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第三十二節「熱き地の再会 真実は今ここに 目覚めよ創世」
~世界の心の中での唄~
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勇の視界が再び真っ白の光と浮遊感に包まれる。
先程と異なるのは、自身の背後へ向けてとめどなく流れていく青白い紋様のみ。
勇自身もどこか白の光の先へと吸い込まれる様に、前に引かれる力を感じ取っていた。
どれだけ流れただろうか。
体感で言えば三~四分程度。
しかし距離はと言えばもはやわかりはしない。
そもそもここがどこだかも。
途端、勇の体が放り出された様な感覚に見舞われる。
引かれる力が失われ、自由な感覚が取り戻されたのだ。
ふと周囲を見回すと……先程とは少し異なる風景が広がっていた。
白の空間である事には変わりないが、彼方に見えるのは様々な色が入り混じった虹の様な紋様。
まるで水に溶け込む染料の様にまどろみを広げ、時には清流の如き白に包まれて……キラキラと揺らめいている。
その中には暗い空間も見えるが、それも白の空間と揺らぎ合い、消えては現れるといった様子を見せていた。
強いて言うならば白い宇宙。
数多の銀河を縮小し、色を反転させた様な……不思議としか言いようの無い、幻想的な空間であった。
「ここは……どこだ……?」
自然と出した声はどこか残響を伴い、風景に溶けて消えていくかのよう。
相変わらずの浮遊感ではあるが、体は妙に自由が利いていた。
口も動かせるし、この様に声も出せて、体も動く。
ただ動かしても自身の体が空間内を自由に動き回れる訳でも無い。
今の彼は言い例えるならば湖面に浮く花びらの如く。
ただただ目の前の景色を前に、手を伸ばしても届かない……そんな事が出来るだけだった。
時折虹の光が訪れて、ふわりと触れれば心が浮くかの様に軽くなる。
その光はまるで感情……触れただけで心が誘われる様な。
光の質で感情は異なり、多様な感情が脳裏を駆け巡っていく。
「もしかしてここは……星の心の中……アストラルストリームってとこなのか……?」
白の光は心の庭。
虹の光は感情。
黒の光はその隙間。
そんな事が思い浮かび、気付けば呟いていた。
この風景が星の心を表しているのではないか、と。
そしてそれが不思議と疑えなくて。
そうであるという確信があって。
気付けば勇は、無限とも言える光景を前に……笑みを零していた。
『貴方を……待っていました』
その時、その場に声が響き渡る。
優しく囁かれたそれはぼんやりした様な……それでいて澄んで聴こえる女性の声。
勇はそれに気付き、その顎を上げる。
彼の視界に映ったのは……黄金色に輝くモヤ。
それが突如として彩りを生み、形を成していく。
次第に形がはっきりとしていくと……光が輪郭を生み始めた。
そして全てが終えた時……勇の視界に一人の者が姿を現す。
それは光を身に纏う女性の様であった。
風景に溶け込んでしまいそうな程に白く艶やかな髪。
体付きは細くとも大人である事がわかる体格。
金と銀であしらったような装飾品と、それから下がる布もまた淡く光り輝き。
背中からは銀の木の枝の様な物が幾多にも伸び、その異質感は逆に彼女の神秘さを助長させる。
落ち着いた雰囲気を醸し出し、何も無い白の空間に輝き浮く様はまさに絵画に描かれた様な神々しさ。
そんな彼女を見た時生まれるのは……不思議な安堵感。
勇の心にはそんな感覚がふわりと浮き上がっていた。
「貴女は一体……」
勇が体を揺り動かし、体全体で見上げる。
すると彼女もまた勇と同じ様に体を傾けさせ……二人の目線が合わさる。
彼女の透き通る様な瞳に勇の姿が映り込んだ時、願いに応えんとその唇がそっと動きを見せた。
『私の名はア・リーヴェ。 かつて数々の愚行を繰り返し、世界を混沌に追いやってしまった……【創世の女神】と呼ばれし者です』
その名を聞いた途端、勇の目が見開かれる。
とても信じられない様な話だったから。
目の前に居る彼女が、今までで幾度と無く話に出て来た【創世の女神】。
でもそれが何故か疑えなくて。
嘘には感じなくて。
それでいて……何故かそれが安心出来たから。
「貴女が……【創世の女神】……」
『はい……そして貴方の感じた通り、ここは星の中心の中。 この場所に居るという事は、心を曝け出すという事に他なりません』
「だから嘘が付けないんだな……思考が声になるから……命力の翻訳みたいに」
つまり二人は今、心で対話しているという事。
そしてそれを感じ取っていたから、疑いたくないというスタンスを持つ彼の心が自然と安心していたのだろう。
『こうして話す事が出来て、とても嬉しく思います……この日をどれだけ待ち侘びたか』
ア・リーヴェがそう語りながら優しい微笑みを零す。
そこから滲み出るのは……喜びの淡い黄色い感情。
少なくとも、勇にはそう見えていた。
勇が彼女を前に安堵感を憶えたのと同じく……彼女もまた彼を前に安堵感を憶えていたから。
しかし勇はそんな彼女を前に、どこか浮かない表情を浮かべる。
置いてきた仲間達の事が気掛かりで。
それが焦燥心を生み……彼の体に僅かな橙色の気流が漂っていた。
「俺も貴女に会えて嬉しいよ……でも、こうして悠長に話している間にも仲間達が危険な目に遭っているかもしれない。 そう思うと、こう話している時間も惜しいんだ」
もし、この間に仲間達が敗北したら。
あの剣聖が力尽きてしまったら。
茶奈の命が奪われてしまったら。
そうも思えば……落ち着ける訳も無かったのだ。
勇を包む橙色の気流が濃度を増し、色付きを濃くしていく。
次第に茶褐色へと変わり始めた雰囲気は、彼を包まんと広がり始めていた。
『その心配の必要はありませんよ、藤咲勇……』
だがその途端、勇を包む気流がたちまち晴れ上がり……周囲に再び透明さを取り戻す。
まるで彼女が言わんとしている事を聴かずとも理解したかの様に。
『ここは星の心の中、精神を司る領域。 肉体の様な電気信号を必要とせず、隙間無き対話が可能な……時間というプロセスが必要の無い場所なのです』
「つまり……俺達の話はほとんど時間経過していない……?」
『はい、その通りです』
人間は他個体との接触を図る際、五感を駆使する。
聴覚、視覚、触覚、場合によっては嗅覚や味覚も。
それらは神経を通る電気信号で伝えられ、脳が認識し、そこで相手の意図を受け取り、返しを返す。
そこはどうしても認識の誤差が生じ、微量の間が掛かる。
人間が時間と称するその間は、物理世界において一方的に流れていくだけの事象。
しかし心の中での認識はそういったしがらみを全て取り除かれる。
心で受け取り、心で返す……声では無いから一瞬で伝わるし、感じ取った時点で認識が済んでいるからだ。
そこにもはやラグは無いのである。
『だから……だからほんの少しだけ……私の声に耳を傾けて頂けますか……?』
それはどこか不安の混じる深緑の声。
でもそれは……きっと杞憂も含まれていたから、少し淡さも籠っていたのだろう。
「そうなんだな……わかった。 それなら俺も色々教えてもらいたいから、聞くよ」
『ありがとう……藤咲勇……』
そしてその色もすぐに消え、空色が彼女を包む。
そんな時、彼女の顔に浮かび上がっていたのは……とても大きな、笑顔だった……。
先程と異なるのは、自身の背後へ向けてとめどなく流れていく青白い紋様のみ。
勇自身もどこか白の光の先へと吸い込まれる様に、前に引かれる力を感じ取っていた。
どれだけ流れただろうか。
体感で言えば三~四分程度。
しかし距離はと言えばもはやわかりはしない。
そもそもここがどこだかも。
途端、勇の体が放り出された様な感覚に見舞われる。
引かれる力が失われ、自由な感覚が取り戻されたのだ。
ふと周囲を見回すと……先程とは少し異なる風景が広がっていた。
白の空間である事には変わりないが、彼方に見えるのは様々な色が入り混じった虹の様な紋様。
まるで水に溶け込む染料の様にまどろみを広げ、時には清流の如き白に包まれて……キラキラと揺らめいている。
その中には暗い空間も見えるが、それも白の空間と揺らぎ合い、消えては現れるといった様子を見せていた。
強いて言うならば白い宇宙。
数多の銀河を縮小し、色を反転させた様な……不思議としか言いようの無い、幻想的な空間であった。
「ここは……どこだ……?」
自然と出した声はどこか残響を伴い、風景に溶けて消えていくかのよう。
相変わらずの浮遊感ではあるが、体は妙に自由が利いていた。
口も動かせるし、この様に声も出せて、体も動く。
ただ動かしても自身の体が空間内を自由に動き回れる訳でも無い。
今の彼は言い例えるならば湖面に浮く花びらの如く。
ただただ目の前の景色を前に、手を伸ばしても届かない……そんな事が出来るだけだった。
時折虹の光が訪れて、ふわりと触れれば心が浮くかの様に軽くなる。
その光はまるで感情……触れただけで心が誘われる様な。
光の質で感情は異なり、多様な感情が脳裏を駆け巡っていく。
「もしかしてここは……星の心の中……アストラルストリームってとこなのか……?」
白の光は心の庭。
虹の光は感情。
黒の光はその隙間。
そんな事が思い浮かび、気付けば呟いていた。
この風景が星の心を表しているのではないか、と。
そしてそれが不思議と疑えなくて。
そうであるという確信があって。
気付けば勇は、無限とも言える光景を前に……笑みを零していた。
『貴方を……待っていました』
その時、その場に声が響き渡る。
優しく囁かれたそれはぼんやりした様な……それでいて澄んで聴こえる女性の声。
勇はそれに気付き、その顎を上げる。
彼の視界に映ったのは……黄金色に輝くモヤ。
それが突如として彩りを生み、形を成していく。
次第に形がはっきりとしていくと……光が輪郭を生み始めた。
そして全てが終えた時……勇の視界に一人の者が姿を現す。
それは光を身に纏う女性の様であった。
風景に溶け込んでしまいそうな程に白く艶やかな髪。
体付きは細くとも大人である事がわかる体格。
金と銀であしらったような装飾品と、それから下がる布もまた淡く光り輝き。
背中からは銀の木の枝の様な物が幾多にも伸び、その異質感は逆に彼女の神秘さを助長させる。
落ち着いた雰囲気を醸し出し、何も無い白の空間に輝き浮く様はまさに絵画に描かれた様な神々しさ。
そんな彼女を見た時生まれるのは……不思議な安堵感。
勇の心にはそんな感覚がふわりと浮き上がっていた。
「貴女は一体……」
勇が体を揺り動かし、体全体で見上げる。
すると彼女もまた勇と同じ様に体を傾けさせ……二人の目線が合わさる。
彼女の透き通る様な瞳に勇の姿が映り込んだ時、願いに応えんとその唇がそっと動きを見せた。
『私の名はア・リーヴェ。 かつて数々の愚行を繰り返し、世界を混沌に追いやってしまった……【創世の女神】と呼ばれし者です』
その名を聞いた途端、勇の目が見開かれる。
とても信じられない様な話だったから。
目の前に居る彼女が、今までで幾度と無く話に出て来た【創世の女神】。
でもそれが何故か疑えなくて。
嘘には感じなくて。
それでいて……何故かそれが安心出来たから。
「貴女が……【創世の女神】……」
『はい……そして貴方の感じた通り、ここは星の中心の中。 この場所に居るという事は、心を曝け出すという事に他なりません』
「だから嘘が付けないんだな……思考が声になるから……命力の翻訳みたいに」
つまり二人は今、心で対話しているという事。
そしてそれを感じ取っていたから、疑いたくないというスタンスを持つ彼の心が自然と安心していたのだろう。
『こうして話す事が出来て、とても嬉しく思います……この日をどれだけ待ち侘びたか』
ア・リーヴェがそう語りながら優しい微笑みを零す。
そこから滲み出るのは……喜びの淡い黄色い感情。
少なくとも、勇にはそう見えていた。
勇が彼女を前に安堵感を憶えたのと同じく……彼女もまた彼を前に安堵感を憶えていたから。
しかし勇はそんな彼女を前に、どこか浮かない表情を浮かべる。
置いてきた仲間達の事が気掛かりで。
それが焦燥心を生み……彼の体に僅かな橙色の気流が漂っていた。
「俺も貴女に会えて嬉しいよ……でも、こうして悠長に話している間にも仲間達が危険な目に遭っているかもしれない。 そう思うと、こう話している時間も惜しいんだ」
もし、この間に仲間達が敗北したら。
あの剣聖が力尽きてしまったら。
茶奈の命が奪われてしまったら。
そうも思えば……落ち着ける訳も無かったのだ。
勇を包む橙色の気流が濃度を増し、色付きを濃くしていく。
次第に茶褐色へと変わり始めた雰囲気は、彼を包まんと広がり始めていた。
『その心配の必要はありませんよ、藤咲勇……』
だがその途端、勇を包む気流がたちまち晴れ上がり……周囲に再び透明さを取り戻す。
まるで彼女が言わんとしている事を聴かずとも理解したかの様に。
『ここは星の心の中、精神を司る領域。 肉体の様な電気信号を必要とせず、隙間無き対話が可能な……時間というプロセスが必要の無い場所なのです』
「つまり……俺達の話はほとんど時間経過していない……?」
『はい、その通りです』
人間は他個体との接触を図る際、五感を駆使する。
聴覚、視覚、触覚、場合によっては嗅覚や味覚も。
それらは神経を通る電気信号で伝えられ、脳が認識し、そこで相手の意図を受け取り、返しを返す。
そこはどうしても認識の誤差が生じ、微量の間が掛かる。
人間が時間と称するその間は、物理世界において一方的に流れていくだけの事象。
しかし心の中での認識はそういったしがらみを全て取り除かれる。
心で受け取り、心で返す……声では無いから一瞬で伝わるし、感じ取った時点で認識が済んでいるからだ。
そこにもはやラグは無いのである。
『だから……だからほんの少しだけ……私の声に耳を傾けて頂けますか……?』
それはどこか不安の混じる深緑の声。
でもそれは……きっと杞憂も含まれていたから、少し淡さも籠っていたのだろう。
「そうなんだな……わかった。 それなら俺も色々教えてもらいたいから、聞くよ」
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そしてその色もすぐに消え、空色が彼女を包む。
そんな時、彼女の顔に浮かび上がっていたのは……とても大きな、笑顔だった……。
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