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ここから番外編(腹黒王が割と出ます)
03: 男子禁制と門前払い。
しおりを挟む「天使くん!!」「天使くん大丈夫か!?」「エルエルーー!!」「サーーミ!!」「私の可愛い天使!サーミ!」「相変わらずのアホか退け!お前このカスコンク!」「痛っった!!毎度毎度足踏むなや!バローのバーロー!」「いやいや!さりげに俺を押し退けてるこの手を離さんかいやぁぁ!!い"ぃ"ぃ"…!!」「くそっ!貴様らぁぁぁ!!退かんかぁぁぁ!!」「……(怒)」
王城内の神殿に馬車が着き、当然の如くヒルトゥーム国王がミューを抱き抱えて馬車を降りると、神殿に入るまでの短い通路の片隅、幾重にも重ねられた結界の向こうにギャーギャー喚く集団がいた。
プラチナブロンドチリチリヘアに菫色の瞳の第1王子バロックィート(31)運命のような恋がしたい独身、現在、ヒルトゥーム王太子様。
プラチナブロンドツンツンヘアに薄荷色の瞳の第2王子コンクィート(30)運命のような恋がしたい独身、現在、アーサーの故郷辺り新生アサルテア王国国王。
薔薇みたいに真っ赤なツンツンヘアに藍色の瞳の第3王子タンスィート(20)運命のような恋がしたい独身、現在、新生ヨルダルネ王国国王。
相変わらず似た声で、いっぺんに喋ると誰が誰だか判らない。
そして、プラチナブロンドストレートのオールバックに青の瞳の我が義兄上ロレンツォ・コートニー(30)相変わらず独身、現在、大幅に領地拡大しまくったコートニー領を統治するコートニー侯爵様。
と、プラチナブロンドと言うには少しくすんだ、カフェラテの泡みたいな滑らかな短髪に、強い意志の籠ったダルブルーの瞳の我が義父上フランク・コートニー(48)独り身、現在、家督をロレンツォ義兄上に譲ってのんびり領地経営を手伝ったり遊んだりしつつヒルトゥーム国王からの猛アプローチを受けてり逃げたりの真っ最中♡の五人が団子の様になって出迎えてくれていた。
「おい!パーリエス!これは何の真似だ!!」
結界の向こうで義父上が叫んでいるが、こっちにはくぐもった小声くらいの音量にしか聞こえない。
「五月蝿いねん!天使くんが今しんどいの見て判らへん??俺がフロレンスの分までママ頑張るから、男どもはそこで指咥えて見とり!」
風魔法の応用だろう。結界の向こうで国王の声が炸裂する。
俺はそれを聞きながら、何処からどう見ても攻め入る側の頂点みたいな王が今、"ママ"のつもりだと云うことに静かに驚いた。
くったりと、王の腕の中で安心しきった顔で眠るミューを見ながら神殿に入ろうとすると、王がくるりと振りっ返って、掌で俺達を制した。
「こっから先は、男共は立ち入り禁止や!アンタラもあっちのお兄ちゃん達と一緒に待っとり!
安心し、天使くんはちゃぁんと俺が面倒見るからに。ほな、なー。」
「えっっっ!?」
予想外の王の言葉に、隣のキュルフェがすっとんきょうな声をあげる。
まぁ、そうなるよな……。
俺もこんな所で門前払いされるとは思ってなかったよ。
バタン!と目の前で閉められた扉を呆然と見つめ、俺とキュルフェは暫く立ち尽くした。
扉の向こう。優しく、何処かおどけた感じでミューに語りかける王の声が遠ざかっていった。
ミューが離れて気が抜けたのか、少し目眩がする。暑いな。
「ふぅ……門前払いされるとは思ってなかったです。……それにしても、旅の疲れかな…?何だか少し眩みます。」
そう言って手の甲を額に当てるキュルフェに、俺も頷き、同じ様に手の甲を額に当てた。
「暑いと思ったんだが、俺達が熱っぽいのかな?」
「いよぅ!婿殿共!この度はおめでとさん♪」「チクショー!俺の可愛いエルエルを!」「なぁなぁ、早よない??デキるん早よない??こんなもんなん???」
ふぅ、と一息吐いて呟いた時、後ろから誰が誰だか判らない感じでわちゃわちゃと声をかけられ、俺とキュルフェは慌てて振り向いた。
どうやら、神殿に入ったから王は結界を解いたらしい。
「これはこれは……」
兄上達、といいかけて、俺とキュルフェは言い淀む。
何かミューや王子達の雰囲気では、彼等は実の兄弟みたいな認識なんだが、義兄上や義父上の感じだとそれは何か違うみたいで、でも、今、割と兄として話しかけてる雰囲気出てて……これは、何て呼べば良いんだ??
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