【完結】◆胡蝶の夢◆

凍星

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告解の章

◆桐原忍②

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知らないうちに。
憎しみに近い感情を、抱いていたのだろうか――……


僕の魂を惹きつけてやまない、飢えも渇きも知らない無垢な心が。
僕を癒し、そして。
同時に傷つける。
余りにも自分と違い過ぎると、思い知らされて。

強すぎる憧れと羨望が。
僕を苦しめた。

彼を愛しいと思いながら、次第に――
僕は。
暗い感情に身を焦がすようになっていたのだろう。


相反する感情を抱えたまま、一番近くで、彼の笑顔や、声や、仕種を見詰め続けていくうちに、心の闇を大きく育てる事になっていく……




――そしてある時、夢を見た。

彼を組み敷いて、女のように犯す夢を。
泣いて嫌がる彼を散々好きにした。

その事に、夢の中の僕は興奮し、愉悦を覚え、快楽を感じていた……




――目覚めた時。

全ての終わりを悟った。

僕は、彼の友でいる資格を喪ったのだ。

永久に――




神が、もし此の世にいるというなら。
本当にいるなら残酷だ。
こんな惨めな境遇の僕に、決して手に入らないモノへの渇望を、更に与えるなんて。



――嗚呼。どうして、僕は。

千種を望んでしまったのだろう。

他人に期待など何もせずに、唯生き延びる事だけを考えて生きてきたのに……

このまま傍にいれば、
僕は正気を保てなくなるに違いない。
君を穢したいと思う、そんな獣が自分の中にいると気付いてしまったから。

それならいっそ。
二度と会わないと思いたくなるような、そんな訣別を。
離れざるを得なくなる状況を作ればいいと――

……気付けば華夜の心を奪うために。
微笑んでいた。

君の大切なものを奪って。
君から拒絶される道を。

僕は選んだのだ。






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