騎士団の世話役

haru.

文字の大きさ
4 / 44
本編

目覚め・・・

しおりを挟む
何か暖かいな・・・まだ起きたくないな。
重い目蓋をゆっくり開けると・・・
目の前には昨日の猫化した男性がいた!

「え???う、嘘ッ!!!」

驚いて起き上がろうとすると、男性の手足が私に絡み付いていて、起き上がる事ができない・・・

「ンッ・・・はッ???」

男性は目が覚めたようで目の前の私を驚いた様子で見つめる・・・

「誰だ。お前・・・」

「あ、あのとりあえず、離して頂けないでしょうか?」

男性は自分の状況を確認すると素早くベッドから出ていき、

「す、すまない!!!」

男性は昨日の事を覚えていないようだ・・・
まあ、凄い酔っぱらってたもんね。
覚えてたらそれはそれで、キツいかも。

「あ!起きたかい?」

ラインハルト様がノックも無しに部屋に入って来た。
え?私寝起きだよ?こんな姿見られるのまずいよね?
・・・バサッ!!!!
いきなり布団が私にかかる。

「おい!!勝手に入ってくるな!!!」

男性が凄い剣幕で怒っている・・・

「えーーー。でも、ロイ昨日の事覚えていないんでしょ?わざわざ説明に来てあげたのにな・・・」

「ヴッ・・・。」

「あ!ルクティアナ嬢!アルは昨日手紙を読んで急いで領地に戻ったみたいだよ。」

えーーーー。お兄様領地に行っちゃったの?
何でこのタイミングなの?

「とりあえず、ルクティアナ嬢がここに居る事を伝える為に知らせは出したから2、3日で戻るんじゃないかな?」

お礼を言おうと布団から顔を出そうとしたら

「ブッ!」

「顔は出すな。そのままでいろ。」

男性が何故だか上から押さえつけてきた。
ちょ、ちょっと苦しいんだけど・・・

「うわあ・・・。ジュリアスの言ってた話しは本当なんだ~。」

ラインハルト様は一人で何かを納得されると男性に声をかけ、二人で部屋を出ていった。

え?私への状況説明は?
どうしよう。これから・・・。
2、3日でお兄様が帰ってくるならこのまま王都にいるべきなんだよね?
はあ・・・。とりあえず、早急に騎士団から出た方が良いだろうし。

それよりも突然夜に騎士団にやって来て、騒ぎを起こした挙げ句に男性と共に寝過ごす令嬢って何?お兄様に殺されるッ!!!
もう、どうしようーーーー。

*****

side???

「おい!どうなっている?あの女性は何だ?お前の知り合いか???」

・・・訳がわからない。昨日は部屋であいつらと酒を飲んでいたはず。それが、目が覚めたら隣にあの女性がいてた・・・
あの女性はおそらく俺の・・・           だろう。

「あー。本当に聞きたい?すごかったんだよ?昨日・・・クククッ。」

ラインハルトの話しは恐ろしかった。
昨日初めてあった女性にそんな醜態を晒した上にベットに連れ込むなんて・・・
何で俺を止めてくれなかったんだ!!!!

「うわ~。そんな落ち込んでるロイ見るのも初めてだよ。クククッ・・・。
昨日から面白い事ばっかりだな~♪まあ、とりあえずルクティアナ嬢ってロイの運命の子なんでしょ?」

「ヴッ・・・。恐らくな・・・。」

初めて目が合った時、同じベットで目覚めた驚き以上に全身の血が沸騰したみたいに熱くなるのを感じた。
この女は俺のだ。と本能が伝えているようだった・・・。
目覚めたばかりの姿をラインハルトに見せたくなくて、隠してしまった自分の行動に驚いた。
そんな俺の状況をわかってるみたいに眺めているラインハルトに苛立った。
知り合いの様に振る舞うのもムカついたし、アルに会いにここに来たと知った時はどす黒い感情が沸き上がるのを感じ恐ろしく思った。

逃げるように部屋を出てきた後あの女性はアルの妹君だという事を知り、ラインハルトも夜会で挨拶しただけの関係だと言った。

何かわからない安心した感情が沸き上がり、今すぐに会いたい気持ちが止められなかった。

しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

『番』という存在

恋愛
義母とその娘に虐げられているリアリーと狼獣人のカインが番として結ばれる物語。 *基本的に1日1話ずつの投稿です。  (カイン視点だけ2話投稿となります。)  書き終えているお話なのでブクマやしおりなどつけていただければ幸いです。 ***2022.7.9 HOTランキング11位!!はじめての投稿でこんなにたくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです!ありがとうございます!

君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!! 打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。

番(つがい)はいりません

にいるず
恋愛
 私の世界には、番(つがい)という厄介なものがあります。私は番というものが大嫌いです。なぜなら私フェロメナ・パーソンズは、番が理由で婚約解消されたからです。私の母も私が幼い頃、番に父をとられ私たちは捨てられました。でもものすごく番を嫌っている私には、特殊な番の体質があったようです。もうかんべんしてください。静かに生きていきたいのですから。そう思っていたのに外見はキラキラの王子様、でも中身は口を開けば毒舌を吐くどうしようもない正真正銘の王太子様が私の周りをうろつき始めました。 本編、王太子視点、元婚約者視点と続きます。約3万字程度です。よろしくお願いします。  

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい

鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。 家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。 そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。 いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。 そんなふうに優しくしたってダメですよ? ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて―― ……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか? ※タイトル変更しました。 旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」

処理中です...