ロイヤル・タッチ ~婚約破棄されスラムに追放された鉄仮面の元王子は、ならず者達に慕われ反乱の兵を挙げる~

牧神堂

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村での三日目

第69話

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 夜が明ける。
 ぼんやり目を覚ます。
 周りの皆はまだ眠っているのが気配で分かります。
 トリアさんの腕も絡みついてますし。
 ただもうけっこう明るいのでカヤネ達の朝練は終わっているでしょう。

 不意に枕元で身じろぎする音。
 それで覚醒しました。
 トリアさんを起こさないように身をもたげる。
 タンゴくんが正座して僕を見つめていました。膝の上で手の平を丸く合わせて閉じている。
 ちょっとビクッとしてしまいました。
「ど、どうしたの?」
「あう、あの……」
「用事かな? みんな寝てるから向こうに行こうか」
 誰もいない一角に向かうとタンゴくんは手の平を閉じたままついて来る。

「さ、話して? カヤネのお使い?」
 タンゴくんは首を振ります。
「ん?」
「お兄さんはお医者さん?」
「えっ、違うよ」
 そうか、僕がタンゴくんの手当てをしたらすぐにケガが治ったからそう思ったんだ。モーラさんの薬のおかげなのに。
「…………」
「ど、どうしたの?」
 タンゴくんは差し出した手の平を開く。
 中には小さな小鳥。
 かなり弱っているようで、目を閉じたまま膨らんで動きません。
「そうか。治療して欲しかったんだね?」
 こっくりうなずくタンゴくん。
 ふとルナシーが小鳥を拾ってきた日のことが脳裡をよぎる。
「分かった。できるだけのことはしてみるよ」

 手の平から手の平へ、小鳥を受け取りました。
 小さな外傷ならモーラさんの薬で何とかなるかもしれない。
 でも、骨折や病気だったら……難しい。
 まずは傷を調べてみよう。
 僕には手に負えそうになかったらメルティさんを起こすしかない。
 メルティさんに治療ができるのかどうかは分かりませんけど。

「……チチッ」
 え、あれっ?
 考えている間に僕の手の平の中から聞こえてきた鳴き声。
 見るとうずくまっていた小鳥は起き上がり、目をパチクリさせています。
 小さく羽ばたく。
「あれっ?」
 覗き込んだタンゴくんも驚きの声を出す。
「元気になったかもしれないよ?」
 あの時と同じ。
 一時的な脳震盪だったのかも。

 僕達は外へ出る。
 手の平を空に向ける。
 小鳥は大きく羽ばたき、そして飛んでいく。

「よかった……」
 あまり見ないタンゴくんの笑顔は柔らかい。
「優しいんだね、タンゴくん」
 タンゴくんははにかみます。
「タンゴて呼んで。お兄さんのおかげ」
「僕は何もしてないよ」
「だってぼくが持ってる時は全然動かなかったもの」
「時間が経てば動いてたよ」
「お医者さんになりたい」
 唐突にタンゴくん……タンゴは言いました。
 確かにタンゴは性格的に武芸者向きではないのかもしれません。
 おとなしく気が弱そうで、イチョウにしごかれても強く抵抗できない子。
「ぼくのお父さんもお母さんも、病気で死んじゃったの」
「……だから、病気を治せる人になりたいんだね」
 うなずくタンゴ。
 ご両親をあの死の病で亡くし、先生に拾われるまではおそらく一人で生きてきた。
「応援するよ。きっとお医者さんになれる」
 気休めの言葉だけじゃダメだ。
 落ち着いたらメルティさんに相談してみよう。学ぶためのツテを大学方面に持っているかもしれない。
「お兄さん、ありがとう。朝ご飯の用意しなくっちゃ」
 そのままタンゴは手を振って駆けていきました。
 


 喧騒の朝食が始まります。
 今日は男は男同士、女は女同士みたいな感じで自然に別れています。
 床に座って輪になっているので、ちょっとピクニックでの食事みたいな感覚もあって楽しい。
 でも、僕は何で女性グループの中に普通にいるんだろう。
 一人でいるのはスカラボさんとブローレンスさん。ブローレンスさんは男の集まりに入っていくのが嫌なようです。
 配膳係がヤンマだったのも不満なようで、ずっとぶつくさ言っています。
 それは昨夜のような言動をしていては村の女の人達は近寄るのを嫌がるでしょう。
 バニヤンさんは食事の時だけ起きてきて輪の中に加わる。
 罵りあうクラッツさんとドンマルさんは、でも離れて食事しようとはしないのが不思議です。

 配膳を終えたテンテとイチョウ・ニトロ・ツブラも女性グループの中に混じる。
 ヤンマとタンゴは男組に。
 カヤネは何かと忙しいようで、いつも道場では食事をしません。
 あとはラミアさんも外。トーマさんの他にフィンさんもついて行きました。

 思い出してメルティさんに動物の治療ができるか聞いてみました。
 残念ながら答えはノー。
 衰弱している動物がいればその原因の見立てまではやれるかもしれないけど、薬の処方や手術などはしたことがないそうです。


「あーっ! お前っ! オレの肉盗ったろ?」
 ズバンティーヌさんが突然大声を張り上げました。
 言われたテンテは口をモグモグさせながら首を振る。
「さっきまで皿の上にあった肉がねぇだろ!」
 テンテは黙って咀嚼を続ける。
「そのモグモグしてんの何だ? 口開けて見せてみろっ!」
 テンテは首を振る。
「オレの肉はどこいったんだよ!」
 うなずくテンテ。
「そのうなずきはどういう意味だあっ!」
 テンテはモグモグしていたものを飲み込みました。
「ああーっ!! 返せよっ! 肉っ!」
 ズバンティーヌさんは指をわきわきさせて騒ぎ立てます。
「ズバンヌたん、子供相手に浅ましいの。みっともないの。大人げないの。心が狭いの。見苦しいの」
 メルティさんが責め立てる。
「ええっ、そんなに?! だってよ、肉は量が限られてるんだぜ? 貴重なんだぜ? 最大の楽しみなんだぜ? それをこのガキが」
「おいらテンテだいっ!」
「偉そうに名乗るとこかっ!」
「もういいじゃない。子供のやったことにそこまで目くじら立てなくても」
 トリアさんが呆れた顔でいいます。
「いやいや、やられた時に退いちまったが最後、その後はずっとやられっぱなしになんのが世の常だ。子供も大人もねぇんだ!」
 ルキナさんが自分の分の肉をズバンティーヌさんのお皿に乗せました。
「わたくし、お肉はいただきませんのよ。よかったら召し上がって下さいな」
 ズバンティーヌさんの顔がパアッと輝く。
「聖女か!!」

「あんな意地汚い大人になりたかないや」
 しゃあしゃあと言うテンテ。
「……テンテはズバンヌさんそっくりの大人に……きっとなる……」
 ニトロがボソボソとつぶやきます。


 盛り上がっていると、ブローレンスさんがうひゃうひゃしながら近づいてきました。
「いやぁー、昨夜は楽しかったのう。うひゃひゃひゃ」
 何人かがピクリと反応する。
「おや?」
 メルティさんを見やり白ひげをしごく。
「おやおやおや。超巨乳のお姉ちゃん、だぶだぶ服で隠して……しかもまさか、サラシを巻いとるのか?」
 超巨乳? 華奢なメルティさんが?
「サラシでオッパイを真っ平らに押さえ付け弾圧しておるのかと聞いておる! 何という悲劇! 蛮行! 圧制の暴虐! 解放せよ! 極みの乳に自由を与えよ!」
 饒舌なメルティさんが黙って下を向いてプルプルしています。

「……おっぱい女なの?」
 ニトロがつぶやく。
「わあん!! ニトロたぁん! あちきがおっぱい女でも友情は不滅よね?!」
「……意味……分かんない」
「だってニトロたんってぺったんこだし!」
「………………」
 口を三角にして押し黙るニトロ。

「瞼を閉じれば思い出す。そう、浴場でわし様を見るなり驚いて飛び上がって着地した時の乳の揺れはまさに芸術品じゃった。輝く皮膚に包まれた柔らかな脂肪の移動に伴う急激な地形変化。それにより愛らしい乳首は荒波に翻弄される小舟のようになすすべもなくしきりに向きを変える」
 ブローレンスさんはドン引きの空気に構わず続けます。
「身をも滅ぼしかねぬ揺れを止めてやろうと差し出した慈愛の我が手をこの女の腕は拒否するも押し退け掴んだ至福の柔肉」
「ぎゃーっ!! やめてぇー!!」
 この人、何やったんだ。
「じいさん、いい加減にしとけよ」
 ついにズバンティーヌさんが語りをやめようとしないブローレンスさんを制しました。
「ズバンヌたん! さっき責めた遺恨も忘れ、あちきのために立ち上がる勇者! 感激!」
「お前、ここで混ぜっ返すな」

 ブローレンスさんが鋭い目でズバンティーヌさんを見やる。
「ぬ。お主は野生味溢れる見事な身体の持ち主。鍛え抜かれた筋肉のハーモニー。そこにあるは古き民より崇拝集めし猛々しき美」
「えっ? いや、何?」
「ロマンスを拒む固い筋肉の上で、しかし恋の言葉のように流れる乳房。そして刮目すべきはその淡色の恥部さ」
「待ておい」
「それはまるで運命に怯える贄の子羊のように震え、両開きの扉の向こうに身を隠す。しかし、いつか露とならば巫女の少女の如く晴れやかに踊り出そうぞ。獅子の身体に鈴蘭の蕾。アンバランスなその出会いは神の悪戯か悪魔の蹉跌か」
「おまえ占星術師か何かか? 何言ってんのか分かんねぇ」
「褒めておる。讃えておる」
「えっ。ありがとう」

 目を伏せていたルキナさんが上目遣いにブローレンスさんの顔を見ました。目が合ってしまったようです。
「ひっ」小さく叫ぶ。
 ブローレンスさんはルキナさんの後ろに回り、その両肩に手を乗せました。
「ミューズよ。その身体、古代の彫像を想起させるアルカイックな佇まい。神秘の光放ち、天上の女神もかくやとおぼしき官能をその奥に宿す」
「あわわわわ……」
「恐れるな。我が瞳に焼き付けしその姿、計ったが如き黄金比に満つ奇跡の造形。恥丘の柔草すら完璧なる位置に芽吹き完璧なる長さに伸びる」
「ももももうけっこうですわ……」

「おじいちゃん、悪趣味よ」
 トリアさんが眉間に皺寄せたしなめます。
「お主は! 業深き情欲の具現化、現し身かっ! 攻撃的な膨らみから極端なくびれを経て淫靡の尻へ。天然デフォルメの肉体が歪んだ調和の中で妖気にも似た美を纏わせる」
「ありがと」
「されど仔犬の魂は時に哀しく、皮肉なことにそれは陰となって表面の淫と美を彩るのだ」
「何だかだんだん方向性が変わってきてるんじゃない?」
「そうかの?」

「呪文聞いてるみたいで眠たくなってきた。さっぱり分かんない」
 テンテがあくびをしながら言います。
「テンテはおバカさんなのよ」
「そうなんらか?」
 イチョウとツブラの会話にテンテは色めき立ちました。
「ちっ、違わいっ! 違わなくても、もっとオブラートに包んで言えよっ」

「大丈夫。大丈夫じゃ」
 ブローレンスさんは今度はテンテに話しかけます。
「三年後にはお前さんは妖艶の香気を放って陰嚢を惑わし、たとえずっとバカでも生きていけるようになろうぞ」
「? やっぱり分かんないよ」
「昨夜見た未成熟な身体は傾城の萌芽を感じさせた。胸部のなだらかな丘はやがて地殻変動を起こして爆発し、股間の泉は馥郁たる麗しの蜜で貴人を誘おう」
「?? 体が爆発したら死んじゃうよ」
「種はすでに芽生えておるのじゃ。植物の芽がみるみる伸びゆくように胸は大きくなり……」
「おいら植物じゃないやい」
「例えとるんじゃ」
「乳首が種ってこと? 種は埋めなきゃ芽が出ないよ。乳首は表面についてるのに」
「ううむ。では胸のことはいい。種が埋まっとるというならお主の陰核はまだ露出してないと思うが……」

 ルキナさんがゆらりと立ち上がりました。
「子供に何言ってるんですの?」
 ブローレンスさんに近づいてゆく。
「ぬう。こんな子にはもうちゃんとした知識を」
「お黙りっっ!!!」

 ビンタ一発、ブローレンスさんは奥まで飛んでいって大音響と共に壁の飾りとなり果てました。

「お年寄りにも容赦ないわね」
 ずずっとお茶をすすりながら言ったのはトリアさん。
「あーーーーーっ!!」
 不満げな声を上げたのはイチョウ。
「まだあての鑑賞レポート聞いてないのにい!」


 カヤネが慌ただしく道場に戻ってきました。
「あれっ? あの人なんで壁にめりこんどんや。……まぁ、ええわ」
 僕達の方へやって来る。
「女性陣にお願いがあるんや」
「なぁに?」とトリアさん。
「村の女性の有志が皆はんを招いて交流会を開きたい言うてんねん。もうちょいしてからやけど来てくれへんか?」
 みんな顔を見合わせる。
「いいわよ」
「いいぜ」
「OKだよ!」
「かまいませんわ」
「おいらも?」
 カヤネがうなずきます。
「おおきに。テンテもやで」
「でも交流会って社交的な何かか? この服しか持ってないぜ?」
 ズバンティーヌさんの身につけているものは服というか、鎧というか、形容しがたい何かですけど。
「そないな堅苦しいもんやない。皆あんまり村から出んよって、外の珍しい話聞きたいだけやろ」
「なるほどですわ」
「手焼きの甘いお菓子とか食べれんで。も少ししたら迎えに来るわ」
 バタバタとカヤネが行ってしまうとトリアさんが言いました。
「アレンも行くわよね?」
「ええっ? そっ、それはさすがにないです」
「そう」
 表情からは本気で言ったのかどうか判別できません。
「ガミガミ女仮面ちゃんは無理ですわね……」
 ちょっと物憂げに言うルキナさん。
「お菓子くすねて持ってきてあげればいいよ!」
 テンテが言うとルキナさんは笑う。
「別にくすねなくても頼めばお土産にくれると思いますわ」

 男組の方でガンプさんが立ち上がりました。
 あっ、剣術稽古の時間だ。

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