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1-3 ルーチェ店を開くその名もドーナツ屋!
しおりを挟む変態男に連れられ数分とある空き家に連れてこられた。
「…え? ここは?」
「僕と君のスウィートハウスだよハニー」
「ハ…ハニー!?」
ハニーという言葉に私はドン引きをし、後退りをするが男は逃がしてくれなかった。
そして男は私の手を引き空き家の中に連れ込まれた。
「あの…? ここで一体何を?」
「何がしたい? 下はお店のスペースとして作ってあるからなんでもできるよさあ、ハニーやりたいお店は何かあるかな?」
「ちょ、ちょっと待って! 何で会ったばかりの見ず知らずの方にそこまで…?」
「確かに出会う前は見ず知らずだったよね、でも出会ってしまった これがどういうことかわかるよね?」
分からない分かりたくもない。
「さあ? 私には分かりません」
「じゃあ分かるまで体で教えてあげるね、まずはその愛らしい唇に…」
んーと近づくが私はこの男の顔を片手で逸らしガードした。
「やめてください! 私そんな気はありません!」
「…仕方ないな、とりあえず中に入って今後のことについて話し合おうか」
話し合う気さらさらないんだけど?
私は男が建物に入ると同時に回れ右をして走りさろうとしたが何故か足が重くなった。
「どこに行く気? というか僕から逃げられると思うの?」
思ってるから逃げようとしとるのが見えんのかこんにゃろ…。
しかもご丁寧に重力魔法かけてやがる…。
「僕はね魔法で誰にも負けたことがないんだ。」
だから? それがどうしたって話なんだが。
そして私は渋々と中に入っていった。
中に入るとまだ家具とはなかったがお店を開けるくらいの十分な広さがあった。
「さ、何かやりたいお店はある?」
「え? やっていいんですか?」
「勿論さ、何が得意? 君ならなんでも似合うと思うよ!」
女の子だから服とかアクセサリーのお店開くとでも思ってんのだろうか。
男はニコニコと私の手を握って笑っている。
「そうねぇ…あっ! そうだわ! ドーナツ屋にしましょう! 私ドーナツが大好きなの!」
前世ではよくドーナツ作ってたからこれでドーナツ屋さんを開店させようかしら!
「どーなつ?」
あら?ドーナツと聞いて疑問形ね、ああそっかこの世界にはスウィーツは存在しないんでしたわね、甘いものがあるとすれば果物の砂糖漬けぐらいだし、私アレ嫌いなのよね甘すぎるし。
「でもキッチンがないとドーナツが作れないわ…」
早速詰んだわ、そう思ってると男は「大丈夫だよ」と言った。
何が大丈夫なのかしらね?
「キッチンスペースはどこにする?」
「そうねぇ…スペースもあるし…あ、ここの空き部屋ちょうどいい広さね、ここでもいいかしら?」
「勿論さ! じゃあそこをお店用のキッチンスペースに決定だね!」
「え、ええ…」
「それでオープンはいつになるの?」
「それはまだ決めてないけど…お店の準備が整い次第開店したいと思ってるの」
「じゃあ準備期間の間はイチャイチャ出来るんだね!」
「しません」
そうして私は変な男に捕まり一緒にお店を始めることになったのだった…。
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