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16.楽しい聖地巡礼
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お嬢様が睨みつけてきた所で、こちらは街並みを堪能する事が何より優先だ。
お嬢様に憑いて街歩きをしたり……ゲーム画面に出されていた噴水がある広場へ行ったり……行ってみれば聖地巡礼か!
「ゲームの世界が間近に!」
「少し違和感はあるかもしれませんが……」
ボソリとお嬢様も声に出した。確かに2次元と3次元では全く違う感じがする。どれだけ精工に作られていても、画面の中は所詮画面の中なのだろう。
目の前にある本当の景色は、同じようで違うのだ。
「これがゲームと現実の違いか……」
「……今はそんな事より楽しみませんか?」
思わず俺が口にした言葉で、お嬢様は悲しそうな表情を見せる。
ゲームは作り物で、今は現実で……シナリオの選択肢を間違えば最悪な未来が待っているお嬢様。そこに現実として身を置いてしまうのも、どうなんだろうか。
……幽霊として、ここに居る俺もどうかと思うが。
「いっそスチルを集めたい……いや、でも食べ物も気になるな……俺でも楽しめるような娯楽はないのか……」
俺の呟きに少し口元を緩めたお嬢様は、行ける範囲で街中デートに使われた場所へ行き、美味しそうな食べ物を買い込んでくれた。あとでお供えしますね、という言葉と共に。
……ていうか、買った物の中に娯楽品がない辺り、俺でも楽しめるようなものは思い当たらなかったという事だろうか……。そうだろうな……。
色んな所を二人で回って、お嬢様が俺に話しかける時は人があまり居ない場所に行って小声で呟いたりして、この世界を満喫した。
「そろそろ帰ろう!お供え!お供えー!」
「そうですね、疲れました。……聖地巡礼のように楽しんだのは生まれて初めて」
慣れない人混みに疲れただろうお嬢様へ、気遣うように声をかける。いや、気遣ったと言っても本心を口に出しただけだが、お嬢様も本心だろう言葉を後半でポツリと呟いた。
確かに、悪役令嬢に転生なんて気が気じゃないだろう。むしろ楽しむ気持ちがあって生きる事が出来たのだろうか。
「……悪役令嬢じゃなければ……せめて、ただのモブなら、楽しめたのかもしれないのに……」
悲しそうに呟くお嬢様に、ふと背後を振り返って街並みを見る。
大勢の人間が溢れかえっている。
「……これだけの人が居て、元日本から来た人って、俺達だけなんだろうか……」
俺のそんな呟きに、お嬢様はハッとしたように顔をあげる。
しかし、この街での人口や日本の人口を考えると、俺がお嬢様と会えた事は奇跡に近いのかもしれない。
そんな事を呟けば、お嬢様も呟くように、奇跡ではなく必然だったら良いのに、と言った。
お嬢様に憑いて街歩きをしたり……ゲーム画面に出されていた噴水がある広場へ行ったり……行ってみれば聖地巡礼か!
「ゲームの世界が間近に!」
「少し違和感はあるかもしれませんが……」
ボソリとお嬢様も声に出した。確かに2次元と3次元では全く違う感じがする。どれだけ精工に作られていても、画面の中は所詮画面の中なのだろう。
目の前にある本当の景色は、同じようで違うのだ。
「これがゲームと現実の違いか……」
「……今はそんな事より楽しみませんか?」
思わず俺が口にした言葉で、お嬢様は悲しそうな表情を見せる。
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……幽霊として、ここに居る俺もどうかと思うが。
「いっそスチルを集めたい……いや、でも食べ物も気になるな……俺でも楽しめるような娯楽はないのか……」
俺の呟きに少し口元を緩めたお嬢様は、行ける範囲で街中デートに使われた場所へ行き、美味しそうな食べ物を買い込んでくれた。あとでお供えしますね、という言葉と共に。
……ていうか、買った物の中に娯楽品がない辺り、俺でも楽しめるようなものは思い当たらなかったという事だろうか……。そうだろうな……。
色んな所を二人で回って、お嬢様が俺に話しかける時は人があまり居ない場所に行って小声で呟いたりして、この世界を満喫した。
「そろそろ帰ろう!お供え!お供えー!」
「そうですね、疲れました。……聖地巡礼のように楽しんだのは生まれて初めて」
慣れない人混みに疲れただろうお嬢様へ、気遣うように声をかける。いや、気遣ったと言っても本心を口に出しただけだが、お嬢様も本心だろう言葉を後半でポツリと呟いた。
確かに、悪役令嬢に転生なんて気が気じゃないだろう。むしろ楽しむ気持ちがあって生きる事が出来たのだろうか。
「……悪役令嬢じゃなければ……せめて、ただのモブなら、楽しめたのかもしれないのに……」
悲しそうに呟くお嬢様に、ふと背後を振り返って街並みを見る。
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