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約束の未来へ
145話 勇気の滑空
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現在MAFでは、全プレイヤーに向けて緊急の通知が発信されていた。
それは、ターミナルエリアから広がりつつかるデータの破損についての注意喚起だ。
いよいよ秘匿出来ないレベルにまでデータ破損が広がってきているため、運営はこの件を一般公開した。
プレイデータに異常が発生する恐れがあるため、ログアウト可能なプレイヤーはすぐにログアウト、データをセーブするように呼びかけている。
問題終息の後、安全を再確認してからプレイヤーに安全確認済みの通知を送るようにも予定されている。
何も知らないプレイヤー達は、運営陣に陰口や文句を垂れながらも、推奨通りすぐにログアウトしていく。
そんな中、ある一人のプレイヤーはログアウトせずに、それどころかターミナルエリアへ向かっていた。
データの破損を避けつつ、"大穴"を覗き込み――何の躊躇いもなく飛び込んだ。
カノラは倒れたジルダを引っ張って、攻撃に巻き込まれないように壁際へ連れて行く。
あの羽根型の誘導ミサイルのような武器は脅威だ、しかし連続しては使えない。
第二射が放たれる前に翼を潰せとフェルテは言うが、アロウ達は攻めあぐねている。
フェルテが放つホーリングレイを当てた直後なら隙が出来るため、そこへアロウとメイプルが懐へ飛び込み、回り込んだルナがツインエナジーライフルで黒翼へ攻撃を行う。
左右から連続で放たれる光弾が、アプロディテの黒翼に着弾しては焼き切っていく。
しかし、ダメージは与えられているはずだが、アプロディテの黒翼は蠢いては、その内側から新たな羽根を生え始めているのをルナは見る。
「気をつけてっ、第二射が来ます!」
彼女がいち早くそれに気付き呼び掛けることが出来たおかげで、アロウ達はすぐに身構える。
放たれる誘導端末の群れは、今度はアロウ目掛けて襲い来る。
「俺かっ……!」
アロウはスラスターウイングを羽ばたかせて上空へ飛び上がり、その後を追うように誘導端末が追ってくる。
「(ミサイルの動きは案外遅い?)」
少なくとも、Rワイバーン装備の空中機動性の方が速い。
「それならっ!」
アロウは少しだけ速度を落とし、大きく迂回しながらアプロディテへ向かう。
誘導端末もそれに合わせてアロウの背を追う。
「アロウくんっ、危ないよ!?」
「大丈夫!俺の見立てが正しければ……!」
カノラの制止の声は聞かず、アロウはアプロディテの目の前に躍り出る――と見せかけ、そのままアプロディテの頭上を飛び越えて、すぐに高度を下げる。
「そうだ、そのまま突っ込め!」
すると、アロウを追っていた誘導端末の群れは、アプロディテに向かって突っ込んで行く。
が、しかし、誘導端末は突然方向を変えると、アプロディテの眼の前で蜻蛉返りした。
「そんな!?」
追ってくるのなら、敢えて追われることによって誘導端末の軌道を誘導し、アプロディテにぶつけるつもりだったアロウは、読みが外れたことに愕然とする。
再び狙いを付け直した誘導端末の群れ、次の標的は―ルナだ。
それは、ターミナルエリアから広がりつつかるデータの破損についての注意喚起だ。
いよいよ秘匿出来ないレベルにまでデータ破損が広がってきているため、運営はこの件を一般公開した。
プレイデータに異常が発生する恐れがあるため、ログアウト可能なプレイヤーはすぐにログアウト、データをセーブするように呼びかけている。
問題終息の後、安全を再確認してからプレイヤーに安全確認済みの通知を送るようにも予定されている。
何も知らないプレイヤー達は、運営陣に陰口や文句を垂れながらも、推奨通りすぐにログアウトしていく。
そんな中、ある一人のプレイヤーはログアウトせずに、それどころかターミナルエリアへ向かっていた。
データの破損を避けつつ、"大穴"を覗き込み――何の躊躇いもなく飛び込んだ。
カノラは倒れたジルダを引っ張って、攻撃に巻き込まれないように壁際へ連れて行く。
あの羽根型の誘導ミサイルのような武器は脅威だ、しかし連続しては使えない。
第二射が放たれる前に翼を潰せとフェルテは言うが、アロウ達は攻めあぐねている。
フェルテが放つホーリングレイを当てた直後なら隙が出来るため、そこへアロウとメイプルが懐へ飛び込み、回り込んだルナがツインエナジーライフルで黒翼へ攻撃を行う。
左右から連続で放たれる光弾が、アプロディテの黒翼に着弾しては焼き切っていく。
しかし、ダメージは与えられているはずだが、アプロディテの黒翼は蠢いては、その内側から新たな羽根を生え始めているのをルナは見る。
「気をつけてっ、第二射が来ます!」
彼女がいち早くそれに気付き呼び掛けることが出来たおかげで、アロウ達はすぐに身構える。
放たれる誘導端末の群れは、今度はアロウ目掛けて襲い来る。
「俺かっ……!」
アロウはスラスターウイングを羽ばたかせて上空へ飛び上がり、その後を追うように誘導端末が追ってくる。
「(ミサイルの動きは案外遅い?)」
少なくとも、Rワイバーン装備の空中機動性の方が速い。
「それならっ!」
アロウは少しだけ速度を落とし、大きく迂回しながらアプロディテへ向かう。
誘導端末もそれに合わせてアロウの背を追う。
「アロウくんっ、危ないよ!?」
「大丈夫!俺の見立てが正しければ……!」
カノラの制止の声は聞かず、アロウはアプロディテの目の前に躍り出る――と見せかけ、そのままアプロディテの頭上を飛び越えて、すぐに高度を下げる。
「そうだ、そのまま突っ込め!」
すると、アロウを追っていた誘導端末の群れは、アプロディテに向かって突っ込んで行く。
が、しかし、誘導端末は突然方向を変えると、アプロディテの眼の前で蜻蛉返りした。
「そんな!?」
追ってくるのなら、敢えて追われることによって誘導端末の軌道を誘導し、アプロディテにぶつけるつもりだったアロウは、読みが外れたことに愕然とする。
再び狙いを付け直した誘導端末の群れ、次の標的は―ルナだ。
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