1 / 2
第一話 : 辞職表明
しおりを挟む
この会社に入って6年。今年で23になる。
毎日終電まで終わらない仕事。
朝早い出勤と眠れない日々。
嫌な上司との人付き合い。
もう生きる事すら嫌になる日々だった。
3月19日、俺の中で何かが切れた。
――もう限界だ
3月20日、ついに俺は辞表を出す。
俺の居る会社は、新宿駅東口付近のビル街にある。
いつも通り朝早く起きて、ほんの僅かな余裕を持って家を出る。
会社に着くのに1時間程で、始業は9時。
そのため少々早めに出なければいけないのだ。
冬の寒さが去っていく三月。
少しだけ暖かい空気と、この季節特有の甘い香りが部屋の中に充満し、
春の訪れを知らせてくれる。
老朽化したマンションのエントランスから出て空を見上げる。
日差しが非常に眩しく、俺の目に突き刺さる。
寒波が過ぎたと言えどまだ朝は冷える時期だ。
寒いのが苦手なので長袖を着てきたのだが、
日差しの強さも相まって。非常に暑く感じてしまう。
気温は昨日より5度も高い。
しかし、もう部屋に戻るような時間もないため先を急ぐことにする。
僅かすぎる余裕なんて、あっという間に無くなってしまうものだ。
急ぎ足で、アスファルトの上を歩く。
駅まで10分程の道だが、どうしても暑さにやられてしまう。
こういう急いでる時に限って、時間の進みは遅く嫌な程遠く感じてしまうものだ。
今の時刻は8時、非常にまずい。
静かな風が頬を撫でる。この些細な風が唯一の救いだ。
そんな事を考えながら走る。見えた、駅だと急ぎ早にICカードを取り出し改札を抜ける。
電車の時間が来るちょっと前に着いてよかった。
田舎からの通勤のため電車での通勤時間が非常にかかるのだ。
だからとはいえ、大都会東京、しかも新宿で済むなど家計が火の車、最悪崩壊してしまうだろう。
残業代も出ないような安い給料では、住めるのは安い物件が精一杯だ。
家から持ってきた水筒を一気に飲み喉を潤す。
喉をつたる冷たい水が俺の体を生き返らせる。
電車の踏切が鳴った。
そろそろ電車が来る。
バッグを前に持って、黄色い線の後ろで待つ。
電車の風がなんとも心地よい。
ドアが開いて、誰も乗らない電車に乗る。
乗り換えが二回あるという欠点はあるが
満員電車に乗って苦しむよりかは、人がいないだけ何倍もマシだ。
電車の中で外の風景を見る。
いつも、この田舎の美しい光景に見惚れてしまう。
長い電車の旅は、終わり新宿に着いた。時間通り。
今日俺は、"辞表"を出すと決めたのだ。
会社までの距離はそう遠くないため、ゆっくり歩いてゆく。
今日は何故だかとても余裕があるのだ。
これまで辛かった会社への道が軽いのだ。
会社のうざったいほど大きなドアを開け、
エレベーターに乗る。
俺が所属しているのは6階の部署だ。
長い通勤が終わり、俺はオフィスに着いた。
「おはようございます」
その一言をオフィス中に響く声で言った。
やはり皆元気がない。
こんな環境で生きるよりかは、
逃げるな、裏切者と罵倒される方がよっぽどマシだな。
ついに俺が待ちに待った課長が来た。
俺は課長が席に着いたのを確認すると足早に課長の元まで行く。
俺は、迷惑と分かってても気分が昂ってつい大きな声を出してしまう。
「課長、俺今月付けで辞めさせて頂きます!!」
ここまで元気よく言うのもまた違うとはわかっているが、
オフィス中の視線が刺さるが今の俺は気にすらしない。
無敵の感覚を感じながら、課長が何か言うまで待った。
これが、俺の人生で初めての辞表。
俺なりの辞職表明。
ここから始まる俺の旅の物語。
毎日終電まで終わらない仕事。
朝早い出勤と眠れない日々。
嫌な上司との人付き合い。
もう生きる事すら嫌になる日々だった。
3月19日、俺の中で何かが切れた。
――もう限界だ
3月20日、ついに俺は辞表を出す。
俺の居る会社は、新宿駅東口付近のビル街にある。
いつも通り朝早く起きて、ほんの僅かな余裕を持って家を出る。
会社に着くのに1時間程で、始業は9時。
そのため少々早めに出なければいけないのだ。
冬の寒さが去っていく三月。
少しだけ暖かい空気と、この季節特有の甘い香りが部屋の中に充満し、
春の訪れを知らせてくれる。
老朽化したマンションのエントランスから出て空を見上げる。
日差しが非常に眩しく、俺の目に突き刺さる。
寒波が過ぎたと言えどまだ朝は冷える時期だ。
寒いのが苦手なので長袖を着てきたのだが、
日差しの強さも相まって。非常に暑く感じてしまう。
気温は昨日より5度も高い。
しかし、もう部屋に戻るような時間もないため先を急ぐことにする。
僅かすぎる余裕なんて、あっという間に無くなってしまうものだ。
急ぎ足で、アスファルトの上を歩く。
駅まで10分程の道だが、どうしても暑さにやられてしまう。
こういう急いでる時に限って、時間の進みは遅く嫌な程遠く感じてしまうものだ。
今の時刻は8時、非常にまずい。
静かな風が頬を撫でる。この些細な風が唯一の救いだ。
そんな事を考えながら走る。見えた、駅だと急ぎ早にICカードを取り出し改札を抜ける。
電車の時間が来るちょっと前に着いてよかった。
田舎からの通勤のため電車での通勤時間が非常にかかるのだ。
だからとはいえ、大都会東京、しかも新宿で済むなど家計が火の車、最悪崩壊してしまうだろう。
残業代も出ないような安い給料では、住めるのは安い物件が精一杯だ。
家から持ってきた水筒を一気に飲み喉を潤す。
喉をつたる冷たい水が俺の体を生き返らせる。
電車の踏切が鳴った。
そろそろ電車が来る。
バッグを前に持って、黄色い線の後ろで待つ。
電車の風がなんとも心地よい。
ドアが開いて、誰も乗らない電車に乗る。
乗り換えが二回あるという欠点はあるが
満員電車に乗って苦しむよりかは、人がいないだけ何倍もマシだ。
電車の中で外の風景を見る。
いつも、この田舎の美しい光景に見惚れてしまう。
長い電車の旅は、終わり新宿に着いた。時間通り。
今日俺は、"辞表"を出すと決めたのだ。
会社までの距離はそう遠くないため、ゆっくり歩いてゆく。
今日は何故だかとても余裕があるのだ。
これまで辛かった会社への道が軽いのだ。
会社のうざったいほど大きなドアを開け、
エレベーターに乗る。
俺が所属しているのは6階の部署だ。
長い通勤が終わり、俺はオフィスに着いた。
「おはようございます」
その一言をオフィス中に響く声で言った。
やはり皆元気がない。
こんな環境で生きるよりかは、
逃げるな、裏切者と罵倒される方がよっぽどマシだな。
ついに俺が待ちに待った課長が来た。
俺は課長が席に着いたのを確認すると足早に課長の元まで行く。
俺は、迷惑と分かってても気分が昂ってつい大きな声を出してしまう。
「課長、俺今月付けで辞めさせて頂きます!!」
ここまで元気よく言うのもまた違うとはわかっているが、
オフィス中の視線が刺さるが今の俺は気にすらしない。
無敵の感覚を感じながら、課長が何か言うまで待った。
これが、俺の人生で初めての辞表。
俺なりの辞職表明。
ここから始まる俺の旅の物語。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる