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謎の少女
42話 敗北と撤退と
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アロウが果敢に接近戦を仕掛け、カノラが援護射撃、二人の隙をカバーするルナ。
三位一体と言える連携を前にしても、ボーンナイトは全く引けを取らない。
戦闘開始から十分ほどが経過しても、ボーンナイトが弱る気配はない。
それどころか、アロウ達の消耗の方が顕著に出ていた。
「(ダメだ、ダメージが与えられない……)」
三人の攻撃は、いずれも回避か防御で凌がれており、直撃は全く与えられていない。
このまま戦闘を続けていても、根負けするのは自分達の方だとアロウは痛感している。
それが無意識の内に攻撃の手を緩め――ボーンナイトがここぞとばかり反撃を仕掛けてきた。
カノラからの銃撃を素早く躱し、瞬時にアロウとの距離を詰めに来る。
激しい連撃を前に、アロウは必死に食い下がろうとするものの、
エナジーライフルが破壊され、
アイアンシールドが叩き斬られ、
ラプターサーベルが弾き飛ばされ、
「……!」
攻撃手段を失った、とアロウが認識するよりも前に、ボーンナイトはサーベルを袈裟懸けに振り下ろし――
「「アロウさん (くん)っ!?」」
左肩から右の腰に掛けて引き裂かれるような感覚を覚えた時、アロウの視界はブラックアウトした。
【力尽きました】
あなたのライフがゼロになりました。
報酬金の1/3が減額された上で、拠点までリスポーンされます。
一度力尽きるごとに報酬金が1/3減らされ、三回力尽きると報酬金がゼロになり、クエスト失敗と見なされて強制帰還されます。
力尽きることのないよう、注意してクエストを進めましょう。
※クエスト中に入手したアイテムは持ち帰ることが出来ます。
「ん……あれ?ここは……拠点?」
次にアロウの視界が開けた時に視えたのは、岩盤の天井と、その隙間から見える青空。
起き上がって辺りを見回して、
「あぁそうか、あいつにやられたのか……」
攻撃の手を緩めてしまったその隙を突かれ、ボーンナイトの一撃を喰らったのだ。
その時に、武装は全て破壊され、あるいは無くしてしまったと思ったが、アイテムボックスに戻されていた。
リスポーンされた時に、武装の不足や破損は一旦リセットされるようだ。
「(ルナさんとカノラさんは、どうしたんだ……?)」
ボーンナイトに倒されてしまったならリスポーンされるはずで、けれど残る二人もやられてしまったら報酬金がゼロになってクエスト失敗になる。
まだそうなっていないということは、二人とも戦闘を継続しているのか、撤退を選択したか。
ふと、アロウのコンソールが反応し、通信が届いていることを報せてきた。
ルナからのものだと見て、アロウはすぐに通話に応じると、画面にルナの気遣わしげな顔が映った。
「はい、もしもし?」
『アロウさん、大丈夫ですか?』
「俺は大丈夫、拠点にリスポーンされたよ。……それよりごめん、やられた」
『いえ、それはいいんです。クエスト失敗になったわけではありませんから』
「悪い。……えぇと、それで、今どこにいるんだ?」
『アロウさんが倒された時点で、すぐに撤退しました。獣耳の人も連れて、今は遺跡の入口近くにいます。私達も一度拠点に戻るので、少し待っていてください』
「分かった」
『はい、またあとで』
通話を終えて、コンソールがクエスト中のトップ画面にバックした。
「……無謀なこと、したな」
あとでカノラにも謝らなければ、とアロウは拠点の中で二人 (ともう一人)を待つことにした。
三位一体と言える連携を前にしても、ボーンナイトは全く引けを取らない。
戦闘開始から十分ほどが経過しても、ボーンナイトが弱る気配はない。
それどころか、アロウ達の消耗の方が顕著に出ていた。
「(ダメだ、ダメージが与えられない……)」
三人の攻撃は、いずれも回避か防御で凌がれており、直撃は全く与えられていない。
このまま戦闘を続けていても、根負けするのは自分達の方だとアロウは痛感している。
それが無意識の内に攻撃の手を緩め――ボーンナイトがここぞとばかり反撃を仕掛けてきた。
カノラからの銃撃を素早く躱し、瞬時にアロウとの距離を詰めに来る。
激しい連撃を前に、アロウは必死に食い下がろうとするものの、
エナジーライフルが破壊され、
アイアンシールドが叩き斬られ、
ラプターサーベルが弾き飛ばされ、
「……!」
攻撃手段を失った、とアロウが認識するよりも前に、ボーンナイトはサーベルを袈裟懸けに振り下ろし――
「「アロウさん (くん)っ!?」」
左肩から右の腰に掛けて引き裂かれるような感覚を覚えた時、アロウの視界はブラックアウトした。
【力尽きました】
あなたのライフがゼロになりました。
報酬金の1/3が減額された上で、拠点までリスポーンされます。
一度力尽きるごとに報酬金が1/3減らされ、三回力尽きると報酬金がゼロになり、クエスト失敗と見なされて強制帰還されます。
力尽きることのないよう、注意してクエストを進めましょう。
※クエスト中に入手したアイテムは持ち帰ることが出来ます。
「ん……あれ?ここは……拠点?」
次にアロウの視界が開けた時に視えたのは、岩盤の天井と、その隙間から見える青空。
起き上がって辺りを見回して、
「あぁそうか、あいつにやられたのか……」
攻撃の手を緩めてしまったその隙を突かれ、ボーンナイトの一撃を喰らったのだ。
その時に、武装は全て破壊され、あるいは無くしてしまったと思ったが、アイテムボックスに戻されていた。
リスポーンされた時に、武装の不足や破損は一旦リセットされるようだ。
「(ルナさんとカノラさんは、どうしたんだ……?)」
ボーンナイトに倒されてしまったならリスポーンされるはずで、けれど残る二人もやられてしまったら報酬金がゼロになってクエスト失敗になる。
まだそうなっていないということは、二人とも戦闘を継続しているのか、撤退を選択したか。
ふと、アロウのコンソールが反応し、通信が届いていることを報せてきた。
ルナからのものだと見て、アロウはすぐに通話に応じると、画面にルナの気遣わしげな顔が映った。
「はい、もしもし?」
『アロウさん、大丈夫ですか?』
「俺は大丈夫、拠点にリスポーンされたよ。……それよりごめん、やられた」
『いえ、それはいいんです。クエスト失敗になったわけではありませんから』
「悪い。……えぇと、それで、今どこにいるんだ?」
『アロウさんが倒された時点で、すぐに撤退しました。獣耳の人も連れて、今は遺跡の入口近くにいます。私達も一度拠点に戻るので、少し待っていてください』
「分かった」
『はい、またあとで』
通話を終えて、コンソールがクエスト中のトップ画面にバックした。
「……無謀なこと、したな」
あとでカノラにも謝らなければ、とアロウは拠点の中で二人 (ともう一人)を待つことにした。
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