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プロローグ
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一度だけ。一度だけだ。
一回ゲームをやってみせればアイツはきっと満足する。
その後は「合わなかった」とか何とか言って辞めてしまえばいい。
購入したゲームをダウンロードし、VRのハードウェアを起動すると懐かしい気持ちになった。
目を閉じて深呼吸をする。
次第に眠くなるような感覚に襲われ、意識をそっと手放した。
Life Create Onlineは通称ラフクエと呼ばれている。
その名前の通り、「新たな人生を創造できる」と謳っていて今までのどのゲームよりもリアルなファンタジー体験を売りにしているらしい。
ゲームを起動すると簡単なあらすじが説明されて、続いてゲームを進行する上での注意事項が読み上げられる。
なんてことはない。今までプレイしてきたゲームにも共通するオンラインゲームをプレイする上でのマナー的な注意だ。
それを聞き流してからイサムはプレイする自分のアバターを作成した。
VRゲームにおいては奇をてらうよりも現実に近いアバターを作成する方がいいというのがイサムの信条だった。
ゲームの中で身体を動かす感覚が現実のそれに比較的近いため身長や体重なんかは同じ方が慣れやすい。
顔に関しては違和感のない程度、リアルの情報が漏れない程度に変えるのがおすすめだ。
「そういえば、向こうの世界にいた頃にやたらと見た目を気にする奴がいたな」
銀髪に青い瞳をしたエルフだった。
決してひどい容貌ではなく、むしろ整っていると思える方なのにどういうわけか自分の容姿を毛嫌いしていたのを思い出す。
「銀髪は不吉とされている……だったか?」
いつだったか、そのエルフが言った言葉を思い出したからだろうか、アバターの容姿を銀髪と青い瞳に変更していた。
「……ちょっとカッコよくしすぎたか?」
若干の不安に思いつつ、まぁいいかと割り切る。
ゲームはゲーム。
没入感を高めるためにも見た目が良くて悪いことはない。
アバターを作成すると最後にプレイヤー名の設定を行った。
ここは迷わない。
異世界に行く前、ずっとゲームをしていた頃から使っていた名前がある。
「ユーサ」と登録して、イサムはくすっと笑った。
結城イサムを省略してユーサだ。
初めて名付けた時は勇者という言葉と一文字違いの音が気に入って愛用していた。
それがまさか本当に異世界の勇者になって戻ってくるとはあの頃の自分でも想像していなかっただろう。
名前をつけると設定すべき項目は終了した。
作ったばかりのアバターが自分に重なり、一つになっていく。
これからこのアバターでプレイしますよ、という演出だ。
そして、多くのVRゲームがそうであるように視界が暗転し次に目に入ったのは鬱蒼と茂る森の姿だった。
「なるほど……ここが始まりの地か」
突然の景色の変化に戸惑うことなくユーサは慣れた手つきで視界の前に広がるシステムコンソールを操作した。
VRゲームをいくつもプレイしていると大抵のことはわかる。
ゲームによって多少の差異はあってもシステムに大きな違いはないからだ。
ユーサはクエスト一覧の画面を視界に表示させ、そこからチュートリアルクエストと思しきクエストを選択する。
「ロトの町を目指せ……か。わかりやすい」
クエスト名が目的をそのまま表している。
チュートリアルはこれくらいわかりやすい方がいい。
かすかに笑いつつ、ユーサは先ほどアバターを作る前に聞いたあらすじを思い出す。
この世界には魔法と剣が存在していて、プレイヤーは冒険者となって魔物を倒しながら八つの島の踏破を目指す。
概要はそんな感じだった。
ゲームとしてはよくある設定。
八つの島にはそれぞれボスがいて、プレイヤーはそのボスを攻略することを目標にするらしい。
「新鮮さはないよな」
正直な感想を呟く。
しかし、誘われて入ったからには今すぐ辞めるわけにはいかない。
ユーサはロトの町とやらを目指して歩き始めた。
一回ゲームをやってみせればアイツはきっと満足する。
その後は「合わなかった」とか何とか言って辞めてしまえばいい。
購入したゲームをダウンロードし、VRのハードウェアを起動すると懐かしい気持ちになった。
目を閉じて深呼吸をする。
次第に眠くなるような感覚に襲われ、意識をそっと手放した。
Life Create Onlineは通称ラフクエと呼ばれている。
その名前の通り、「新たな人生を創造できる」と謳っていて今までのどのゲームよりもリアルなファンタジー体験を売りにしているらしい。
ゲームを起動すると簡単なあらすじが説明されて、続いてゲームを進行する上での注意事項が読み上げられる。
なんてことはない。今までプレイしてきたゲームにも共通するオンラインゲームをプレイする上でのマナー的な注意だ。
それを聞き流してからイサムはプレイする自分のアバターを作成した。
VRゲームにおいては奇をてらうよりも現実に近いアバターを作成する方がいいというのがイサムの信条だった。
ゲームの中で身体を動かす感覚が現実のそれに比較的近いため身長や体重なんかは同じ方が慣れやすい。
顔に関しては違和感のない程度、リアルの情報が漏れない程度に変えるのがおすすめだ。
「そういえば、向こうの世界にいた頃にやたらと見た目を気にする奴がいたな」
銀髪に青い瞳をしたエルフだった。
決してひどい容貌ではなく、むしろ整っていると思える方なのにどういうわけか自分の容姿を毛嫌いしていたのを思い出す。
「銀髪は不吉とされている……だったか?」
いつだったか、そのエルフが言った言葉を思い出したからだろうか、アバターの容姿を銀髪と青い瞳に変更していた。
「……ちょっとカッコよくしすぎたか?」
若干の不安に思いつつ、まぁいいかと割り切る。
ゲームはゲーム。
没入感を高めるためにも見た目が良くて悪いことはない。
アバターを作成すると最後にプレイヤー名の設定を行った。
ここは迷わない。
異世界に行く前、ずっとゲームをしていた頃から使っていた名前がある。
「ユーサ」と登録して、イサムはくすっと笑った。
結城イサムを省略してユーサだ。
初めて名付けた時は勇者という言葉と一文字違いの音が気に入って愛用していた。
それがまさか本当に異世界の勇者になって戻ってくるとはあの頃の自分でも想像していなかっただろう。
名前をつけると設定すべき項目は終了した。
作ったばかりのアバターが自分に重なり、一つになっていく。
これからこのアバターでプレイしますよ、という演出だ。
そして、多くのVRゲームがそうであるように視界が暗転し次に目に入ったのは鬱蒼と茂る森の姿だった。
「なるほど……ここが始まりの地か」
突然の景色の変化に戸惑うことなくユーサは慣れた手つきで視界の前に広がるシステムコンソールを操作した。
VRゲームをいくつもプレイしていると大抵のことはわかる。
ゲームによって多少の差異はあってもシステムに大きな違いはないからだ。
ユーサはクエスト一覧の画面を視界に表示させ、そこからチュートリアルクエストと思しきクエストを選択する。
「ロトの町を目指せ……か。わかりやすい」
クエスト名が目的をそのまま表している。
チュートリアルはこれくらいわかりやすい方がいい。
かすかに笑いつつ、ユーサは先ほどアバターを作る前に聞いたあらすじを思い出す。
この世界には魔法と剣が存在していて、プレイヤーは冒険者となって魔物を倒しながら八つの島の踏破を目指す。
概要はそんな感じだった。
ゲームとしてはよくある設定。
八つの島にはそれぞれボスがいて、プレイヤーはそのボスを攻略することを目標にするらしい。
「新鮮さはないよな」
正直な感想を呟く。
しかし、誘われて入ったからには今すぐ辞めるわけにはいかない。
ユーサはロトの町とやらを目指して歩き始めた。
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