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14.有名な商会
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「真実の愛を余程信仰しているのかもしれませんねぇ」
「それならそれで、真実の愛を信仰する国でも興して欲しいわ。帝国とは関係ない所で」
ジェンの言葉を一蹴するけれど、本気でそう思っているなら帝国とは関わらない所で頼みたい。史実を元にしているだけで、実際そんな事が起きたらどうなるのか考えれば分かる事。だからこそ元にしているだけで、美談に仕上げるという嘘偽りが出来ているのだ。
「皇女様、先ほどガルム・レスターの報告書が届きました」
ベルが持ってきた書類を私に手渡す。
確かにガルムはロドル王国で新しく男爵位を貰っていて、元々は平民。起こしていた商売が大きくなり、学園へ入った方が良いという事で、たまたま滞在していたロドル王国ので声がかかったようだ。
確かに、ロドル王国は海沿いにある国と山沿いにある国が帝国へ入るのに通る国で、商業都市としては盛んな為、ここに滞在する理由は分かるのだが……。
「……レストルズ商会!?」
ガルムが起こした商会の名前を見て、私は思わず声をあげた。
各国で有名なレストルズ商会。取り扱っている品の質は良く、流行を先取りしたのかと思える程に、商品の取り揃え方も素晴らしい。
貴重と思える骨董品の類も一流で、偽物が混じる事のない目利きの素晴らしさも有名な理由だ。
「帝国の学園で学んでもおかしくはない程なのに……」
「そこも追記で書かれております」
平民と言え、それだけ優秀なのであれば帝国で滞在して欲しいくらいで、むしろ帝国で爵位を渡したいとさえ思える。しかし、ベルの言っていた追記部分に目を通すと、ある意味でガラムらしいと溜息が出た。
「……確かに帝国は王国に比べて学が高いわね……」
「学ぶより仕事のようですね。ただ……経理や書類関係は苦手みたいです」
商業都市というだけでなく、仕事をする時間を確保する為に、勉強の時間は省けるだけ省きたかったというわけか。
そして自分は現場に居て、裏方の仕事は誰かに任せればいいから、そこまで学んでいないと……賢いのか、馬鹿なのか。
「……まぁ、噂を真に受けていないだけ、人を見る目はあるのかもしれないわね」
噂や肩書などに惑わされて採用した者が裏切る、という事もある。
そう考えればガルムは自分のやりたい事を効率よくやり、その為に必要な人間としての賢さを持ち合わせているという事は今日だけで理解できた。
「むしろ、この国に居た方が腐るのではないかしら……」
まぁ、そこはガルム自身が決める事であって、私には関係ないけれど……優秀な人間が腐るのは残念に思うだけだ。
それより……。
「真実の愛というのであれば、身分関係なく結ばれると良いのにね」
「そうですね、身分なんて関係ないでしょう」
「愛さえあれば良いというのが真実の愛というものでしたよね」
私の言葉にベルとジェンが頷く。
浮気のように囲うより先に、正式な手順を素早く踏めば被害は少ない。むしろ、これだけ周知されている恋人の存在を、国王と王妃がどう思っているのか。……まぁ、知っていて何も手を打っていないだけだろう。
知らない、なんて事はありえない。それこそ愚の骨頂であり、国王という立場だけでなく、親としても失格だ。
それとも……帝国の属国という王国が位置している立場を理解しているからこその逃げなのか。
何のせよ、今の現状は帝国に喧嘩を売っている事に変わりのない事だ。
「それならそれで、真実の愛を信仰する国でも興して欲しいわ。帝国とは関係ない所で」
ジェンの言葉を一蹴するけれど、本気でそう思っているなら帝国とは関わらない所で頼みたい。史実を元にしているだけで、実際そんな事が起きたらどうなるのか考えれば分かる事。だからこそ元にしているだけで、美談に仕上げるという嘘偽りが出来ているのだ。
「皇女様、先ほどガルム・レスターの報告書が届きました」
ベルが持ってきた書類を私に手渡す。
確かにガルムはロドル王国で新しく男爵位を貰っていて、元々は平民。起こしていた商売が大きくなり、学園へ入った方が良いという事で、たまたま滞在していたロドル王国ので声がかかったようだ。
確かに、ロドル王国は海沿いにある国と山沿いにある国が帝国へ入るのに通る国で、商業都市としては盛んな為、ここに滞在する理由は分かるのだが……。
「……レストルズ商会!?」
ガルムが起こした商会の名前を見て、私は思わず声をあげた。
各国で有名なレストルズ商会。取り扱っている品の質は良く、流行を先取りしたのかと思える程に、商品の取り揃え方も素晴らしい。
貴重と思える骨董品の類も一流で、偽物が混じる事のない目利きの素晴らしさも有名な理由だ。
「帝国の学園で学んでもおかしくはない程なのに……」
「そこも追記で書かれております」
平民と言え、それだけ優秀なのであれば帝国で滞在して欲しいくらいで、むしろ帝国で爵位を渡したいとさえ思える。しかし、ベルの言っていた追記部分に目を通すと、ある意味でガラムらしいと溜息が出た。
「……確かに帝国は王国に比べて学が高いわね……」
「学ぶより仕事のようですね。ただ……経理や書類関係は苦手みたいです」
商業都市というだけでなく、仕事をする時間を確保する為に、勉強の時間は省けるだけ省きたかったというわけか。
そして自分は現場に居て、裏方の仕事は誰かに任せればいいから、そこまで学んでいないと……賢いのか、馬鹿なのか。
「……まぁ、噂を真に受けていないだけ、人を見る目はあるのかもしれないわね」
噂や肩書などに惑わされて採用した者が裏切る、という事もある。
そう考えればガルムは自分のやりたい事を効率よくやり、その為に必要な人間としての賢さを持ち合わせているという事は今日だけで理解できた。
「むしろ、この国に居た方が腐るのではないかしら……」
まぁ、そこはガルム自身が決める事であって、私には関係ないけれど……優秀な人間が腐るのは残念に思うだけだ。
それより……。
「真実の愛というのであれば、身分関係なく結ばれると良いのにね」
「そうですね、身分なんて関係ないでしょう」
「愛さえあれば良いというのが真実の愛というものでしたよね」
私の言葉にベルとジェンが頷く。
浮気のように囲うより先に、正式な手順を素早く踏めば被害は少ない。むしろ、これだけ周知されている恋人の存在を、国王と王妃がどう思っているのか。……まぁ、知っていて何も手を打っていないだけだろう。
知らない、なんて事はありえない。それこそ愚の骨頂であり、国王という立場だけでなく、親としても失格だ。
それとも……帝国の属国という王国が位置している立場を理解しているからこその逃げなのか。
何のせよ、今の現状は帝国に喧嘩を売っている事に変わりのない事だ。
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