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 あ、あ、あ、ああぁあああ~~~~!!!
 言われて気が付いた。いつも猫として添い寝していた事に。でもあれ、同衾という程!?責任問題を伴うものなの!?

「あれは同衾に入りません!」
「一緒のベッドで寝たのに?」
「したんですか!?同衾!」
「あれは別です!」
「同じだと思うけどなぁ~」
「同衾したの!?」

 私と王太子殿下の声に対し、お父様が突っ込みの如く声を入れてくる。お父様は大慌てと言った状態だったけれど、どんな形であれ同衾した事が事実であると思ったのか、肩を落として頭を抑えた。
 そもそも貴族令嬢を止めたつもりでいたのだ。……まぁ、そのつもりだったのは私だけのようで、お父様的には私を娘と認めているような発言をしていた。つまり、見事に責任問題が付きまとうというわけだ。
 同衾した所で何もしていないのは王太子殿下がよく理解している。そもそも猫だしね!?
 だから純潔を重要視する王族との婚約も問題がないわけで……いや、問題としては現状の混乱した頭が問題だ。

「……どこから養子を貰ってこようかなぁ……」
「お父様!?」

 呆れたようなお父様の声に、思わず私が叫んだ。
 いや、養子って……あ、シェリーに継がせないのならば、そうなるの……か?そうなるか。

「王命なのだから……」

 どこか諦めたようなお父様は、家督責任かぁ……とまで呟いている。
 うん、実際居候なのであれば、その人達に実娘が散々蔑ろにされていて、こんな事態に陥っているわけだ。しかも私は教育だって最低限で……実践は乏しい。いや無理でしょ!王太子妃とか無理でしょ!王命って何!?

「子どもが二人以上生まれれば良いのですよ」
「!」
「まだ嫁に出しておりません!」

 サラリと爆弾発言を落とした王太子殿下の言葉で、私は身体中の血液が顔に集まったんじゃないかと思えた。お父様は睨みつけるかのように噛みついたけれど……。

「子猫……可愛いだろうなぁ」
「「猫!?」」

 私は人間です。と言いたいけれど、王太子殿下は見事に混在させているのではないか。愛を語るかのような言葉は全て猫に向けられていたものだし。
 ……ただ猫と結婚したいだけ……?それ、人としてどうなの?
 疑うような眼差しを王太子殿下に向ければ、それに気が付いたのか、私に対して微笑みを返してきた。

「イルはとても優秀で、王太子妃としても申し分ないよ」

 あ、うん……調べていましたもんね。言っていましたもんね。

「それに……虚ろな意識でもしっかり覚えているよ。イルが必死になって、限界まで回復魔法をかけてくれた事を。猫の姿を保てなくなるくらいに」
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