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私の名はメラニー。
ピンクブロンドで肌ぴちぴち、おめめぱっちりファニーフェイスな上に出るとこ出ていて締まるところは締まってるナイスボディの男爵令嬢。
その上、母が王太子の乳母で私は王太子の幼馴染。
前世でどれだけ徳を積んだのかしら、人生薔薇色。
だったらよかったんだけど。
ここ数年。
ため息の出ない日はない。
原因は、もちろん王太子とその婚約者。
ふと、視線を感じて見上げると校舎の3階にクロム様とリリアナ様。
私の手には王太子の上着。
お二人の顔からは見事に感情が読み取れない。
高い教育の成果が感じられます。
ため息しか出ません。
無礼に当たらないように、ただ校内であるので略式の軽い礼をして再び見上げた時にはお二人はいなくなっていました。
ああ、上着が自分のものなら地面
にたたきつけて踏み躙りたい。
貴族令嬢らしからぬ振舞いだが、しかたあるまい。
私は貴族令嬢として生きてきたが、元冒険者の側妃様や両親に冒険者になるべく教育を受けてきたのだから。
王太子と共に。
やはりため息しか出ない。
最近、私が王太子の恋人と噂されているのは知っている。
それをリリアナ様がどう思っているのか。
私たちに恋愛感情はない。
幼き頃より切磋琢磨してきた友情と仕えるべき相手としての敬意はあるけど。
子供の頃から王太子のそばにいた私のことを、元々リリアナ様はよく思われてなかったと思う。
あの方は生粋の貴族の令嬢だから。
悪い人ではない。
ただ、王太子とは決定的に反りが合わない。
魔の森と未攻略の古のダンジョンを抱える我が国は災害が途切れない。
そんな災害に見舞われた国民に、私財を投じて食糧や衣類を与えるリリアナ様を民が慕うのは当然だった。
対して王太子は、対症療法より根本治療。
親が成し遂げられなかったダンジョンを攻略し、災害に怯えない国を作ろうと日々訓練に励んでいる。
あの日。
初めてリリアナ様と対面した日もそうだった。
王太子は共に国を背負う婚約者に会うからと張り切った。
あのサイズの大毒とかげを5歳で、しかも一人で狩るのは凄いことなのだ。
王太子自身初めてのことで。
初めての特別な獲物を特別な人に捧げようとしたのだ。
王太子は、喜んでもらえるとおもっていたのだ。
でも、結果は。
今ならわかる。
あれはまずかった。
だが、元冒険者の側妃様や側妃様にベタ惚れの国王に囲まれていた王太子や私はそれに気が付かなかった。
あの時二人の間に空いた溝が、いつまで経っても塞がらない。
その上、王妃様がリリアナ様にちょっかいを出し始めてる。
どうしたものか。
校舎の入り口で、本当はばんばんとはたきたかったがだれが見ているかもわからないのでそっと上着の埃を叩く。
今頃王太子は栽培に成功した薬草の根を掘り起こしているだろう。
地中深く張る根を起こすにはまだあと2時間はかかるだろう。
学園の花壇にそんなものを植えるのはどうかと思うが、あれは本当に役に立つ。
そもそも花壇の片隅にひっそりと雑草に混じっていたのだ。
見つけた王太子のお手柄とも言える。
栽培が確立されたら我が国のいい産業の一つになるかもしれない。
上着を王太子の席に置いて、自分のクラスに戻る。
授業中は私にとっては貴重な自分時間であり休息時間である。
それでもやはり考えてしまう。
何とかリリアナ様とうまくいく方法はないものかと。
王太子の側近として、橋渡しを考えるべきである。
何と言っても二人は両輪。
母の身分が低い王太子と血統の良いリリアナ様。
未来を見据える王太子と今を大切にするリリアナ様。
全体を見る王太子と見えるところから取り掛かるリリアナ様。
だめだ、どうしたらいいのかまるで思いつかない。
この溝を埋めるのは私には荷が重い。
私は人と人の溝を埋めるより、自分で壁を乗り越える(物理)のほうが得意なのだから。
ピンクブロンドで肌ぴちぴち、おめめぱっちりファニーフェイスな上に出るとこ出ていて締まるところは締まってるナイスボディの男爵令嬢。
その上、母が王太子の乳母で私は王太子の幼馴染。
前世でどれだけ徳を積んだのかしら、人生薔薇色。
だったらよかったんだけど。
ここ数年。
ため息の出ない日はない。
原因は、もちろん王太子とその婚約者。
ふと、視線を感じて見上げると校舎の3階にクロム様とリリアナ様。
私の手には王太子の上着。
お二人の顔からは見事に感情が読み取れない。
高い教育の成果が感じられます。
ため息しか出ません。
無礼に当たらないように、ただ校内であるので略式の軽い礼をして再び見上げた時にはお二人はいなくなっていました。
ああ、上着が自分のものなら地面
にたたきつけて踏み躙りたい。
貴族令嬢らしからぬ振舞いだが、しかたあるまい。
私は貴族令嬢として生きてきたが、元冒険者の側妃様や両親に冒険者になるべく教育を受けてきたのだから。
王太子と共に。
やはりため息しか出ない。
最近、私が王太子の恋人と噂されているのは知っている。
それをリリアナ様がどう思っているのか。
私たちに恋愛感情はない。
幼き頃より切磋琢磨してきた友情と仕えるべき相手としての敬意はあるけど。
子供の頃から王太子のそばにいた私のことを、元々リリアナ様はよく思われてなかったと思う。
あの方は生粋の貴族の令嬢だから。
悪い人ではない。
ただ、王太子とは決定的に反りが合わない。
魔の森と未攻略の古のダンジョンを抱える我が国は災害が途切れない。
そんな災害に見舞われた国民に、私財を投じて食糧や衣類を与えるリリアナ様を民が慕うのは当然だった。
対して王太子は、対症療法より根本治療。
親が成し遂げられなかったダンジョンを攻略し、災害に怯えない国を作ろうと日々訓練に励んでいる。
あの日。
初めてリリアナ様と対面した日もそうだった。
王太子は共に国を背負う婚約者に会うからと張り切った。
あのサイズの大毒とかげを5歳で、しかも一人で狩るのは凄いことなのだ。
王太子自身初めてのことで。
初めての特別な獲物を特別な人に捧げようとしたのだ。
王太子は、喜んでもらえるとおもっていたのだ。
でも、結果は。
今ならわかる。
あれはまずかった。
だが、元冒険者の側妃様や側妃様にベタ惚れの国王に囲まれていた王太子や私はそれに気が付かなかった。
あの時二人の間に空いた溝が、いつまで経っても塞がらない。
その上、王妃様がリリアナ様にちょっかいを出し始めてる。
どうしたものか。
校舎の入り口で、本当はばんばんとはたきたかったがだれが見ているかもわからないのでそっと上着の埃を叩く。
今頃王太子は栽培に成功した薬草の根を掘り起こしているだろう。
地中深く張る根を起こすにはまだあと2時間はかかるだろう。
学園の花壇にそんなものを植えるのはどうかと思うが、あれは本当に役に立つ。
そもそも花壇の片隅にひっそりと雑草に混じっていたのだ。
見つけた王太子のお手柄とも言える。
栽培が確立されたら我が国のいい産業の一つになるかもしれない。
上着を王太子の席に置いて、自分のクラスに戻る。
授業中は私にとっては貴重な自分時間であり休息時間である。
それでもやはり考えてしまう。
何とかリリアナ様とうまくいく方法はないものかと。
王太子の側近として、橋渡しを考えるべきである。
何と言っても二人は両輪。
母の身分が低い王太子と血統の良いリリアナ様。
未来を見据える王太子と今を大切にするリリアナ様。
全体を見る王太子と見えるところから取り掛かるリリアナ様。
だめだ、どうしたらいいのかまるで思いつかない。
この溝を埋めるのは私には荷が重い。
私は人と人の溝を埋めるより、自分で壁を乗り越える(物理)のほうが得意なのだから。
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