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勇気ある者達
78話 海中での戦い
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やはり陸戦タイプと比べても、水中での阻害感をあまり感じない。
何より、スラスターを使った時のスピードが段違いなのだ。
陸上で陸戦タイプのスラスターを使ったダッシュよりも速い。
快適に立ち回れることを実感しつつ、アロウは後続の仲間達が遅れていないかを確かめる。
特に、フェルテは水陸両用タイプのマギアアームドを装備していない(というよりNPC故か装備変更が出来ないのかもしれない)ので、こまめに酸素ポイントで止まったり、水面上に上がって酸素を回復させなければならないだろう。
とはいえフェルテは海中をスイスイと泳ぎ、アロウ達にも追従出来ている。
これなら心配は無さそうかと、アロウは視線を正面に戻し――
突然、巨大な何かが海に飛び込んで来てはアロウの視界を埋め尽くす。
「!?」
驚きながらもアロウは咄嗟にスラスターを吹かして後退する。
鈍い光沢を放つ草色の甲羅、その表面には鋼鉄のスパイクが並び、その甲羅の中から伸びる薄緑色の五体。
スパイクタートルだ。
どうやら先程まで海沿いにいたようだが、一定の周期で海中に潜るらしく、ちょうどそのタイミングに出会してしまったようだ。
「(でもまぁ、探す手間が省けた)」
突然のことに驚きはしたものの、索敵に時間をロスする必要が無くなったと捉え、アロウはフォノンメーザーガンを構える。
スパイクタートルも首を伸ばしてアロウ達を睥睨し、彼らを外敵だと判断して、咆哮する。
「(まずは先手必勝!)」
フォノンメーザーガンの銃口を向け、ガイドレーザーを照射しつつ音波振動を放つ。傍から見る分には、水中でビームを発射しているように見える。
しかしスパイクタートルは、アロウが攻撃を仕掛けたと見るや否やすぐさま身を翻して甲羅を盾にする。
フォノンメーザーは甲羅に着弾、ほぼ無傷で消失してしまう。
「(やっぱり甲羅にはほとんどダメージが無いな)」
亀らしく甲羅はやはり頑丈であり、破壊するのも難しいだろう。
するとスパイクタートルは甲羅で身を守りながらも、スピナーのごとく全身を回転させ、水流を切り裂きながらアロウ達に突進してきた。
五人にはすぐに散開し、スパイクタートルの体当たりをやり過ごす。
カノラはその場で詠唱して、メイプルにハードストライクを掛けて攻撃力を高める。
攻撃力が上昇したメイプルは、すぐにスパイクタートルを追い掛け、回転突進を終えたところを狙って突撃する。
足を止めたスパイクタートルに、メイプルは左後ろ足へスパイラルフィンを突き込む。
見立て通り、甲羅は硬くとも四肢や頭部は柔らかいようだ。
そのメイプルの反対サイドからは、フェルテが泳ぎながら宝剣を振るってスパイクタートルの右前脚に攻撃を仕掛けていく。
前衛二人が取り付いているのを見て、スパイクタートルは煩わしげに脚を振り回してメイプルとフェルテを弾き飛ばす。
弾き飛ばされた二人の内、メイプルの方に狙いを定めたスパイクタートルは、その牙で噛み砕こうと口蓋を開いてメイプルに迫るが、その頬を横殴りするように槍が突き刺さる。
ルナが狙い撃ったスピアーガン――ワイヤーに繋がれた銛だ。
ルナはすぐにワイヤーを巻き取って銛をスパイクタートルの頬から引き抜く。
甲羅こそ頑丈だが、弱点は積極的に狙える。
何より、スラスターを使った時のスピードが段違いなのだ。
陸上で陸戦タイプのスラスターを使ったダッシュよりも速い。
快適に立ち回れることを実感しつつ、アロウは後続の仲間達が遅れていないかを確かめる。
特に、フェルテは水陸両用タイプのマギアアームドを装備していない(というよりNPC故か装備変更が出来ないのかもしれない)ので、こまめに酸素ポイントで止まったり、水面上に上がって酸素を回復させなければならないだろう。
とはいえフェルテは海中をスイスイと泳ぎ、アロウ達にも追従出来ている。
これなら心配は無さそうかと、アロウは視線を正面に戻し――
突然、巨大な何かが海に飛び込んで来てはアロウの視界を埋め尽くす。
「!?」
驚きながらもアロウは咄嗟にスラスターを吹かして後退する。
鈍い光沢を放つ草色の甲羅、その表面には鋼鉄のスパイクが並び、その甲羅の中から伸びる薄緑色の五体。
スパイクタートルだ。
どうやら先程まで海沿いにいたようだが、一定の周期で海中に潜るらしく、ちょうどそのタイミングに出会してしまったようだ。
「(でもまぁ、探す手間が省けた)」
突然のことに驚きはしたものの、索敵に時間をロスする必要が無くなったと捉え、アロウはフォノンメーザーガンを構える。
スパイクタートルも首を伸ばしてアロウ達を睥睨し、彼らを外敵だと判断して、咆哮する。
「(まずは先手必勝!)」
フォノンメーザーガンの銃口を向け、ガイドレーザーを照射しつつ音波振動を放つ。傍から見る分には、水中でビームを発射しているように見える。
しかしスパイクタートルは、アロウが攻撃を仕掛けたと見るや否やすぐさま身を翻して甲羅を盾にする。
フォノンメーザーは甲羅に着弾、ほぼ無傷で消失してしまう。
「(やっぱり甲羅にはほとんどダメージが無いな)」
亀らしく甲羅はやはり頑丈であり、破壊するのも難しいだろう。
するとスパイクタートルは甲羅で身を守りながらも、スピナーのごとく全身を回転させ、水流を切り裂きながらアロウ達に突進してきた。
五人にはすぐに散開し、スパイクタートルの体当たりをやり過ごす。
カノラはその場で詠唱して、メイプルにハードストライクを掛けて攻撃力を高める。
攻撃力が上昇したメイプルは、すぐにスパイクタートルを追い掛け、回転突進を終えたところを狙って突撃する。
足を止めたスパイクタートルに、メイプルは左後ろ足へスパイラルフィンを突き込む。
見立て通り、甲羅は硬くとも四肢や頭部は柔らかいようだ。
そのメイプルの反対サイドからは、フェルテが泳ぎながら宝剣を振るってスパイクタートルの右前脚に攻撃を仕掛けていく。
前衛二人が取り付いているのを見て、スパイクタートルは煩わしげに脚を振り回してメイプルとフェルテを弾き飛ばす。
弾き飛ばされた二人の内、メイプルの方に狙いを定めたスパイクタートルは、その牙で噛み砕こうと口蓋を開いてメイプルに迫るが、その頬を横殴りするように槍が突き刺さる。
ルナが狙い撃ったスピアーガン――ワイヤーに繋がれた銛だ。
ルナはすぐにワイヤーを巻き取って銛をスパイクタートルの頬から引き抜く。
甲羅こそ頑丈だが、弱点は積極的に狙える。
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