魔王を倒した勇者だけど帰還して今度はVRMMOに挑みます

六山葵

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初サイドクエスト

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箱の中には両刃であったり片刃であったり、見事な装飾があったり無骨でシンプルな作りだったりと種類は様々だがユーサの要求した通りの片手剣が鞘に入れられた状態で保管されていた。

「種類は少ないですが魔法に適正のある品ばかりですよ」

魔法道具を取り扱うビスタにとって本来武器の類は専門外だ。
しかし、魔法道具の製作に使う魔法石を媒体として作られた剣があるという噂を聞きつけ、いくつか仕入れてみたらしい。

「まぁ、実際は持っていると魔法耐性が多少ついたり、魔力を少しだけ増加させたりするというだけであまり意味のある代物ではなかったのですが……」

仕入れたのは失敗だった、と言わんばかりにビスタはため息を吐く。

ユーサからすればそれなりに有用なのではないかと思うのだが、ビスタは町の衛兵にバカにされたらしい。

「奴ら、『剣を持つ騎士が魔法に関する能力を上げるなんて馬鹿馬鹿しい』なんて言いまして……。魔法使いにはそもそも剣は不要だし、困ったものです」

ビスタの愚痴を聞きつつ、ユーサは剣を品定めする。
当然かもしれないが、どの剣も最初に持っていた剣やゴブリンから奪った棍棒に比べて質が良いように見える。

他のゲームならレアリティだったり、品質だったりが武器のステータスとして確認できるのにラフクエではそれが出来ない。

普通のゲーマーなら不便に思うかもしれないが、リアリティを追求しているのがわかるからユーサは特に気にしなかった。

異世界の方法で確かめてみるか。

「この剣、少し持ってみてもいいか?」

一応ビスタに確認し、了承を得てから剣を取り出す。
どの剣がいいかは見た目だけではわからないのでとりあえず目についた剣を鞘から引き抜いた。

刀身はまっすぐで銀色に輝いている。
やや青みがかって見えるのは魔法石とやらのせいだろうか。

少し重いな……。

素振りをするまでもなく、ユーサは剣を鞘に戻した。

他の剣を手に取り、同じように鞘から抜く。
今度は反り返った片刃の剣だ。刀身はやや緑色に見える。

これは軽い。

ユーサは再び剣を戻し、他の剣に手を伸ばす。

「あの、何をしているのです?」

その様子を見ていたビスタが疑問を投げかける。

ユーサがやっているのは異世界でも武器を選ぶ時にやっていた方法だ。

正直、武器の目利きだとか細やかな品質の違いを見抜くのは一介の高校生であるユーサには不可能だ。

だからこそ、剣を選ぶ時にユーサは直感を大切にしていた。

手に取り、持ちやすさや取り回しの良さ。重すぎず、軽すぎず、手に馴染む物を選ぶ。

簡単で単純な方法だったが、経験上この方法で選んだ武器が一番しっくりくる。

「これ、いいな」

ユーサは数本を試し、その中から一本の剣に興味を示す。

真っ直ぐな両刃の剣。刀身が赤く見える剣だ。
重さも長さもちょうどいい。

持ちやすく、何よりも手に馴染む。

「それですか?えー……ああ、赤の魔法石を使って鍛えられた剣ですね。確か炎系魔法の攻撃力を上げれる効果があったかと」

ビスタがユーサの選んだ剣を見定める。
効果はそれほど重要視していなかったが悪くない。

ユーサは棍棒に変わる剣を見つけた。

幸いにも武器の類はそこまで高価な物ではなかったらしい。

「残していても売れる気配はないので差し上げますよ」

快く申し出るビスタに礼を言い、ユーサは剣をインベントリにしまった。

「さて、二人の様子はどうだ……」

ユーサが他の二人に目を向けるとちょうど二人とも何を貰うか決めたところだった。

「これにする!」

「私はこれ!」

シャインは「自動書記」という魔法の本を、リサは定員が二人までの空飛ぶほうきを選んだようだった。
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