したく無いよね。大人しくしてようね」ってこと!
それに、国同士という視点でみると、お兄様とミカミカという王国権力者もいるし。学校に見学に来た(という設定の)宰相の息子(リオ)もいる。めったなことはできないよね。

戦力と権力をこちらできっちりと押さえておくという万全の布陣なのでる。




ここで俺は一つの提案をした。

「あのね。船長さんや船員さん、つまり帝国海軍を巻き込んじゃいませんか?
みんないい人だったでしょ。はなしたら分かると思うの。俺のカンだとぜったいに側妃様のお仲間じゃないよ。聖女様を助けるっていえば、協力してくれると思う」
「うーん。わざわざ迷惑かけんのも悪くね?知らないほうが幸せってこともあるだろ?わざわざ側妃に敵対させることになるんだぞ?」

ミカミカが苦言を呈した。

「そうだね。運悪く巻き込まれてしまったのならともかく、わざわざ巻き込むのは……良い方がたなだけに申し訳ない気がするな」

お兄様も頷く。するとそこでゲイルがサクッとキメてくれた。

「いや。奴らもう巻き込まれてるだろ。そもそも、サフィと出会った時点ですでに巻き込まれちまってるんだよ。
もうサフィの能力だって見せちまったしな。情にあつい奴らのことだ。どのみち俺らの見方をすると思うぜ?なら最初っからがっつりと巻き込んじまったほうが話がはええぞ」

キースも苦笑しながら頷いた。

「そうだね。確かに。正直、彼らが俺たちの敵に回るとは思えないしな。そもそも、サフィのアレをみたら敵に回ろうなんて考えもしないだろうしね」

オルガ団長もゲイルと同じ意見だった。

「我らにつくというのは、ナージャという次期国王の側につくも同様。側妃を敵に回すだろうな。しかし、良い軍人というのは戦況を見極める力も高い。戦況は我らに有利だ。海軍には側妃の側につく利点がない。だから問題ないだろう。味方にしよう」




けってーい!船長と密談するのだ!








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