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第四話 リオンと猫じゃらし
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「本気で置いてくぞ」
「待って、猫ちゃんに別れの挨拶をさせて」
拓也は、くつろいでいる猫に、名残惜しげにそっと語りかける。
「ごめんね、彼と行かないといけないんだ。でもまた遊ぼう。
優しい彼に連れて来てもらうから!」
その言葉を聞いた瞬間、
「誰が連れてくるか」
彼はきっぱりと断言する。
「こんな可愛い猫ちゃんと一生会えないなんて死んじゃうよ
もっと遊びたい。むしろここで暮らしたい」
拓也の言葉ににゃにゃと賛同する猫達の声。
もっと遊べと主張しているようだ。
「あ~、可愛い。お願い。もう少し遊んでもいい」
拓也が困っていると、彼は無言で拓也を睨みつけたが、拓也は意に介さず、
「あ~、猫ちゃん。可愛い」
猫をこねくり回す。
猫ちゃんの遊べと続くにゃにゃ攻撃。
すると彼が呆れながら、にゃにゃ言っている猫と話している。
「可愛い。にゃにゃ言ってる。やっぱり猫ちゃん」
「うるさい。話はつけた。さっさとしろ」
拓也は、猫を優しく頭を撫でてから立ち上がった。
その時、拓也はスキルで生成したおもちゃがたくさん散らかっていることに気づき、それらを拾い始めた。
手がいっぱいになったおもちゃを見て、彼が表情を変えた。
「……お前、森を舐めているのか?」
その言葉に、拓也はきょとんとした顔をして、彼を見上げた。
「え? 何が?」
「そんなもの両手に抱えて……何かあったらどうするつもりだ?」
彼の真剣な顔に、拓也はようやく事態の深刻さを理解した。
猫と遊んでいたさっきまでの穏やかな時間とは違い、危険が常に潜んでいる世界なのかもしれない。
彼はその現実を生きる者として、拓也に厳しく問いかけているようだ。
「……確かに、森に入るのにおもちゃなんて持ってちゃダメだよね」
だがどうしたものか。おもちゃを置いていくわけにもいかない。
出したならしまえるのだろうか?
試してみるか。
拓也は目を閉じて、猫のおもちゃをしまうイメージをしてみる。
おもちゃを箱にしまうイメージすると
手に持っていたおもちゃはすっと消え去り、収納された。
彼はそれを見て、少し驚いたように目を細めた。
「お前……スキル持ちなのか?」
拓也は少し得意げに笑いながら答えた。
「うん、そうだよ。猫に特化したスキルなんだけどね。猫のおもちゃを出したりしまったりできるみたい」
彼はその言葉を黙って聞き、真剣な眼差しで拓也をじっと見つめていた。
「猫のおもちゃ」
彼は猫のおもちゃという言葉に反応する。
「もしかして興味ある?遊びたい。何がいいかな?」
猫じゃらしを出して、遊び方の説明しようとすると
「猫じゃらしだろう。知っている。あ」
彼は自分の失言に気づいたように、しまったというように目が泳ぐ。
「あ、って何?猫じゃらしに興味あるのが恥ずかしいの?」
「そ、そうだな。猫じゃらしで遊ぶのは子猫までだ。別に興味なんてない」
彼はそう言うが、声が上擦っている。
嘘をついている?
猫じゃらしになにかあるのか?
猫じゃらしを知っていることがまずいのか。
何か隠している?
「もしかして、猫じゃらしのこと知られたらまずいの?
他にも俺と同じように猫じゃらし知っている人がいるの?」
「待って、猫ちゃんに別れの挨拶をさせて」
拓也は、くつろいでいる猫に、名残惜しげにそっと語りかける。
「ごめんね、彼と行かないといけないんだ。でもまた遊ぼう。
優しい彼に連れて来てもらうから!」
その言葉を聞いた瞬間、
「誰が連れてくるか」
彼はきっぱりと断言する。
「こんな可愛い猫ちゃんと一生会えないなんて死んじゃうよ
もっと遊びたい。むしろここで暮らしたい」
拓也の言葉ににゃにゃと賛同する猫達の声。
もっと遊べと主張しているようだ。
「あ~、可愛い。お願い。もう少し遊んでもいい」
拓也が困っていると、彼は無言で拓也を睨みつけたが、拓也は意に介さず、
「あ~、猫ちゃん。可愛い」
猫をこねくり回す。
猫ちゃんの遊べと続くにゃにゃ攻撃。
すると彼が呆れながら、にゃにゃ言っている猫と話している。
「可愛い。にゃにゃ言ってる。やっぱり猫ちゃん」
「うるさい。話はつけた。さっさとしろ」
拓也は、猫を優しく頭を撫でてから立ち上がった。
その時、拓也はスキルで生成したおもちゃがたくさん散らかっていることに気づき、それらを拾い始めた。
手がいっぱいになったおもちゃを見て、彼が表情を変えた。
「……お前、森を舐めているのか?」
その言葉に、拓也はきょとんとした顔をして、彼を見上げた。
「え? 何が?」
「そんなもの両手に抱えて……何かあったらどうするつもりだ?」
彼の真剣な顔に、拓也はようやく事態の深刻さを理解した。
猫と遊んでいたさっきまでの穏やかな時間とは違い、危険が常に潜んでいる世界なのかもしれない。
彼はその現実を生きる者として、拓也に厳しく問いかけているようだ。
「……確かに、森に入るのにおもちゃなんて持ってちゃダメだよね」
だがどうしたものか。おもちゃを置いていくわけにもいかない。
出したならしまえるのだろうか?
試してみるか。
拓也は目を閉じて、猫のおもちゃをしまうイメージをしてみる。
おもちゃを箱にしまうイメージすると
手に持っていたおもちゃはすっと消え去り、収納された。
彼はそれを見て、少し驚いたように目を細めた。
「お前……スキル持ちなのか?」
拓也は少し得意げに笑いながら答えた。
「うん、そうだよ。猫に特化したスキルなんだけどね。猫のおもちゃを出したりしまったりできるみたい」
彼はその言葉を黙って聞き、真剣な眼差しで拓也をじっと見つめていた。
「猫のおもちゃ」
彼は猫のおもちゃという言葉に反応する。
「もしかして興味ある?遊びたい。何がいいかな?」
猫じゃらしを出して、遊び方の説明しようとすると
「猫じゃらしだろう。知っている。あ」
彼は自分の失言に気づいたように、しまったというように目が泳ぐ。
「あ、って何?猫じゃらしに興味あるのが恥ずかしいの?」
「そ、そうだな。猫じゃらしで遊ぶのは子猫までだ。別に興味なんてない」
彼はそう言うが、声が上擦っている。
嘘をついている?
猫じゃらしになにかあるのか?
猫じゃらしを知っていることがまずいのか。
何か隠している?
「もしかして、猫じゃらしのこと知られたらまずいの?
他にも俺と同じように猫じゃらし知っている人がいるの?」
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