【完結】可愛い義妹のためならば 〜超絶シスコン兄貴の異世界無双〜

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

文字の大きさ
25 / 76

剣の練習

しおりを挟む
 さて、買い物もあらかた済んだわけだが、時間帯はまだ昼前辺りだ。
 お昼時になって混みだすよりは、今の内に昼食を摂っておきたいところだな。
 商業区のバザーでサンドイッチをいくつか購入し、座っても邪魔にならない場所でシャルと一緒に昼食だ。

「お兄様、この後はどうするのですか?」

「買うべきものは買い終えたし、買い忘れもない。明日の朝にここを発つつもりだから、あとはもうやるべきことは無いな」

 昨日の朝から今まで、プチ野宿での仮眠を除けばほとんど寝てない俺としては、あとは夕食時までぐーすかぴーと昼寝をしたいと言うのが個人的な希望だ。

「シャルはどうだ?何か買いたいものや、やりたいことは無いか?」

 とは言え、シャルの意見も聞いておきたい。
 ただ俺の言うことを鵜呑みにするだけでなく、自分の言いたいことも言ってほしい。

「あ、それなら……お兄様がお疲れでなければ、剣の練習がしたいです」

 剣の練習か。
 せっかく買ってもらったレイピアを早く手に馴染ませたい気持ちだろう。

「町の中で剣を振り回したら危ないですし、どこかで武器を振ってもいい場所ってあるでしょうか?」

「冒険者のためのそう言う場所もありそうなものだが……」

 案内図を見てみる。
 冒険者ギルドの出張機関を兼ねた酒場の近くに、小さな牧場のような場所はあるようだ。
 このサンドイッチを食べ終えたら、早速行ってみるか。



 食後に一度宿屋に戻って荷物を下ろし、俺は自分のロングソードを担いで、目的の場所へ足を運ぶ。
 空き地を簡素な柵で囲っただけで、特に整備もされていないのか、雑草が生え放題になっている。
 長らくここに誰も来ていないのが見て取れる。
 まぁここなら、剣を振り回して運動するくらいで咎められたりしないだろう。

「んじゃ、お互い好きに鍛錬すると言うことで」

 俺がそう言うと、シャルは意外そうな顔をした。

「お兄様がご指導するわけでは無いんですか?」

 あぁ、俺から手解きを受けると思っていたのか。
 すまない義妹よ、それは出来ないことなんだ。

「シャル。ハッキリ言わせてもらうが、俺の剣術は完全な我流。謂わば、型知らずの域を出ないチャンバラだ」

 俺のやり方だけに問題があるわけじゃない、別の要因もある。

「それに、俺の武器はロングソードだが、シャルの武器はレイピア。武器の特性からまるで異なるんだ。俺にはレイピアを用いた剣術を、それも他人に教えられるほどの腕はない」

「そ、そうでしたか……」

 しょんぼりしてしまうシャル。
 すまんな、自分の命に直結するのにいい加減なことを教えるわけにはいかんのだよ。

「さぁ、誰も教えてくれないなら、自分で頑張るしか無いぞ」

 そう言うと俺はシャルから離れてから、ロングソードを抜いて素振りを始める。
 この二週間で、それなりに振れるようにはなったが、実戦経験は無い。
 ただその場で剣を振るうだけではなく、軸足を入れ替えて踏み込んだり、時には武器を盾にするように寝かせて構える。

 すると、俺が素振りを始めたのを見て、シャルも見様見真似でレイピアの素振りを始める。

「ていっ、えいっ、ふんっ」

 弧を描くような大振りな素振りで、しかも振り回す度に足がふらついている。
 ……少なくとも、レイピアの使い方じゃないな。
 まぁ、普通の斬撃にも使えるらしいし、シャルの好きにさせておこう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

異世界に無一文投下!?鑑定士ナギの至福拠点作り

花垣 雷
ファンタジー
「何もないなら、創ればいい。等価交換(ルール)は俺が書き換える!」 一文無しで異世界へ放り出された日本人・ナギ。 彼が持つ唯一の武器は、万物を解析し組み替える【鑑定】と【等価交換】のスキルだった。 ナギは行き倒れ寸前で出会った、最強の女騎士エリスと出会う。現代知識とチート能力を駆使して愛する家族と仲間たちのために「至福の居場所」を築き上げる、異世界拠点ファンタジーストーリー!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

処理中です...