勘違い白豚令息、婚約者に振られ出奔。~一人じゃ生きられないから奴隷買ったら溺愛してくる。~

syarin

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ここから番外編(腹黒王が割と出ます)

06: ゲームで語られなかった未来の始まり。

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「いらっしゃ~~い♪♪」


  えっっ 誰!?


覚悟を決めて入室した荘厳な部屋の奥。
きらびやかな玉座にゆったり座って何だか軽薄な響きの西訛りで笑い掛けてくる、色白金髪碧眼のカリスマ溢れるイケオジに、僕は思わず、あんぐりと口を開けたまま固まってしまった。

玉座は文字通り空だと聞いていたから、本当に状況が理解できなくて、そのまま手を伸ばして横のアモネイの腕をクィクィと引っ張るも反応が無い。
訝しく思って彼を見上げれば、僕以上に驚いて硬直していた。

金髪碧眼イケオジは、そんな僕達を凄く愉しそうに見下ろしてる。

えっ、本当に誰??

イケオジの背後、左右に控えている人達は皆褐色肌に赤系か濃い髪色で。

彼等の平然と控えてる態度といい、イケオジの頭の上で燦然と輝く王冠といい、イケオジのキラキラ王子様フェイス(ちょっとエイジング加工済)に似合わない異国情緒溢れる綺羅綺羅衣裳といい、何だかイケオジが王様みたいに見えるんだけどな?

あれ?アモネイが王様に即位するって思ってたんだけどな??

え?この王様からアモネイが譲位されるってこと??てことはお父様??あれ?でも色白で……全然、アモネイと似てなくて……???

???????

扉から少し入ったところで固まって一歩も動かなくなったアモネイの横で、僕も立ち止まったまま大混乱。

そんな僕達の石化を解いたのは、聞き慣れた声の、聞き慣れない口調だった。

「はぁ~~、しんど!おー、パリやんめっちゃ王様やんけー!ウケるww」

驚いて見れば、コキコキと肩を鳴らしながらタンスィート様がにこやかに近付いて来ていた。
パリやん、と呼ばれたイケオジとどういう関係なんだろう。凄く仲が良さそうだ。

只、仲良くしていた自負はあるけど、こんな西訛りで話されるタンスィート様は初めて見る。も、もしかして…影武者!?
じゃぁ、本物のタンスィート様は何処に??

「お、お疲れさん♪タンタン。でや?似合うかー??格好ええやろ♡」

た、たんたん???え??たんたんって言ったの??タンスィート様を???それかタンスィート様の影武者を!?

「なんやねん、めっちゃ楽しそうやんけ。似合てへんわ。……全く、俺は下手な演技がバレへん様にしよ思てめっっちゃ気ィ張ってたんに、パリやん一人リゾート気分かよ。」

「おー、おったおった。バロー、パリやんおったで。タンタンもおるわ。なんや。タンタンめっちゃ探しとったんに。」「おー、マジか。ほんまやんけ。タンタンお前めっちゃ探してんぞ。」「あ!コンにぃ、バロにぃ!はぁー?俺こそ探しとってん!おらんから、しゃーないから此方来たんじゃ!もう!」

呆気に取られていたら、タンスィート様に声がそっくりな金髪イケメンが二人、はーだる…とか呟きながら入ってきた。

二人とも金髪碧眼だけどタンスィート様とそっっくり!……てことは、もしかして…

「バ、バロックィート王子殿下…コンクィート王子…殿下……?どうして…此処に?」

僕の代わりに疑問を口にしてくれたのはビクトール様だった。両手首と首を鎖で繋がれた痛々しい姿ながらも今日もお美しい。
横でポカンとジューン様とウェスティン様が口を開けている。

そう、彼等も、その後ろに続く令息達も、即位式の後、臣下に褒賞として与えられる為に連れてこられたんだ。
だから、ビクトール様は不思議がってるけど、王子達がこの場に居るのは何もおかしくはない。彼等もこの場に連れてこられる予定だったから。
問題は、彼等がビクトール様達みたいに拘束されておらず、自由に動き回ってたらしき事。

後、玉座のイケオジが、凄く…王子達と似てるって事……。

そう、まるで親子みたいにそっくり。


何だか嫌な予感が、僕の背中をぞわぞわと這い回った。


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