ロイヤル・タッチ ~婚約破棄されスラムに追放された鉄仮面の元王子は、ならず者達に慕われ反乱の兵を挙げる~

牧神堂

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村での二日目

第68話

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 さんざんカヤネにしぼられた僕は、一人とぼとぼと道を歩いていました。
 フィンさんは華麗に逃げちゃいましたし。

「や! しょげてるね」
 声が飛んでくる。
 振り向くとヤンマさんが小走りに近付いてくるところ。
「あ、ヤンマさん」

「同年代だよね? ヤンマでいいよ。くだけた話し方しよう。ぼくもタメで話すから」
 僕の前に立つと、明るい笑顔でそう言ってくれる。
「わ、分かりまし……分かった。そうする」
「ふふ、カヤネにどやされてたね」
「う。見てたの? 本当に僕が悪かったんだ」
「でもカヤネはちょっと楽しそうだった」
「ええっ、そう?? ああ、負い目があって逆らえない僕を一方的に叱れるからかな」
「カヤネはそんなに意地悪じゃないよ?」
「だって、僕とカヤネはちょっと気持ちが行き違うことがあったんだ」
「ふぅん。カヤネも気は強いからね」
「一生懸命自分を奮い立たせて頑張ってるのは……分かる」
「へえ! まだ会ったばかりなのに凄いや、アレン」
「先生がお亡くなりになったのは聞いたから。残されたカヤネとお弟子さん達には強い結びつきを感じるね」
「そりゃそうさ。ぼくら義兄弟七人は固い絆で繋がった運命の七人だと思ってるよ」
「運命の? 劇的な感じだ」
「ふふっ。ロッキー先生に拾われたぼくらは単に偶然集まったんじゃない。運命に導かれてここに集結したんだって」
「そっか。あ、じゃ僕の仲間達もそうかも」
「うん。きっとそうだよ」
「いいね! そんな風に思うの。うん、いい!」
「だろ? ぼく達はね、七人で力を合わせれば何だってできるのさ!」
「何カッコつけとんねん」
 僕とヤンマは飛び上がりました。

「カ、カヤネ。いたのか?」
 あたふたと聞くヤンマ。
「おるで」
「いつの間に忍び寄ったんだよ」
「普通に歩いとったらあんたら立ち話しとるさかい追いついただけや」
「いや、少し走ったろ?」
「どうでもええやん」
「アレンなんか怯えて口もきけないでいるぞ?」
「あはっ、きつう言いすぎたかいな」
 僕の肩をポンポンと叩くカヤネ。
「石の話はもう終わっとるで? 村の人らにはうちから深く謝っとくつもりやし」
「あっ……うん。ありがとう、本当に」
 微笑むカヤネと一瞬見つめ合ってしまいました。
「カヤネは根に持たないから安心しな」
「そういう話をしとったん?」
「ん? どこから聞いてた?」
「運命の七人」
「ああ……」
「まぁ、うちもそない思とるけどな!」
「だろ? だよね!」
「じゃ、うちは先行くで。色々忙しいねん」
 カヤネは駆けていく。

 カヤネの後ろ姿を見送りながらヤンマは言う。
「ねぇ、アレン」
「ん、何?」
「カヤネを嫁にもらえば?」
 びっくりして、僕は咳き込んでしまいました。
「大丈夫かい?」
「ゲホッ。ゲホッ。突然何を言い出すの?」
「けっこういい感じかなぁと思って」
「ヤンマこそカヤネのこと好きなのかなぁって思ったのに」
「えっ、好きは好きでもそんなんじゃないよ。妹だと思ってる」
「妹かぁ」
「うん。何かさ、カヤネは皆の世話を焼いてるうちに婚期を逃すような気がして」
 そう言われるとそれは確かに有りそうなことに思えます。
「だから考えといて」
「えっ、いや、それは、その」

「アレン。いた」
 今度はトリアさんの声。走ってくる。
「フィンに聞いたわ。泣いてるの?」
「えええっ! 泣いてないです」


 僕達はヤンマの案内で村のあちこちを見て回りました。
 先々で村の人達と遭遇し挨拶を交わす。
 誰も僕の仮面を気にする様子はありません。
 傭兵やさすらいの武芸者には異様な出で立ちで傾く者も多いと聞きます。
 僕もその類いと受け止められているわけでしょう。

 王都ではあまり見かけない傭兵ですが、地方にはけっこういます。
 それは昔からそう。
 大きな町の治安隊の目が行き届かないところで徒党を組んで悪事をなす賊が田舎には多く存在していて、その暴力悪行に対抗する手段としての用心棒の需要が小さな町村にはあったからです。
 つまり、そのおかげで仮面も地方ではそれほど目立たずに済む。助かります。
 この先はもう麻袋は被らなくてもいいかも。

 村の風景はこの王国の田舎ではよく見られるものでした。
 子供の頃、父について回った田舎の村の景観と重なります。
 田畑に水車小屋、礼拝所、厩舎、社交の場の井戸、墓地。
 寄り合い所の炊事場は大きく、祭りの時など多人数の食事を作る時に使うとか。傭兵に振る舞う食事を作ってるのもここ。
 目を引いたのは大きな煙突の突き出た広い建物。村の一番奥にありました。

「あれは公共の大浴場なんだ。村人全員の共用。週に二回だけ湯を沸かすから熱いお風呂に入れるよ」
 説明してくれるヤンマ。
「そうだ、今夜は風呂日だ。カヤネは言ってなかった? 夕食の時にでも言うつもりだったかな」
「自由に入りに来ていいの?」
 トリアさんが質問。
「一応男性専用の時間と女性専用の時間があります。男女でスペースを分けたりしてないですから。脱衣場は男女別ですけどね」
「混むんでしょうね」
「混みますね。入り損ねた人のために最後にフリーな時間も取ってあります。その時間帯は混浴になりますけど」
「あら」
「混浴時間は比較的すいてますよ」
 ふとラミアさんはどうするだろうと思いました。
 身体は見られてももう大丈夫だけど、ガミガミ女の仮面をつけたまま入りに来るかな。
「あとお湯でなく水を使うだけならいつでもどうぞ」


 道場に引き返す途上。
 広場で子供達が犬と遊んでいるのが目に入り、僕は立ち止まりました。
 またしみじみと思い出す。
 ……トルク。僕と一緒に成長した愛犬。やっぱり似ているなあ。
 たまらず僕は駆け出し、子供達の中に入っていく。
「犬が指示通りちゃんとできたらいっぱい褒めてあげて」
 いきなり犬との遊び方を教え始める変なお兄さんを子供達は受け入れてくれる。
 追いかけっこが始まりました。
「犬にも自分を追わせるように仕向けてね」
「この子はポンタっていうんだよ」
「ポンタ、おいで」
 無邪気な笑い声が夕暮れに響く。
 いつの間にかトリアさんも混ざってる。
 華麗に高速の連続バク転をして見せ、子供達の喝采を浴びています。
「うわあ! うちの姉ちゃんよりすごいや!」
 ポンタの飼い主の子がちょっと悔しそうに叫ぶ。
「先に行ってるよー」
 ヤンマの声。

 夢中で遊んで過ごす時間。
 やがて子供達には家族のお迎えが来て、一人また一人と数が減っていきます。
 最後に残ったのはポンタとその飼い主の子。
「アタル~! ご飯だよ~!」
 広場の入口で、麦わら帽子を被った若い女の人が口の両端に手の平を当て呼び掛けてきました。
「あっ、ホタル姉ちゃんだ! お兄ちゃん、お姉ちゃん、じゃあまたね!」
「ワン! ワン!」
 手を振り振り走り去ってゆくアタルくん。ポンタは尻尾を振り振り追ってゆく。
 名残惜しいけど、これで解散。



 道場に戻るとすぐに喧騒の夕食が始まりました。
 カヤネが皆に向かって告知。
「今夜はお風呂入れるでー。時間決まっとるさかい希望者はイチョウに言うてや。うちとヤンマは村長はんらと会合や」
 言うなりいなくなりました。

 夕食からしばらく後、入浴を望んだ人達は男女に分けられイチョウに連れられて行ってしまいました。
 居残り組は僕とラミアさんとガンプさんとバニヤンさんとスカラボさん。
 バニヤンさんは寝てしまい、ガンプさんは素振りに。スカラボさんは食事に少し手をつけただけで、またうずくまってしまっています。
 僕はやはりラミア軍の仲間以外の人との入浴は無理です。

「水でよければいつでも浴場を使えるそうですよ」
 情報を伝えるとラミアさんは声を弾ませました。
「そっか! 助かるね」
「ところで……」
「うん。やっぱり気になるよね……」
 二人同時にスカラボさんの方を見る。
「元国軍兵。軍の内部のこと、話を聞きたいけど」
「心を閉ざしてますね」
「何でだろ。単にフラれて落ち込んでるだけなのかもしんないけどさ」
「でもあの人、つぶやいたんです」
「何て?」
「国軍になんて入るなって」
「……それ、意味は色々考えられるけど……」
「ええ、単に仕事が大変だってことだとも思えますし」
「本人に聞かなきゃ確かなことは分かんないね」
「話をしに行ってみます? たいしたことは知らないかもしれないですけど、人がいない今はチャンスです」
「そうね」
 動こうとした時、道場の扉が開きました。残念。
「あれっ? 人少ないな」
 カヤネです。
「みんなお風呂に行ったよ」
 僕は声を掛ける。
「この時間を選んだんか?」
「え?」
「今は混浴時間やで」

 しばらくして女性陣が帰ってきました。
「混浴なら先にそう言っておいて欲しかったですわ」
 カヤネの顔を見るなり、憔悴した表情でルキナさんが訴えかけてくる。
「えっ? いや?」
「別棟で少し待たされたし、てっきり女性専用時間なんだと思ってたの」
 トリアさんも言う。
「皆に見られてしまいましたわ。見知らぬ殿方にも」
 顔を覆うルキナさん。
「洗い場に入るなりドンマルさんと正面衝突して尻餅ついたわよ。足開いて」
 トリアさんは割りとどうでもよさそうな雰囲気。
「欲情の浴場!」
 手足をジタバタさせるメルティさん。
「真っ先に中に入ったズバンヌたんは普通に湯に浸かってたけど!」
「いや、ちゃんと周り見てなかったから。この村ゴツい女が多いなとは思ったんだ」
「それにしてもあのじーさん! 周知の羞恥!」
 メルティさんのジタバタが加速します。何があったのでしょうか。
「オレだってこんな恥ずかしい思いしたの初めてだ。びっくりした」
「ズバンヌたんは長いタオル巻いたままだったやん! 普段より露出度低かったやん!」
 メルティさんのツッコミに力が入る。
「ねぇ、テンテは誰のが一番大きかったと思う?」
 テンテにしな垂れかかって聞くのはイチョウです。
「しっ、知らないよっ! 何の大きさだよっ!」
「ウソ。とぼけないで。村のボーマンさんのが高速で大きくなってく名場面見たでしょ?」
「知らないって! 誰だよ、ボーマンさんって」
「ルキナ姉ちゃんを見るなりゴゴゴゴゴ、ドーンって感じで凄かった!」
「いっ、いやああああっ!!」
 かなりレアなルキナさんの悲鳴。
「イチョウ!」
 カヤネがイチョウを怒鳴りつける。
「あんた皆を騙したんやな?」
「騙してないよ」
「何も説明せんと皆を混浴時間に入浴させとるがな」
「騙したんじゃなく情報を制限して与えただけだもん」
「屁理屈言わんときい!」

 この刺激的な騒ぎの中でもスカラボさんは顔を伏せたままでした。
 そしてやがて幸せそうな、あるいは魂が抜けたような表情をした男性陣が戻ってきました。


 寝具を用意しながらカヤネがつぶやく。
「今日もミルクは帰ってきぃへんかったな…………大丈夫かいな」

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