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親切なおっさん(26)
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しかし俺の予想に反して、この大男は困ったようにポリポリとスキンヘッドを掻く。
「あー……オレの顔、そんなに怖ぇか?」
うん。少なくとも前世の日本なら、男女間で問題が発生したら問答無用で交番に連れて行かれるくらいには。
「顔で人柄を判断するつもりは無いが……義妹に害を為すつもりなら消えてもらおう。もちろん、この世からな」
「おいおいおい、おっかねぇこと言う兄ちゃんだな。別にちびっ子に手ぇ出すほど落ちぶれちゃいねぇよ」
大男は、両手を上げて「害はしない」をアピールする。
シャルを「ちびっ子」か。まぁ否定はすまい、シャルは小柄だしかなり細身だからなぁ。
「ただ、お嬢ちゃんに武器を持たせるなら、もっと扱いやすい武器にしたらどうだって言いたかったんだよ」
ふむ。
どうやらこのおっさん、仕事柄なのか少々ガラは悪そうだが、根はそれほどの悪人では無さそうだ。
「それはすまない。近頃は年端もいかない少女の扱いがなっていない人間が多すぎてな」
主に身内とか身内とか身内とかのせいでな。
「おぅ、こっちこそいきなり声かけたりして悪かったな」
わりぃわりぃ、と苦笑するおっさん。
「わりぃついでに、お嬢ちゃんでも使えそうな武器、ちょっくら見繕ってやるよ。ちと待ってな」
そう言うと、おっさんは比較的小柄な武器が並んでいる棚を探り始めた。
シャルは不安そうに俺を見上げている。
「大丈夫だ。あのおっさん、悪人では無いさ」
「おぉい聞こえてんぞ!誰がおっさんだ!オレぁまだ26だぞ!」
あら、意外と若い。
全く、とぼやきながらもおっさんは真面目に武器を見繕ってくれている。
なんだ、この人普通に親切だな。
すると、おっさんは手にしていた武器を持って来た。
「ほれ、こいつはどうだ」
おっさんが持ってきたのは、かなり細身の剣だ。
……ってか、ほんとに細い剣だな。鞘の時点でおっさんの小指ぐらいの厚みしか無いぞ。
「こいつはレイピアと言ってな。ちと刀身は細いが、斬れ味は悪くねぇ。ついでに軽いから、お嬢ちゃんでも振るえるはずだ」
ほぅ、レイピアか。
刺突に特化した細身の剣って言うのは前世のRPGで知っているが、普通に斬り裂くことも出来るのな。
俺はシャルに目配せしてやる。ちゃんとお礼を言って受け取りなさいと。
やはり不安そうながらこくこくと頷くと、シャルは恐る恐るおっさんの前に立つ。
「あ、あの……あ、あり、がとう、ございます……」
「おう、どういたしましてだ」
手を震わせながらも、シャルはおっさんからレイピアを受け取る。
シャルがレイピアを手に取るのを確かめてから、「じゃぁな」とおっさんはギルドストアを後にしていく。
「……ほふぅ」
おっさんが退店するのを見て、シャルはレイピアを胸に安堵に息をつく。
「どうだ、シャル」
「あ、は、はい」
俺に促されて、シャルはレイピアを鞘から抜いてみると、シュリンッ、と言うの鞘と刃が擦れる音が鳴る。
レイピアを持ったまま、軽く腕を動かしてみて、
「これにします」
と頷いた。
ザックとレイピア、合わせるとちょいと高い買い物になったが、これもシャルのためだ。
「あー……オレの顔、そんなに怖ぇか?」
うん。少なくとも前世の日本なら、男女間で問題が発生したら問答無用で交番に連れて行かれるくらいには。
「顔で人柄を判断するつもりは無いが……義妹に害を為すつもりなら消えてもらおう。もちろん、この世からな」
「おいおいおい、おっかねぇこと言う兄ちゃんだな。別にちびっ子に手ぇ出すほど落ちぶれちゃいねぇよ」
大男は、両手を上げて「害はしない」をアピールする。
シャルを「ちびっ子」か。まぁ否定はすまい、シャルは小柄だしかなり細身だからなぁ。
「ただ、お嬢ちゃんに武器を持たせるなら、もっと扱いやすい武器にしたらどうだって言いたかったんだよ」
ふむ。
どうやらこのおっさん、仕事柄なのか少々ガラは悪そうだが、根はそれほどの悪人では無さそうだ。
「それはすまない。近頃は年端もいかない少女の扱いがなっていない人間が多すぎてな」
主に身内とか身内とか身内とかのせいでな。
「おぅ、こっちこそいきなり声かけたりして悪かったな」
わりぃわりぃ、と苦笑するおっさん。
「わりぃついでに、お嬢ちゃんでも使えそうな武器、ちょっくら見繕ってやるよ。ちと待ってな」
そう言うと、おっさんは比較的小柄な武器が並んでいる棚を探り始めた。
シャルは不安そうに俺を見上げている。
「大丈夫だ。あのおっさん、悪人では無いさ」
「おぉい聞こえてんぞ!誰がおっさんだ!オレぁまだ26だぞ!」
あら、意外と若い。
全く、とぼやきながらもおっさんは真面目に武器を見繕ってくれている。
なんだ、この人普通に親切だな。
すると、おっさんは手にしていた武器を持って来た。
「ほれ、こいつはどうだ」
おっさんが持ってきたのは、かなり細身の剣だ。
……ってか、ほんとに細い剣だな。鞘の時点でおっさんの小指ぐらいの厚みしか無いぞ。
「こいつはレイピアと言ってな。ちと刀身は細いが、斬れ味は悪くねぇ。ついでに軽いから、お嬢ちゃんでも振るえるはずだ」
ほぅ、レイピアか。
刺突に特化した細身の剣って言うのは前世のRPGで知っているが、普通に斬り裂くことも出来るのな。
俺はシャルに目配せしてやる。ちゃんとお礼を言って受け取りなさいと。
やはり不安そうながらこくこくと頷くと、シャルは恐る恐るおっさんの前に立つ。
「あ、あの……あ、あり、がとう、ございます……」
「おう、どういたしましてだ」
手を震わせながらも、シャルはおっさんからレイピアを受け取る。
シャルがレイピアを手に取るのを確かめてから、「じゃぁな」とおっさんはギルドストアを後にしていく。
「……ほふぅ」
おっさんが退店するのを見て、シャルはレイピアを胸に安堵に息をつく。
「どうだ、シャル」
「あ、は、はい」
俺に促されて、シャルはレイピアを鞘から抜いてみると、シュリンッ、と言うの鞘と刃が擦れる音が鳴る。
レイピアを持ったまま、軽く腕を動かしてみて、
「これにします」
と頷いた。
ザックとレイピア、合わせるとちょいと高い買い物になったが、これもシャルのためだ。
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