140文字だけの小説

桜海 ゆう

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14 私の居場所がないのは、世界が用がないからなのか

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  サヤは会社帰りに、夕食のお弁当と残り少なくなっていた
ファッション雑誌を買い、鉛のように重たい体で動かない思考で後悔する。

     「雑誌にすら、私の居場所はないのか...」
 電子レンジで温めたお弁当が冷たくなりはじめ、箸をとめファッション雑誌を買った自分に後悔した。

   てっきり30代のファッションのみの雑誌かと思ったら、ママさんタレントを始め、ママさんモデルの1日特集だった。


   可愛い子供と並び綺麗な最先端の服に身をつつみ、そんな長い爪で料理をつくっているのかと思うキラキラネイルを見せびらかす。


    こっちは中間管理職になり、上からも下からもこき使われる毎日で、クタクタだ。独身...。影で育休や出産した同僚にマウントをとられている事も知っている。

    サヤは、半分以上残ったお弁当と一緒に、雑誌を生ゴミのゴミ箱に捨てる。


 ビールだけを冷蔵庫から出し、ベランダに出た。秋になり空がグンと高くなっている。まるでこの世界から用はないと言われているようだ。

       サヤは、ビールを一口飲んで、また空を見あげた。

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