【完結】マギアアームド・ファンタジア

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)

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勇気ある者達

79話 第三者の存在

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 少し前。

 アロウ達がマリーネ孤島に到着して、戦闘準備を整えている時、海岸近くの崖の陰から、その様子を覗いている者がいた。

 女性形のアバターで、黒髪を後頭部辺りにアップして束ね、真紅の瞳は注意深く事を覗いている。

 その身に纏うのは暗緑色に、長大な筒状の火砲を左腕に備え、全身各部に外付けされたポッドを持つ、重装型のマギアアームド。

「(あれが、噂のNPC……)」

 昨今になって噂されている、正体不明のプレイヤー
 曰く、生産不可能な装備を持つ。
 曰く、非公開のストーリーイベントで仲間になるNPC。
 曰く、このMAFで生まれた電子の生命体。

 どれこれも、あやふやで不確実なネット情報のそれだ。

 そもそも、そんなNPCが実装されているのかすら眉唾ものだっだが、こうして実際にその姿を確認して、ようやく半信半疑だ。

 否、半信半疑かどうかなど関係ない。

 あのNPC――フェルテと言うらしいNPCを捕らえろ。

 そのような依頼を受けた彼女は、言われるままにそれを遂行する。そうするしかなった。

 そうでなければ……

 したくない想像を振り払って、彼らが海中へ飛び込んでいくの見る。
 少しの間を置いてから、彼女も海中へ飛び込み、背後を追跡する。
 今は、気を窺うだけだ。



 スパイクタートルとの戦闘は、順調そのものだった。
 水中での行動はそこそこに素早いスパイクタートルだが、それでもアロウ達が反応できないような速度でもない。
 激しく動き回っている時は回避に専念し、その攻撃が止めばすぐに反撃、柔らかい部位を狙っていく。
 スパイクタートル自身もそれなりにタフらしく、なかなか怯まない。

 すると、不意にスパイクタートルは明後日の方向へ泳いでいく

 エリア移動のようだ。

 追撃準備のため、アロウは一度海中から水面に上がり、他の四人も続く。

「思ったより苦戦しないな」

 開口一番、アロウが率直に告げる。

「動きもそんなに早くないですし、もう少し積極的に攻めてもいいかもしれませんね」

 ルナもスピアーガンの銛を再装填しながら言う。

「水中戦にもだいぶ慣れてきたし、こりゃ楽勝かもね」

 メイプルは回復ポーションを口にして体力を回復する。

「スゥー、フゥー……うむ。早急に討伐し、その後で遺跡の場所を突き止めねばな」

 唯一、水中で呼吸が出来ないフェルテは深呼吸を繰り返す。先の戦闘中にも、何度か水面に上がって息を整えていた。

「…………」

 そんな中、カノラだけは何か考え込んでいる。

「どうしたのカノラちゃん?」

 メイプルが声を掛けて、カノラは少し迷ってから答える。

「あの……気のせいかもですけど、さっきから誰かに見られている気がするんです」

 カノラのその言葉に、四人は首を傾げる。

「俺達以外にもプレイヤーがいるってことじゃないか?それ自体は珍しいことじゃないし」

 クエスト中に他のプレイヤーと出会うことは普通に起こり得る。
 偶然その場に出会して、邪魔しないように遠巻きから見ていただけかもしれない、とアロウは言う。

「そんな感じじゃなくて……うーん……」

 それを上手く言語化出来ないカノラは、眉をしかめる。

「カノラさん、今はクエストに集中しましょう」

 ルナにそう言われて、一行は納得いかないながらもスパイクタートルの追撃を開始する。
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