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くすくすと笑う二人に、私は一瞬にして頭に血がのぼり、背筋にゾワリと鳥肌立った。
けれど、怒りに浸透されている割には、頭の中は妙に冷静で落ち着いていた。否、他を感じとる余裕がなく、怒りに震えて動けなかっただけかもしれない。
「うまく妊娠してくれて良かったよ。おかげで結婚できたし」
「ちゃんと流れてくれたしね! 産まれてたら嫉妬しちゃってたわ~」
「美和はホント可愛いよな」
目の前が真っ暗になる。
全てが計画された事だったなんて……。
私が頑張れば、認めてもらえればと思っていた。私が何かしてしまったのだと思い、挽回しようと頑張っていたのに……。
もはや涙すら流れない。
そんな私に気が付く事なく、過去の栄光を楽しむように二人は笑いながら話続ける。
悲しみや絶望以上に怒りだけが積み重なり、私の中に果てしない憎悪が宿っていく。
「美優も結婚したし、これからどうする?」
「どうしようかな~」
「……離婚して」
驚く程に冷たい声で告げると、二人は驚いた顔をして勢いよくこちらへと振り返った。
「梨花!?」
「お前、仕事じゃ!?」
「……あぁ、ずっと働いてばかりで家に居なかったものね……」
私は自嘲気味に言った。
家にお金を入れてくれなかった大地が、まさか美和と豪遊していた事なんて知らなかったし、それを美優も知っていたなんて……。
あれだけ必死に寝る間もなく働いていても、絶対に認められる事はなかったのだ。どこまでも私だけが仲間外れだったのだから。
「どこから聞いて……」
「全部かな。だから離婚して美和と一緒になれば良いじゃない」
冷たい声。
もう大地や美和に執着する私が居ないと分かる。
すっぱりと二人に対する情が消え去っているのだから。
「離婚はしない! うちの会社がどうなるんだ!」
「そうよ! 私達の生活はどうなるのよ!」
全て知られたからと開き直った二人は、そんな言葉を吐いてくる。
自分達の保身だけで、私の事など何も考えていないのがよく理解できた。
というか、怒鳴りたいのはこっちだというのに、何で二人が怒鳴り散らしているのか。
二人にとって、一体私は何だったのだろう……それこそ、昔から。結婚した時? いや、もっと前からだ。
怒りを通り越して、もはや呆れてしまう。
「知らな……ごほっ!」
「ひっ!」
「なっ!」
言葉を紡ごうとした時に吐き気が来て、私はそのまま嘔吐してしまった。
口から吐き出されたのは、見慣れた鮮血なのだけれど、二人は驚いて後ずさる。
「ちょっと……梨花にもしもの事があったら……」
けれど、怒りに浸透されている割には、頭の中は妙に冷静で落ち着いていた。否、他を感じとる余裕がなく、怒りに震えて動けなかっただけかもしれない。
「うまく妊娠してくれて良かったよ。おかげで結婚できたし」
「ちゃんと流れてくれたしね! 産まれてたら嫉妬しちゃってたわ~」
「美和はホント可愛いよな」
目の前が真っ暗になる。
全てが計画された事だったなんて……。
私が頑張れば、認めてもらえればと思っていた。私が何かしてしまったのだと思い、挽回しようと頑張っていたのに……。
もはや涙すら流れない。
そんな私に気が付く事なく、過去の栄光を楽しむように二人は笑いながら話続ける。
悲しみや絶望以上に怒りだけが積み重なり、私の中に果てしない憎悪が宿っていく。
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「どうしようかな~」
「……離婚して」
驚く程に冷たい声で告げると、二人は驚いた顔をして勢いよくこちらへと振り返った。
「梨花!?」
「お前、仕事じゃ!?」
「……あぁ、ずっと働いてばかりで家に居なかったものね……」
私は自嘲気味に言った。
家にお金を入れてくれなかった大地が、まさか美和と豪遊していた事なんて知らなかったし、それを美優も知っていたなんて……。
あれだけ必死に寝る間もなく働いていても、絶対に認められる事はなかったのだ。どこまでも私だけが仲間外れだったのだから。
「どこから聞いて……」
「全部かな。だから離婚して美和と一緒になれば良いじゃない」
冷たい声。
もう大地や美和に執着する私が居ないと分かる。
すっぱりと二人に対する情が消え去っているのだから。
「離婚はしない! うちの会社がどうなるんだ!」
「そうよ! 私達の生活はどうなるのよ!」
全て知られたからと開き直った二人は、そんな言葉を吐いてくる。
自分達の保身だけで、私の事など何も考えていないのがよく理解できた。
というか、怒鳴りたいのはこっちだというのに、何で二人が怒鳴り散らしているのか。
二人にとって、一体私は何だったのだろう……それこそ、昔から。結婚した時? いや、もっと前からだ。
怒りを通り越して、もはや呆れてしまう。
「知らな……ごほっ!」
「ひっ!」
「なっ!」
言葉を紡ごうとした時に吐き気が来て、私はそのまま嘔吐してしまった。
口から吐き出されたのは、見慣れた鮮血なのだけれど、二人は驚いて後ずさる。
「ちょっと……梨花にもしもの事があったら……」
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