【完結】マギアアームド・ファンタジア

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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謎の少女

57話 憤怒の反撃

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 ベヒーモスの巨体に、象牙の先というピンポイントが、重厚な石壁に激突したとなれば。

 ズドゴァンッ!!という轟音と共に石壁が粉砕され、そしてベヒーモスの一対の象牙もまた半ばからへし折れた。

 人間で言うところの永久歯を折られたのだ、ベヒーモスは苦しげな咆哮を上げてのたうち回る。
 それは、アロウ達にとってまたとないチャンスだ。

「今だ!!」

 一番近い位置にいるアロウは一斉攻撃を号令し、倒れもがき苦しむベヒーモスの頭部に回り込む。

 アロウの閃いた"それ"とは、敢えてベヒーモスを挑発して注意を向けさせ、突進してきたところを躱して壁に激突させる、という作戦。
 例え象牙を折るには至らずとも、ダメージを与えて怯ませるくらいの効果を期待していたのだが、思いの外大きなチャンスになったようだ。

「総攻撃です!」

「わ、わたしも……!」

 ルナとカノラはアロウを巻き込まない位置から、それぞれエナジーライフルとライトサブマシンガンでベヒーモスの頭部を撃ち続け、

「よくやったぞ、アロウ!」

「突撃ぃー!!」

 フェルテとメイプルも、各々が攻撃していた部位へさらに追撃をかける。

 縦横無尽に振るわれるラプターサーベルの切っ先が、ベヒーモスの顔や鼻を次々に斬り裂いていく。

 けれど、ベヒーモスとてこのまま倒されるのを待つだけではない、もがきながらもどうにか立ち上がる。

「(今ので決めたかったけど、そう上手くはいかないか!)」

 さすがにボーンナイト以上のボスだ、僅か数秒の一斉攻撃を受けたくらいでは倒せない。
 すると、立ち上がったベヒーモスは鼻息を荒くしながら、地団駄を踏むように前脚を打ち付ける。
 壁にぶつけられた挙げ句好き放題やられたせいか、明らかに興奮状態だ。
 その矛先を真っ先にアロウに向けると、飛びかかりながら前脚で叩き付けようと迫る。

「うわっ……!」

 咄嗟に身を投げ出すように回避するアロウ。
 寸前、彼のすぐ後ろにベヒーモスが前脚を叩き込み、クレーターのように穿たれた。

 ベヒーモスはすぐに前脚を引き抜いて振り向くと、もう一度アロウに飛びかかる。
 アロウはこれもスラスターを使って強引に回避し、間一髪でベヒーモスの一撃を躱す。

「怒っているのか……?」

 先程のような煩わしげなものではない、明確に排除しようとする敵意。
 大きなダメージを与えることは出来たが、代わりにベヒーモスを怒らせてしまったようだ。

 大暴れに暴れ回っているベヒーモスに、フェルテとメイプルは近付けないでいる。

「えぇぃっ、これでは手の出しようがない……!」

 フェルテは攻撃を仕掛けられないことに歯噛みする。

「もうそろそろ弱ってもいいと思うんだけど……!」

 メイプルも攻めあぐねる。
 Eランクで相手に出来るボスに五人がかりで攻撃しているにも関わらず、あまりにもタフだ。
 ベヒーモスは執拗にアロウを狙い、前脚を叩き付けたり、大岩を放り投げている。
 アロウも回避に専念しているからこそダメージを受けていないが、それもいつまで保つか。

「(こういう時こそ反撃して弱らせないといけない)」

 強化状態になっている時にダメージを与えれば、強化状態を解除し、なおかつ攻撃チャンスも出来る、というのがハンティングゲームのセオリーだが、今のベヒーモスに迂闊に仕掛ければ大ダメージでは済まないだろう。

 スラスターも酷使しているせいで、オーバーヒートを起こすギリギリだ。
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