騎士団の世話役

本編

断罪

「話を中断させてしまい申し訳ありません。
少しご報告申し上げたい事があります。
騎士団の者に発言の許可を！！」

公爵様が陛下に発言の許可を求める・・・ 

「何だ。申してみよ・・・。」

「では・・・ジュリアス殿説明を頼む」

「承知しました・・・。
私はリュベル騎士団、副団長を勤めております。ジュリアス・ミュゼルと申します。

現在そこのアストロズ侯爵には別の案件で騎士団の調査対象になっております。
不正な金品の取引や行き過ぎた暴行による殺人未遂事件等余罪は多いのです。
こちらが証拠になります。」

ジュリアス様がお付きの方に書類を渡す・・・

え？見かけないと思ったらプレストン叔父様と居たの？あ！ラインハルト様もいる！！！

「やめろ！！そんな物はデタラメだ！！
騎士団は私を嵌めようとしている！陰謀だ！
陛下・・・。助けて下さい！私は何もしていません。・・・お前ら覚悟しておけ。この私にこのような仕打ち・・・」

「・・・お父様を嵌めようだなんて、たかが騎士の分際で・・・」

「・・・・・・。」

陛下は無言で書類に目を通す・・・

その間ずっと、アストロズ侯爵親子は聞くに絶えない暴言で罵りつづけた。

「はあ・・・。漸ようやくだな・・・。アストロズ侯爵、お前の悪事は昔から耳に入っていた。だがお前はズル賢く今まで証拠を掴ませなかった・・・。
だが今回は違うぞ！
我が国で悪事を働くなど決して許さん！！
お前はもう終わりだ・・・。連れていけ！！」

「・・・お待ち下さい、陛下・・・待ってくれ・・・」

自分の敗北を知ったのか弱々しい声で抵抗するアストロズ侯爵・・・


「・・・待ちなさいよ！私のお父様に何するのよ！悪事が何だと言うの。私達は侯爵家なのよ！！！」

「・・・黙れ！！！
先程身分の下の者ならわきまえろと言ってたようだな。そなたの方こそ侯爵令嬢の分際で私の決めた事に口答えするのか？
恥をしれ！！身の程知らずが！！！この娘も一緒に連れて行け！！！
私の前に二度と姿を見せるな！」

「触るな！・・・何でよ！言うことを聞きなさいよ！！！私は侯爵令嬢なのよ・・・」

サリアベル様もかなりの抵抗をみせながら連行されて行った・・・。


はあ・・・。サリアベル様。
大人しくしてたら、不問で終わったかもしれないのに・・・。

身分制度を理解していないのはあの方だよね？
侯爵家が一番上じゃないのよ・・・私達は臣下であって、王家に仕えているのよ。
それを理解していたらあの態度には、ならなかったはずね・・・。


・・・・・・。

侯爵家親子が連行されて、周囲には騒ぎの余韻が残っており皆唖然としていたが

「騒がしくしたな・・・だか、我が国に蔓延はびこるクズは排除した。喜ばしい事だ。この中には被害にあった者もいただろう。もうなにも恐れる事はないぞ！
皆、祝いだ！！夜会に戻って楽しんでくれ！」

陛下の発言と共に音楽が流れ始め、また元の夜会に戻っていった・・・

流石陛下・・・一瞬で元の空間に戻された。

陛下のお付きの人が近づいてきて、ディー様に何かを伝える・・・。

「ティア、陛下が話しがあるそうだ。
移動しよう・・・。」

え？陛下が私に話し・・・？