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第11章 サフィ誕生!
サフィ誕生
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その日は朝から腹ん中がソワソワした。
なんつーか、腹が張るような感じがして、サフィが落ち着かないのかもぞもぞしている。
これは、時期的にアレなのか?
「フィオ、たぶん今日だ。ルーを呼ぶわ」
フィオが無言でこくりと頷く。
青ざめながらも、その瞳には決意に似たものがあった。
存外落ちついた様子なのが頼もしい。
「では、皆に伝えて準備させましょう。
すぐに戻りますからね」
「待っていて?」と俺の腹をそっとなぜ、頬にキスをすると忙しなく伝えに行った。
「ルー!頼む。そろそろだと思う」
俺の出産は特殊な形になる。
そもそも妊娠自体が特殊だからな。
産むとこまで育ったら、あとはルーが腹ん中から外にサフィを生み出して、いや転移してくれるのだ。
出産の痛みを例えるに、女性陣いわく「鼻からメロンを出すくらい痛い」っていうから、出産の痛みを感じずに済むのはありがたい。
にわかに屋敷もバタバタしだした。
産湯やらはクリーンするから不要なんだが、サフィに着せる服やミルクや色々なものが準備され、いつでも使えるようにセットされる。
部屋に俺とフィオ、ルーを残して使用人たちが出て行った。みなすぐに対応できるよう部屋の前で待機している。
サフィール家、王家にも遣いを出したようだ。
別に慌てなくても産まれて落ち着いてからでいいと思うんだが「絶対に、夜中でもいいからすぐに連絡するように」といいくるめられていたらしい。
しばらくして部屋の外に多くの人の気配。
早すぎねえか?こら、ゲート使いやがったな。
あのデカい足音は…ハルトか兄貴?落ち着かないのか行ったり来たりしているようだ。
「ちょっとあなた!落ちつきなさい!」
義姉さんの声だ。兄貴だったか。
「あなたもよ!座りなさい!」
メアリーの声もした。ハルトもか!
周りの熱量が凄すぎて逆にこっちのほうが冷静になる。
こんな時だってえのに、思わず笑ってしまって少し緊張がほぐれた。
「フィオ。なんか…すげえな」
「ふふふ。さすがゲイルの子ですね。生まれる前からこんなにファンがいるなんて」
「そりゃフィオの子でもあるからな?きっとすんげえ可愛くて最高の子だぜ、サフィは」
なんて余裕かましていたら、ルーがいきなり言った。
「もう出るって言ってるんだけど、出していい?
いくよーう!」
「ま、まて!心の準備が…」
「今ですか⁈」
「せーのーお!」
しゅるん!
身体の中から何かが抜けたのが分かった。
代わりにこの腕の中には確かな重み。
ぐんにゃりと温かく湿った感触。
急に外に出され、驚いたのか赤子は火でもついたかのように大きな声で泣き出した。
小さな手足をつっぱって、精一杯の産声をあげる。
「はは!元気そうだ!
…よく来たな。サフィ。ゲイルお父様だぞ?」
小さな小さな手にそっと祝福のキスを贈る。
「クリーン」で綺麗にし、念のためヒールしてから用意してあったブランケットで慎重にくるんだ。
くるまれて落ちついたのか、サフィはすやすやと眠り出した。
「ああ……!この子が私たちの息子、サフィなんですね。
ようやく会えた!サフィ。サフィ。フィオお父様ですよ?
ああ、なんと可愛らしい!!
あなたが産まれたのは奇跡です。
ゲイル、ありがとうございます。私を選んで下さって。私の子供を産んでくれて。本当に…本当にありがとうございます。
サフィ…私とゲイルの子…ああ、夢のようだ!」
サフィと俺を交互に見ながらフィオは涙をボロボロ零している。
すると、パチリとサフィが目を開けた。
気のせいだろうか?産まれたばかりでまだ目も見えぬはずのサフィが、俺たちを認めて笑ったように見えた。
「!ゲイル!サフィが笑いました!」
「サフィ。お父様が分かるのか?かしこいなあ!」
「ほら、見てください!ゲイルそっくりの翠眼ですよ!
リトルゲイルだ。かわいいですねえ」
「見ろよ、この小さな手!これでちゃんと爪も生えてるんだぜ?」
「ほんとだ!…触れてみても大丈夫ですか?」
「当たり前だろ。お前が親父なんだ。
まだ首が座ってねえから、しっかりとやさしく首をささえてやってくれよ?」
恐る恐るサフィに手を伸ばす。
ゆっくりとサフィを渡してやると、フィオは一瞬息を止め目を見開いた。
「!なんというか……軽いのですがとても存在感があります。不思議だ…やわらかくぐにゃぐにゃしている。
こんなにぐんにゃりしていて大丈夫なのでしょうか?」
胸に優しく引き寄せ、サフィにそうっと頬を寄せるフィオ。
「ゲイルに聞きました。
あなたが私をゲイルに導いてくれたのですか?
頼りない父で心配させてしまいましたね。すみません。
約束します。これからは私があなたを守りますからね。
安心して大きくなって下さいね」
あまりにも幸福そうな優しい声音に、なんだか泣きそうになる。
「…ルー。俺、聖女で良かった。
フィオと幸せになれて、サフィを産んでやれて、本当に幸せだ。
ありがとうな。神様だかお前のママだかに感謝する」
「うふふー。ママもね、ありがとうって言ってたよ。最高の聖女様だって。ゲイルのおかげて全てがいい方向に周り出したんだって。
良かったねえ。みんなみんな幸せになるんだよー!」
幸せに浸る時間はあっという間。
ドアの前で
「まだか?」
「赤子の声もしたし、そろそろいいのではないか?」
「もう!親子で少しゆっくりさせてあげなさい!」
「十分ゆっくりしたであろう」
待てない大人が騒ぎ出した。
「ふは!そろそろ入れてやるか?」
「ふふふ。そうですね。ドアを破られかねません。
サフィ?これからサフィに会うのを楽しみにしている人たちが入ってきますからね?仲良くしてやってください」
俺はドアに向かって声を上げた。
「おーい!ドアの前のヤツら!もう入っていいぞ!
俺とフィオの子、サフィラスを紹介してやるよ!」
なんつーか、腹が張るような感じがして、サフィが落ち着かないのかもぞもぞしている。
これは、時期的にアレなのか?
「フィオ、たぶん今日だ。ルーを呼ぶわ」
フィオが無言でこくりと頷く。
青ざめながらも、その瞳には決意に似たものがあった。
存外落ちついた様子なのが頼もしい。
「では、皆に伝えて準備させましょう。
すぐに戻りますからね」
「待っていて?」と俺の腹をそっとなぜ、頬にキスをすると忙しなく伝えに行った。
「ルー!頼む。そろそろだと思う」
俺の出産は特殊な形になる。
そもそも妊娠自体が特殊だからな。
産むとこまで育ったら、あとはルーが腹ん中から外にサフィを生み出して、いや転移してくれるのだ。
出産の痛みを例えるに、女性陣いわく「鼻からメロンを出すくらい痛い」っていうから、出産の痛みを感じずに済むのはありがたい。
にわかに屋敷もバタバタしだした。
産湯やらはクリーンするから不要なんだが、サフィに着せる服やミルクや色々なものが準備され、いつでも使えるようにセットされる。
部屋に俺とフィオ、ルーを残して使用人たちが出て行った。みなすぐに対応できるよう部屋の前で待機している。
サフィール家、王家にも遣いを出したようだ。
別に慌てなくても産まれて落ち着いてからでいいと思うんだが「絶対に、夜中でもいいからすぐに連絡するように」といいくるめられていたらしい。
しばらくして部屋の外に多くの人の気配。
早すぎねえか?こら、ゲート使いやがったな。
あのデカい足音は…ハルトか兄貴?落ち着かないのか行ったり来たりしているようだ。
「ちょっとあなた!落ちつきなさい!」
義姉さんの声だ。兄貴だったか。
「あなたもよ!座りなさい!」
メアリーの声もした。ハルトもか!
周りの熱量が凄すぎて逆にこっちのほうが冷静になる。
こんな時だってえのに、思わず笑ってしまって少し緊張がほぐれた。
「フィオ。なんか…すげえな」
「ふふふ。さすがゲイルの子ですね。生まれる前からこんなにファンがいるなんて」
「そりゃフィオの子でもあるからな?きっとすんげえ可愛くて最高の子だぜ、サフィは」
なんて余裕かましていたら、ルーがいきなり言った。
「もう出るって言ってるんだけど、出していい?
いくよーう!」
「ま、まて!心の準備が…」
「今ですか⁈」
「せーのーお!」
しゅるん!
身体の中から何かが抜けたのが分かった。
代わりにこの腕の中には確かな重み。
ぐんにゃりと温かく湿った感触。
急に外に出され、驚いたのか赤子は火でもついたかのように大きな声で泣き出した。
小さな手足をつっぱって、精一杯の産声をあげる。
「はは!元気そうだ!
…よく来たな。サフィ。ゲイルお父様だぞ?」
小さな小さな手にそっと祝福のキスを贈る。
「クリーン」で綺麗にし、念のためヒールしてから用意してあったブランケットで慎重にくるんだ。
くるまれて落ちついたのか、サフィはすやすやと眠り出した。
「ああ……!この子が私たちの息子、サフィなんですね。
ようやく会えた!サフィ。サフィ。フィオお父様ですよ?
ああ、なんと可愛らしい!!
あなたが産まれたのは奇跡です。
ゲイル、ありがとうございます。私を選んで下さって。私の子供を産んでくれて。本当に…本当にありがとうございます。
サフィ…私とゲイルの子…ああ、夢のようだ!」
サフィと俺を交互に見ながらフィオは涙をボロボロ零している。
すると、パチリとサフィが目を開けた。
気のせいだろうか?産まれたばかりでまだ目も見えぬはずのサフィが、俺たちを認めて笑ったように見えた。
「!ゲイル!サフィが笑いました!」
「サフィ。お父様が分かるのか?かしこいなあ!」
「ほら、見てください!ゲイルそっくりの翠眼ですよ!
リトルゲイルだ。かわいいですねえ」
「見ろよ、この小さな手!これでちゃんと爪も生えてるんだぜ?」
「ほんとだ!…触れてみても大丈夫ですか?」
「当たり前だろ。お前が親父なんだ。
まだ首が座ってねえから、しっかりとやさしく首をささえてやってくれよ?」
恐る恐るサフィに手を伸ばす。
ゆっくりとサフィを渡してやると、フィオは一瞬息を止め目を見開いた。
「!なんというか……軽いのですがとても存在感があります。不思議だ…やわらかくぐにゃぐにゃしている。
こんなにぐんにゃりしていて大丈夫なのでしょうか?」
胸に優しく引き寄せ、サフィにそうっと頬を寄せるフィオ。
「ゲイルに聞きました。
あなたが私をゲイルに導いてくれたのですか?
頼りない父で心配させてしまいましたね。すみません。
約束します。これからは私があなたを守りますからね。
安心して大きくなって下さいね」
あまりにも幸福そうな優しい声音に、なんだか泣きそうになる。
「…ルー。俺、聖女で良かった。
フィオと幸せになれて、サフィを産んでやれて、本当に幸せだ。
ありがとうな。神様だかお前のママだかに感謝する」
「うふふー。ママもね、ありがとうって言ってたよ。最高の聖女様だって。ゲイルのおかげて全てがいい方向に周り出したんだって。
良かったねえ。みんなみんな幸せになるんだよー!」
幸せに浸る時間はあっという間。
ドアの前で
「まだか?」
「赤子の声もしたし、そろそろいいのではないか?」
「もう!親子で少しゆっくりさせてあげなさい!」
「十分ゆっくりしたであろう」
待てない大人が騒ぎ出した。
「ふは!そろそろ入れてやるか?」
「ふふふ。そうですね。ドアを破られかねません。
サフィ?これからサフィに会うのを楽しみにしている人たちが入ってきますからね?仲良くしてやってください」
俺はドアに向かって声を上げた。
「おーい!ドアの前のヤツら!もう入っていいぞ!
俺とフィオの子、サフィラスを紹介してやるよ!」
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