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マギアアームド・ファンタジア
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待ちに待った土曜日の午後。
徹矢と菜々花の二人は、近所のゲームセンターで待ち合わせている。
「MAFってすごくお高いって思ってたけど、あれって家庭用据置機だから高いんだね?」
「うん。俺達学生に手が出せる代物じゃないから、少し手間でもゲーセンとかからログインした方が安く済むし」
菜々花が訊ね、徹矢がそう答えたように、MAFはニ種類のログイン方法があり、ひとつは家庭用の据置機から。こちらはなかなかに高額なため、学生向けではない。
もうひとつは、全国各地のゲームセンターの一角に設置されているMAF専用の筐体から。徹矢と菜々花は後者だ。
ユーザー登録料は数百円程度で、課金機能もあるが、課金せずとも十分に楽しめるように配慮がなされている。
ゲームセンターに入り、従業員にMAFの使用許可と、荷物を預けるロッカーキーを受け取る。
ロッカーに私物を預けて、スマートフォンだけを手に持って、二人は筐体のシートに腰掛ける。
スマートフォンを筐体の内部に設置すると、盗難防止のためにシャッターが閉じられる。
同時にダウンロードされたアプリのバナパスポートが読み込まれ、ユーザー認証が行われる。
「じゃぁ水城さん、スタート地点で待ってるから」
「うん、また後でね」
徹矢と菜々花は互いを見やってから、備え付けのヘッドギアを装着する。
スタートボタンを押し込むと、視界が没入していき――
――Now Loading――
ログイン完了。
徹矢――プレイヤーネーム『アロウ』は、様々な格好をした人々が行き交う、自然の中で造られた街らしきエリアに到達する。
最初の初期設定で、とりあえず比較的自分に近い体格と容姿に、白を基調とした近代的な学生服のようなコスチュームを選択したアロウは、キョロキョロと周りを見回してみる。
数秒の間を置いて、アロウのすぐ隣にデータテクスチャが集束し、人間の形になる。
アロウのコスチュームの女性版というべき学生服を身に着けた、菜々花――プレイヤーネーム『カノラ』だ。
「えーと、カノラさん、でいいかな?」
「……えっ?あっ、ログイン出来た?えぇとえと、織原く……じゃなくて、アロウくん、だね」
ログイン完了に気付いたカノラは、我に返る。
ここは現実世界ではなく、電子の仮想空間……基、MAFの世界なので、リアルネームで呼ぶのは基本的にNG。
設定されたプレイヤーネームで呼び合うのがマナーだ。
「うん。俺は自分の名前に"矢"があるから、そのままArrow。カノラさんは……カノラって?」
「ほら、わたしは菜の花だから。キャノーラ油ってあるでしょ?」
「あぁ、キャノーラを捩って、"カノラ"なのか」
なるほどな、とアロウは納得げに頷く。
プレイヤーネームの由来を確認しあったところで、プレイ開始だ。
「最初は何をしたらいいのかな?」
「こう言うのは、チュートリアルとかがあるはずだけど……」
確か、とアロウはその場で人差し指を押すような動作を行うと、手元に電子のコンソール画面が開かれる。
『MAFへようこそ!まずはチュートリアルをこなしてみましょう!』
と言う表示がポップアップされる。
ひとまずはこれに従って動くようだ。
徹矢と菜々花の二人は、近所のゲームセンターで待ち合わせている。
「MAFってすごくお高いって思ってたけど、あれって家庭用据置機だから高いんだね?」
「うん。俺達学生に手が出せる代物じゃないから、少し手間でもゲーセンとかからログインした方が安く済むし」
菜々花が訊ね、徹矢がそう答えたように、MAFはニ種類のログイン方法があり、ひとつは家庭用の据置機から。こちらはなかなかに高額なため、学生向けではない。
もうひとつは、全国各地のゲームセンターの一角に設置されているMAF専用の筐体から。徹矢と菜々花は後者だ。
ユーザー登録料は数百円程度で、課金機能もあるが、課金せずとも十分に楽しめるように配慮がなされている。
ゲームセンターに入り、従業員にMAFの使用許可と、荷物を預けるロッカーキーを受け取る。
ロッカーに私物を預けて、スマートフォンだけを手に持って、二人は筐体のシートに腰掛ける。
スマートフォンを筐体の内部に設置すると、盗難防止のためにシャッターが閉じられる。
同時にダウンロードされたアプリのバナパスポートが読み込まれ、ユーザー認証が行われる。
「じゃぁ水城さん、スタート地点で待ってるから」
「うん、また後でね」
徹矢と菜々花は互いを見やってから、備え付けのヘッドギアを装着する。
スタートボタンを押し込むと、視界が没入していき――
――Now Loading――
ログイン完了。
徹矢――プレイヤーネーム『アロウ』は、様々な格好をした人々が行き交う、自然の中で造られた街らしきエリアに到達する。
最初の初期設定で、とりあえず比較的自分に近い体格と容姿に、白を基調とした近代的な学生服のようなコスチュームを選択したアロウは、キョロキョロと周りを見回してみる。
数秒の間を置いて、アロウのすぐ隣にデータテクスチャが集束し、人間の形になる。
アロウのコスチュームの女性版というべき学生服を身に着けた、菜々花――プレイヤーネーム『カノラ』だ。
「えーと、カノラさん、でいいかな?」
「……えっ?あっ、ログイン出来た?えぇとえと、織原く……じゃなくて、アロウくん、だね」
ログイン完了に気付いたカノラは、我に返る。
ここは現実世界ではなく、電子の仮想空間……基、MAFの世界なので、リアルネームで呼ぶのは基本的にNG。
設定されたプレイヤーネームで呼び合うのがマナーだ。
「うん。俺は自分の名前に"矢"があるから、そのままArrow。カノラさんは……カノラって?」
「ほら、わたしは菜の花だから。キャノーラ油ってあるでしょ?」
「あぁ、キャノーラを捩って、"カノラ"なのか」
なるほどな、とアロウは納得げに頷く。
プレイヤーネームの由来を確認しあったところで、プレイ開始だ。
「最初は何をしたらいいのかな?」
「こう言うのは、チュートリアルとかがあるはずだけど……」
確か、とアロウはその場で人差し指を押すような動作を行うと、手元に電子のコンソール画面が開かれる。
『MAFへようこそ!まずはチュートリアルをこなしてみましょう!』
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ひとまずはこれに従って動くようだ。
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