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謎の少女
56話 アロウの策
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受けたダメージを回復するため、アロウは一度ベヒーモスから距離を取って、回復ポーションを一息に呷る。
鈍痛が弱まるのを錯覚しつつ、アロウはエナジーライフルを構え直す。
「(頭や鼻を狙おうと思ったら、あの牙が邪魔になる……)」
あれだけ巨大な牙だ、何かの気まぐれでぶつかっただけでも馬鹿にならないダメージを受けかねない。
であればその象牙を破壊したいところだが、どれだけのダメージを与えれば破壊できるのか、また、破壊するまでにどれほどの時間と消耗が必要になるか。
フェルテとメイプルが懐に潜り込みながらも攻撃を続けているが、後ろ脚や胴体への攻撃は、有効打には繋がらないだろう。
やはり、狙うならば頭部や鼻、衝撃に弱い部分に攻撃を与えたい。
「アロウくん、大丈夫?」
一旦ホバリングを停止して降りてきたのか、カノラが心配そうに声をかけてくる。
「俺は大丈夫。でも、いつまで大丈夫って言えるか……」
怯みのひとつでもしてくれれば、「ダメージを与えられている」という認識が出来るのだが、全く怯まないのでは、「本当にダメージを与えられているのか?」と疑念を抱いてしまう。
「あの牙、すっごい痛そうだよね。本気でぶつかったら、この遺跡が崩れちゃいそう……」
カノラは本気で言っているのか、しかしMAF内とはいえ、遺跡が崩れて生き埋めになってクエスト失敗、なんてことも有り得なくはないかもしれない。
しかし。
アロウはカノラのその言葉を聞いて、
「…………それだ!」
何かを閃いた。
「えっ、それ?どれ?」
アロウが何を指して「それだ」と言ったのか分からず、カノラは辺りを見回している。
「よしっ、もう一度仕掛ける!」
スラスターで加速し、ベヒーモスに食い下がっている三人の援護へ戻るアロウ。
彼が何を閃いたのかはカノラには分からなかったが、とにかくアロウを信じることにして、再びハードストライクやガードハーデンを各々に重ねがけていく。
フェルテが宝剣で斬り付け、メイプルがラプタスクロウズで斬り刻み、ルナがエナジーライフルで射撃するものの、やはりベヒーモスは怯まない。
「クッ……今の我の力では、及ばぬと言うのか……!」
呼吸を荒くするフェルテは、一向に弱る素振りを見せないベヒーモスに、自分がまだ力不足であることを痛感する。
ベヒーモスは右前脚を床に打ち付け、地面を抉るように薙ぎ払う。
疲労によって反応が遅れたフェルテは宝盾で身を守るが、ベヒーモスの膂力は彼女のそれとは比較にならず、簡単に弾き飛ばし、フェルテは背中から壁に叩き付けられる。
「ぐはっ……!」
後頭部の衝撃が、フェルテの意識を眩ませる。
ベヒーモスはフェルテが弱っていると見てか、抉り出した床から大岩を掴み、それを投げ付けようとして――
「させるか!」
そこへアロウがエナジーライフルを撃ちまくり、気を引かせる。
ベヒーモスは彼の攻撃に反応し、フェルテに投げ付けようとした大岩をアロウに向ける。
「アロウさんっ!」
「大丈夫だ、避けられる!」
ルナの注意喚起を聞き流して、アロウはスラスターを使ったジャンプで大岩を躱し、さらにエナジーライフルをベヒーモスの頭部へ放つ。
ベヒーモスは忌々しげに唸ると前傾姿勢になり、ドスドスと地鳴りを上げて突進する。
「そうだっ、こっちだ!」
間近で見れば凄まじい迫力のベヒーモスの突進に足が竦みそうになるが、アロウはベヒーモスの"軸"に合わせたままバックホバーする。
「アロウ!何やってんの!?」
メイプルは、挑発するような行動を見せるアロウに怒鳴る。
後ろに下がれば当然壁際に追い詰められる……が、
「い、ま、だ!!」
ベヒーモスの象牙と壁に自分が挟み潰される寸前、アロウは大きく横っ飛びで躱す。
間一髪回避に成功し――同時に遺跡の壁にベヒーモスが激突した。
鈍痛が弱まるのを錯覚しつつ、アロウはエナジーライフルを構え直す。
「(頭や鼻を狙おうと思ったら、あの牙が邪魔になる……)」
あれだけ巨大な牙だ、何かの気まぐれでぶつかっただけでも馬鹿にならないダメージを受けかねない。
であればその象牙を破壊したいところだが、どれだけのダメージを与えれば破壊できるのか、また、破壊するまでにどれほどの時間と消耗が必要になるか。
フェルテとメイプルが懐に潜り込みながらも攻撃を続けているが、後ろ脚や胴体への攻撃は、有効打には繋がらないだろう。
やはり、狙うならば頭部や鼻、衝撃に弱い部分に攻撃を与えたい。
「アロウくん、大丈夫?」
一旦ホバリングを停止して降りてきたのか、カノラが心配そうに声をかけてくる。
「俺は大丈夫。でも、いつまで大丈夫って言えるか……」
怯みのひとつでもしてくれれば、「ダメージを与えられている」という認識が出来るのだが、全く怯まないのでは、「本当にダメージを与えられているのか?」と疑念を抱いてしまう。
「あの牙、すっごい痛そうだよね。本気でぶつかったら、この遺跡が崩れちゃいそう……」
カノラは本気で言っているのか、しかしMAF内とはいえ、遺跡が崩れて生き埋めになってクエスト失敗、なんてことも有り得なくはないかもしれない。
しかし。
アロウはカノラのその言葉を聞いて、
「…………それだ!」
何かを閃いた。
「えっ、それ?どれ?」
アロウが何を指して「それだ」と言ったのか分からず、カノラは辺りを見回している。
「よしっ、もう一度仕掛ける!」
スラスターで加速し、ベヒーモスに食い下がっている三人の援護へ戻るアロウ。
彼が何を閃いたのかはカノラには分からなかったが、とにかくアロウを信じることにして、再びハードストライクやガードハーデンを各々に重ねがけていく。
フェルテが宝剣で斬り付け、メイプルがラプタスクロウズで斬り刻み、ルナがエナジーライフルで射撃するものの、やはりベヒーモスは怯まない。
「クッ……今の我の力では、及ばぬと言うのか……!」
呼吸を荒くするフェルテは、一向に弱る素振りを見せないベヒーモスに、自分がまだ力不足であることを痛感する。
ベヒーモスは右前脚を床に打ち付け、地面を抉るように薙ぎ払う。
疲労によって反応が遅れたフェルテは宝盾で身を守るが、ベヒーモスの膂力は彼女のそれとは比較にならず、簡単に弾き飛ばし、フェルテは背中から壁に叩き付けられる。
「ぐはっ……!」
後頭部の衝撃が、フェルテの意識を眩ませる。
ベヒーモスはフェルテが弱っていると見てか、抉り出した床から大岩を掴み、それを投げ付けようとして――
「させるか!」
そこへアロウがエナジーライフルを撃ちまくり、気を引かせる。
ベヒーモスは彼の攻撃に反応し、フェルテに投げ付けようとした大岩をアロウに向ける。
「アロウさんっ!」
「大丈夫だ、避けられる!」
ルナの注意喚起を聞き流して、アロウはスラスターを使ったジャンプで大岩を躱し、さらにエナジーライフルをベヒーモスの頭部へ放つ。
ベヒーモスは忌々しげに唸ると前傾姿勢になり、ドスドスと地鳴りを上げて突進する。
「そうだっ、こっちだ!」
間近で見れば凄まじい迫力のベヒーモスの突進に足が竦みそうになるが、アロウはベヒーモスの"軸"に合わせたままバックホバーする。
「アロウ!何やってんの!?」
メイプルは、挑発するような行動を見せるアロウに怒鳴る。
後ろに下がれば当然壁際に追い詰められる……が、
「い、ま、だ!!」
ベヒーモスの象牙と壁に自分が挟み潰される寸前、アロウは大きく横っ飛びで躱す。
間一髪回避に成功し――同時に遺跡の壁にベヒーモスが激突した。
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