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勇気ある者達
80話 上陸、追撃
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マークしているスパイクタートルの反応は陸上、どうやら岸に上がっているようだ。
スパイクタートルが点在するエリアに到達すると、アロウ達は一気に上昇し、水面から顔を出す。
そこには、スパイクタートルがマーマンを押さえつけて、捕食しているところであった。
体力が少し回復するとはいえ、食事中の大型モンスターは基本的に無防備だ。
水面から出たフェルテは真っ先に飛び出して、詠唱を開始する。
「――ファイアボール!」
放たれた火球はスパイクタートルの右後脚に炸裂、突然の爆発にスパイクタートルは驚き、同時に脚のダメージの蓄積によって転倒してしまう。
バタバタと脚を上下させてもがく姿はどこか愛嬌があるものだが、だからといってじっくり観察している場合ではない。
「今だ!」
畳み掛けるチャンスは今だと、アロウとメイプル、フェルテは近接攻撃を叩き込み、ルナとカノラは三人を巻き込まない位置から射撃を敢行する。
しかしながらスパイクタートルも一方的されるままではない、ヒレ状の前脚を地面に突き立て、緩慢に起き上がる。
起き上がったとはいえ、元々活動環境が水中であるため、捕食や肺呼吸のために陸上に上がることはあっても、その動きは鈍重そのものであり、水中にいる時のような素早い攻撃は出来ないようだ。
「やっぱり陸上じゃ、ちょっと動きにくいかな……!」
メイプルはスパイクタートルの懐に張り付きながらも、普段自分が使っている陸戦タイプのそれよりも素早く動き回れないことに苦笑する。
そうは言いつつも、スパイラルフィンでスパイクタートルの脚周りや頭部に確実なダメージを与えているのはさすがと言うべきか。
それはアロウも同じことであり、ワイルドカットラスを片手に果敢に斬り込んでいるが、その動きは普段の陸戦タイプのマギアアームドよりも少し遅い。
前衛二人の戦いにくさを見て、カノラは素早く水色の魔法陣を顕現する。
「――風のごとく翔けよ――『スピーディー』!」
ルーンスタッフの魔石から水色の魔力光が放たれ、アロウにそれが纏われると、
「お?動きが軽くなった」
カノラが唱えたのは、一定時間マギアアームドの機動性を上げる強化系の魔術。
続いてメイプルにも同じくスピーディーの効果を与える。
「カノラちゃんナイス!」
これで通常時の陸戦タイプよりも若干速いくらいになり、アロウとメイプルは一気呵成にスパイクタートルへ攻めたてる。
二人の機動力強化を終えたカノラは、ふと周囲を見回す。
先程に感じた、不自然な視線。
アロウが言っていた通り、単に通りすがりのプレイヤーが遠巻きから見ていただけなのか、あるいは。
スパイクタートルが一度エリア移動しているので、同じような視線があれば、ただの通りすがりとは言い難い。
「(やっぱりなんか変な気がする……)」
気のせいだと言い切ることも出来ないもどかしさ。
いやそれよりも今はスパイクタートルの撃破だと、カノラはライトサブマシンガンで援護射撃する。
スパイクタートルが点在するエリアに到達すると、アロウ達は一気に上昇し、水面から顔を出す。
そこには、スパイクタートルがマーマンを押さえつけて、捕食しているところであった。
体力が少し回復するとはいえ、食事中の大型モンスターは基本的に無防備だ。
水面から出たフェルテは真っ先に飛び出して、詠唱を開始する。
「――ファイアボール!」
放たれた火球はスパイクタートルの右後脚に炸裂、突然の爆発にスパイクタートルは驚き、同時に脚のダメージの蓄積によって転倒してしまう。
バタバタと脚を上下させてもがく姿はどこか愛嬌があるものだが、だからといってじっくり観察している場合ではない。
「今だ!」
畳み掛けるチャンスは今だと、アロウとメイプル、フェルテは近接攻撃を叩き込み、ルナとカノラは三人を巻き込まない位置から射撃を敢行する。
しかしながらスパイクタートルも一方的されるままではない、ヒレ状の前脚を地面に突き立て、緩慢に起き上がる。
起き上がったとはいえ、元々活動環境が水中であるため、捕食や肺呼吸のために陸上に上がることはあっても、その動きは鈍重そのものであり、水中にいる時のような素早い攻撃は出来ないようだ。
「やっぱり陸上じゃ、ちょっと動きにくいかな……!」
メイプルはスパイクタートルの懐に張り付きながらも、普段自分が使っている陸戦タイプのそれよりも素早く動き回れないことに苦笑する。
そうは言いつつも、スパイラルフィンでスパイクタートルの脚周りや頭部に確実なダメージを与えているのはさすがと言うべきか。
それはアロウも同じことであり、ワイルドカットラスを片手に果敢に斬り込んでいるが、その動きは普段の陸戦タイプのマギアアームドよりも少し遅い。
前衛二人の戦いにくさを見て、カノラは素早く水色の魔法陣を顕現する。
「――風のごとく翔けよ――『スピーディー』!」
ルーンスタッフの魔石から水色の魔力光が放たれ、アロウにそれが纏われると、
「お?動きが軽くなった」
カノラが唱えたのは、一定時間マギアアームドの機動性を上げる強化系の魔術。
続いてメイプルにも同じくスピーディーの効果を与える。
「カノラちゃんナイス!」
これで通常時の陸戦タイプよりも若干速いくらいになり、アロウとメイプルは一気呵成にスパイクタートルへ攻めたてる。
二人の機動力強化を終えたカノラは、ふと周囲を見回す。
先程に感じた、不自然な視線。
アロウが言っていた通り、単に通りすがりのプレイヤーが遠巻きから見ていただけなのか、あるいは。
スパイクタートルが一度エリア移動しているので、同じような視線があれば、ただの通りすがりとは言い難い。
「(やっぱりなんか変な気がする……)」
気のせいだと言い切ることも出来ないもどかしさ。
いやそれよりも今はスパイクタートルの撃破だと、カノラはライトサブマシンガンで援護射撃する。
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