国家存亡の危機

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官邸の混乱

治安出動

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午前6時 総理執務室
「総理。国民の不安が高まっております。一度会見開いてはいかがでしょうか。
「分かった…原稿を用意してくれ。」

官邸一階記者会見室

「えー今日深夜ごろ新型伝染病と思われるものが発生致しました。3時頃群馬県知事から自衛隊への災害派遣を要請されました。
これに伴い、官邸連絡室を設置し、非常事態宣言の布告を命じ国民の皆様の安全を確保し、これ以上の感染拡大を防ぐべく………以下省略」

午前6時40分 群馬県庁
田中県知事 「感染拡大が止まらないじゃないかい。どうなってんだ!
隔離しても、独りでに歩きはじめ終いには医師やなんやらに噛みつく?
そしてその医師も同じ症状が出る。訳が分からん。」
副知事 「最もです。後は自衛隊に任せる他ありません。
でっ少々問題が発生しまして…避難誘導中の警察官が感染者に襲われて、
他の警官がやむを得ず、発砲するという事案が複数発生しております。」
「これは人権団体が黙っていないな…公安委員会に連絡。この事案の口封じを頼むと言ってくれ。」
「ハッ」

午前8時 総理執務室
「総理。県民の県外脱出が相次いでいます。
そのなかに感染者が紛れておれば、他県への感染拡大が懸念されます。
しかも首都圏です。経済にも莫大な損失が予想されます。
自衛隊による群馬県の封鎖を提案します。非常事態宣言は継続中です。
国会の承認を事務に回し、短時間での感染拡大を防げます。」
「しかしなぁ…封鎖のなかでも、脱出しようとする国民はどうする?」
「それは県内の警察は避難活動でてい一杯。
自衛隊に警察官職務執行法を準用し」
「まてまて!それは治安出動をすれというのか。警視庁からの応援は可能だろ。」
「いえ。あくまで、警視庁は首都である東京が管轄。他県への活動は現場の混乱を招くだけかと。」
「防衛大臣の見解は?」
「はい。県内の急速な治安回復には、自衛隊が必要不可欠。自衛隊は市街地でも総理のご指示があれば徹底的にやります。」
法務大臣「総理。日米安保を適用して、米軍に肩代わりしてもらうのはいかがでしょうか?」
外務大臣「まずは、この国がやらんといかんだろう。
それでは日本政府は弱腰だと国際社会の糾弾を受けかねない。」
経産相「こう議論してるうちにも、経済的損害が膨らんでいます。
私も治安出動には賛成です。」
総理「じゃあ反対はいないんだな。…」
「おはようございます。ニュースアイランドの時間です。速報です。
先程政府は自衛隊に戦後初の治安出動を命じ、警察官職務執行法を適用、
群馬県の封鎖を命じました。それでは岡官房長官の会見を様子をどうぞ」
「先程総理大臣の署名を頂き、誠に遺憾ながら本日午前9時を持ちまして
県外へ続く…」

第一章 完
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