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本編
2話 目を開けるとそこは
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目を開けるとそこには、大きな噴水を中心とし、剣や盾、鉄砲を売っている店。怪しげな色の液体が入ったビンやよく分からない肉の塊のようなものを売っている店。見たことない果物ばかり置いてある店。そして大勢の人。
「こ、ここが...天界なのか...?」
そう言い女神?の方を向くと、なんとも言えない、この世終を見ているかのような顔で辺りを見回していた。
「あ、あの...ここが天界なんですよね...?」
そう尋ねると女神?は、首を横にふるふると振った。
もう一度辺りを見回してみると、噴水の奥には、《ギルド・クロワッサン》と書かれた大きな木造の建物。噴水の周りには、剣と盾を持ち赤いマントを羽織っている人。黒いとんがり帽子に黒いローブ姿の人。リアルすぎるドラゴンの頭のようなものを引きずっている人。
「えーっと、天界に行くんじゃなかったんですか...?」
「うるさい...」
「え?」
今、うるさいって言われたのか?
「呪文を間違えちゃったの!」
「間違える?あの短い呪文をか!?」
驚きのあまり声に出してしまった。すると下を向きガタガタ震える女神?
「ま、まあ、落ち着いて落ち着いて、今度は正しい呪文を唱えればいいだけですよね?」
女神?は、その場にしゃがんで何かを呟き始めてしまった。
「まさか、正しい呪文を思い出せないんじゃ...?」
「そうじゃないわ...」
「ならどうして、しゃがんでるんですか?天界に行くんじゃないんですか?」
「そう出来るならとっくにやってるってのぉ~~!!!」
いきなり、肩を掴まれ、涙でぐちゃぐちゃになった顔ですがられてしまう。
「ちょっ!どうしたんだ??」
いきなりの事で訳が分からずされるがまま揺さぶられる。
「どうして!どうして!女神の私がこんなにすぐ死んじゃうダメダメ男とこんな街にこなきゃいけないの!?もう、私の人生終わった...もう!あんたがあんなことで死んじゃうのが悪いんだからね!?」
それはもう物凄い勢いで言い放つと、しくしくと泣き始めてしまった。
なんなんだ...このポンコツ女神は...。
ほかの人たちにジロジロ見られているのだから、泣き止んでもらいたいが、生憎、すぐ死んじゃうダメダメ男しかいないので、泣き止んでくれそうにない。
そもそも、俺は何か悪いことをしたのだろうか。そして、今どういう状況なのか。
「なぁ、今どういう状況なんだよ。いきなり泣かれたって困るんだよ」
そう言うとポンコツ女神は、
「この世界、ルパンから出るには、魔王ルブゥールを倒さないといけないの。しかも、誰かがじゃなくてあんたがよ。あ!ん!た!が!」
「何言ってんだ?俺が?このわけも分からずこの世界へ連れてこられた俺が?魔王を倒すだって?」
「そう!ダメダメ男のあんたがこの世界の魔王を倒さなくちゃ私は天界に帰れないの!?ほんとにもう、私の人生終わりだ...うわぁーん!」
またうずくまり泣き始めてしまったポンコツ女神。
堪忍袋の緒が切れた。もう我慢ならねぇ。
「おい、ポンコツ。よく聞けポンコツ。もう天界へ行くには、魔王を倒すしかないんだ。だから、俺は魔王を倒す手立てを探してみる。お前は、このままここでずっとここでわんわん泣いているのか?一緒に魔王を倒して天界へ帰るか。選ぶんだ」
俺の顔をみて、硬直している。
もちろん選択肢は一つしかないわけだが、このポンコツ女神は物凄く冷や汗をかいている。
しばらくすると、急に立ち上がり、涙を拭った。
「分かったわ。私だってこんなところにいたくないもの。天界へ帰るために魔王を倒しに行くわよ。それと、私はポンコツじゃないから!まあ、よろしくね、アツク」
急に馴れ馴れしいし、名前...。
「俺の名前はアクツだ」
「ふーん」
何なんだよこいつは...。まあ、気にしても仕方ないか。
魔王がいるなら、他にもモンスターとかいるんだよな...ゲームだったらギルドに行ったりするよな。。
「とりあえず、ギルドにでも行ってみるか?」
「え?ギルド?何で人間が冒険者になるための所に?早く魔王を倒しに行こうよ?」
「...。」
だめだ。この駄女神。
「おいポンコツ。武器もない2人で倒せる魔王なんてとっくに他のやつに倒されちまってるよ」
「わ、分かってる!冗談に決まってるでしょ!それと!私にはフェイって言うちゃんとした名前があるの!」
「はいはい。じゃ、フェイ、ギルドに行くぞ」
「ついてくわ」
こうして、俺の異世界生活が始まったわけだが、道のりは長く険しいものになりそうだった。
「こ、ここが...天界なのか...?」
そう言い女神?の方を向くと、なんとも言えない、この世終を見ているかのような顔で辺りを見回していた。
「あ、あの...ここが天界なんですよね...?」
そう尋ねると女神?は、首を横にふるふると振った。
もう一度辺りを見回してみると、噴水の奥には、《ギルド・クロワッサン》と書かれた大きな木造の建物。噴水の周りには、剣と盾を持ち赤いマントを羽織っている人。黒いとんがり帽子に黒いローブ姿の人。リアルすぎるドラゴンの頭のようなものを引きずっている人。
「えーっと、天界に行くんじゃなかったんですか...?」
「うるさい...」
「え?」
今、うるさいって言われたのか?
「呪文を間違えちゃったの!」
「間違える?あの短い呪文をか!?」
驚きのあまり声に出してしまった。すると下を向きガタガタ震える女神?
「ま、まあ、落ち着いて落ち着いて、今度は正しい呪文を唱えればいいだけですよね?」
女神?は、その場にしゃがんで何かを呟き始めてしまった。
「まさか、正しい呪文を思い出せないんじゃ...?」
「そうじゃないわ...」
「ならどうして、しゃがんでるんですか?天界に行くんじゃないんですか?」
「そう出来るならとっくにやってるってのぉ~~!!!」
いきなり、肩を掴まれ、涙でぐちゃぐちゃになった顔ですがられてしまう。
「ちょっ!どうしたんだ??」
いきなりの事で訳が分からずされるがまま揺さぶられる。
「どうして!どうして!女神の私がこんなにすぐ死んじゃうダメダメ男とこんな街にこなきゃいけないの!?もう、私の人生終わった...もう!あんたがあんなことで死んじゃうのが悪いんだからね!?」
それはもう物凄い勢いで言い放つと、しくしくと泣き始めてしまった。
なんなんだ...このポンコツ女神は...。
ほかの人たちにジロジロ見られているのだから、泣き止んでもらいたいが、生憎、すぐ死んじゃうダメダメ男しかいないので、泣き止んでくれそうにない。
そもそも、俺は何か悪いことをしたのだろうか。そして、今どういう状況なのか。
「なぁ、今どういう状況なんだよ。いきなり泣かれたって困るんだよ」
そう言うとポンコツ女神は、
「この世界、ルパンから出るには、魔王ルブゥールを倒さないといけないの。しかも、誰かがじゃなくてあんたがよ。あ!ん!た!が!」
「何言ってんだ?俺が?このわけも分からずこの世界へ連れてこられた俺が?魔王を倒すだって?」
「そう!ダメダメ男のあんたがこの世界の魔王を倒さなくちゃ私は天界に帰れないの!?ほんとにもう、私の人生終わりだ...うわぁーん!」
またうずくまり泣き始めてしまったポンコツ女神。
堪忍袋の緒が切れた。もう我慢ならねぇ。
「おい、ポンコツ。よく聞けポンコツ。もう天界へ行くには、魔王を倒すしかないんだ。だから、俺は魔王を倒す手立てを探してみる。お前は、このままここでずっとここでわんわん泣いているのか?一緒に魔王を倒して天界へ帰るか。選ぶんだ」
俺の顔をみて、硬直している。
もちろん選択肢は一つしかないわけだが、このポンコツ女神は物凄く冷や汗をかいている。
しばらくすると、急に立ち上がり、涙を拭った。
「分かったわ。私だってこんなところにいたくないもの。天界へ帰るために魔王を倒しに行くわよ。それと、私はポンコツじゃないから!まあ、よろしくね、アツク」
急に馴れ馴れしいし、名前...。
「俺の名前はアクツだ」
「ふーん」
何なんだよこいつは...。まあ、気にしても仕方ないか。
魔王がいるなら、他にもモンスターとかいるんだよな...ゲームだったらギルドに行ったりするよな。。
「とりあえず、ギルドにでも行ってみるか?」
「え?ギルド?何で人間が冒険者になるための所に?早く魔王を倒しに行こうよ?」
「...。」
だめだ。この駄女神。
「おいポンコツ。武器もない2人で倒せる魔王なんてとっくに他のやつに倒されちまってるよ」
「わ、分かってる!冗談に決まってるでしょ!それと!私にはフェイって言うちゃんとした名前があるの!」
「はいはい。じゃ、フェイ、ギルドに行くぞ」
「ついてくわ」
こうして、俺の異世界生活が始まったわけだが、道のりは長く険しいものになりそうだった。
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