【完結】異世界で幽霊やってます!?

かずきりり

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33.憑くのも大変です

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「いやいやいや!治安が悪いって言うし、人が寄らない程に危険なんだろ!?」
「大丈夫!腕には自信があるわ!一週間程時間もあるし、剣の稽古をもっとすれば大丈夫よ!」
「色々大丈夫じゃない!主に俺が!」

 証拠が固くないと動かないって……それでも見回り強化くらいしてくれないのか?いや、そもそも危険地帯だから見回り強化してるのか?確かに証拠がなければ動きにくいというのは、どこの世界も同じなのかもしれないが……お嬢様が動くのは反対だ。
 ただでさえ筋トレや走り込みで大変な思いをしているんだ、俺が。それが乱闘?戦闘?になったら……。
 思わず背筋がブルリと震える。

「それ以外に、もっと穏便な方法はないのか。もういっそアイテムを購入できないように邪魔すれば良いんじゃないのか!?」
「確実性がないもの。人に対して退場なんて言う人に遠慮してたら……私がどうなるか」

 俺の声に、お嬢様は厳しい意見を返してくる。確かに、もう既に家名の問題は免れないだろう。ここまでやられてしまっては、穏便に……というのも難しいのかもしれない。しかし……だが……。

「反対!反対!絶対はんたーい!」

 俺の反対の言葉なんて全く聞こえないといった風にお嬢様は鍛錬のメニューを書き出していく。その予定はびっしりだ。
 アニスも本当に何て事をやってるんだ!穏便に済ませば良いものを!
 お嬢様に憑いて鍛錬に付き合うか。
 アニスに憑いてリア充撲滅を孤独感満載で願うのか。
 何この究極ともいえる選択は!
 というか、お嬢様の身に何かあった場合、俺どうなるの?

「そんな危険な事は、絶対に反対するー!」

 俺は平和な日本人高校生だぞ。
 もっと穏便に!もっと平和に!主に俺の為にも!





「はぁああ!」
「もっと足を踏み込んで!」
「はい!」
「体重を乗せて!」
「はい!」

 意識が浮上する。久しぶりに寝た~という感じなのだが、あまりにもうるさくて目が覚めた。
 眼下には剣を握り稽古をするお嬢様……。稽古の相手をしているのは、公爵家の騎士だろうか。
 お嬢様もお嬢様で、頑固というか何というか……まぁ命がかかってるもんなぁとは思うけれど……。
 お嬢様といいアニスといい、平和な日本からの転生者なのかと思えてしまうのは、転生者としてこの世界で生きたか否かの違いなのだろうか。

「ありがとうございました!」
「いえ、お嬢様は筋が良いですね」

 お、やっと終わったか。
 これで一息つける……と思いきや。

「では頂いたメニューで走り込みと筋トレをしてきますね!」
「えぇええええええええ!!!????」

 俺の絶叫なんて何のその。問答無用でお嬢様は走り出した。俺を引きずって。
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